トヨタ70スープラR、トヨタ初の280馬力!

トヨタ70スープラセリカXXの後継車として、2ドアクーペのソアラとコンポーネンツ共用した3ドアHBだった。当初は、3リッター直6ツインカムターボと2リッター直6ツインカムツインターボ。この2リッターツインターボはマークⅡ系にも搭載された。スーパーカー世代には、76年ポルシェ935ターボやBMW3.0/3.2CSLターボら以来聞くツインターボの響きが懐かしかった。

当時ツーリングカーレースのグループAレギュレーションに対応して、ニッサンは2リッターのR31スカイラインGTS-Rを設定し、星野一義鈴木亜久里らを乗せた。トヨタはソレに対応して、3リッターのスープラに270馬力のターボAを設定し、関谷正徳や小河等らを乗せた。フォードシエラコスワースに対して、スカイライン星野一義鈴木亜久里のドライビングで速さを見せたがトラブル、スープラ関谷正徳と小河等のドライビングで着実に走り3位に入った。

80年代終盤の税制改定に依り、直6の2リッターターボ搭載車を中心に、以降モデルの2.5リッター化が始まった。

ニッサンはグループA対応のホモロゲーショングレードとして、R32スカイラインにGT-Rを設定した。

ソレに対してトヨタは、70スープラの2.5リッターターボRを設定した。280馬力車両としては、ニッサンのZや三菱のGTOの3リッターツインターボや2.6リッターツインターボのGT-Rよりも排気量小さい2.5リッターツインターボで、フツ~のカタロググレードとして、ソアラスープラだけでなくマークⅡ系など広く280馬力車両を設定したのだ。しかも、R32GT-RがアテーサE-TS4WDなのに対して、スープラRはフツ~のFRだった。

 

 

 

 

 

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トヨタ初の280馬力は「スープラ2.5GTツインターボR」でした。「R32 GT-R」や「Z32フェアレディZ」の陰に隠れた名車を振り返ります
5/31(水) 8:10 Yahoo!ニュース
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ドライビングプレジャーの高い1台だった
 
ドライビングプレジャーの高いクルマだった
国産スポーツカーの大きなビンテージイヤーは1989年(平成元年)。この年、日産「フェアレディZ」(Z32型)と日産「スカイラインGT-R」(R32)が登場し、国産ハイパフォーマンスカーは280ps(自主規制)時代に突入する。マツダは3ローターのロータリーエンジン(20B)を搭載した「ユーノス コスモ」を送り出したが、トヨタはしばらく静観していた。だが、Z32やR32に遅れることおよそ1年。トヨタが280ps戦線に送り出したのが、「スープラ2.5GTツインターボR」だった。

【画像】70スープラの完成形!「2.5GTツインターボR」の内装を見る(全10枚)

タイヤも当時最強といわれたブリヂストンポテンザRE71を装着
エンジンこそ最新の1JZが与えられたが、シャシーは4年前にデビューした70スープラのまま。エンジンだけパワーアップし、バランス的にどうなのかと思いきや、2.5GTツインターボRは、意外にもFRスポーツのお手本のようなハンドリングに仕上がっていた。それを可能にしたのは、まずエンジンが軽くなったこと。3Lの7M-Gよりも2.5Lの1JZは軽量で、前後の重量バランスが改善されたのが大きい。

また前後のダブルウィッシュボーンサスペンションも横剛性が十分にあり、ストローク量も多かった。ダンパーもターボRからビルシュタイン製になり、峠などの荒れた路面でも凹凸をしなやかに吸収していた。

アクセルレスポンスもよく、トルセンLSDが標準化されたことでパワースライドもしやすくなった。しかもドリフトコントロールが容易だったので、「280馬力になって速い」というより、ハンドリングを楽しむスポーツカー、ドライビングプレジャーの高いクルマというイメージだった。

インテリアもレカロシートが標準で、ステアリングとシフトノブはMOMOの本革製を採用。ブレーキローターも500台限定だった3.0GTターボAと同じくサイズアップしていた。タイヤも当時最強といわれたブリヂストンポテンザRE71(前後225/50R16)が与えられていたことも、280psの1JZとのバランスをとるのに欠かせないファクターだったのは間違いない。

しかもこれだけの好条件が備わっていながら、70スープラがモデル末期だったこともあり、車体価格は280ps軍団の中でもっとも安価な338万2000円。ライバルが華々しかっただけに、ちょっと存在感が薄かったが、70スープラの中でもこのターボRの完成度はなかなかのもので、もっと評価されてもいい1台だったといえるだろう。
藤田竜太

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