懲りない"出す出す詐欺"ホンダカルチャー!

ホンダ車のドコがやり過ぎだって?二輪でNSR250を市販した時や片持ちVFR400を出した時は『やり過ぎかも?』と思ったが、四輪にはサラサラない!やり過ぎと言えば、期待されたモノに対する、お茶の濁し具合のヒドさだろう!

出す出す詐欺の始まりは、やはりNA1型NSXだろう。ホンダF1イメージで、V6ツインターボかV10かV12、罷り間違ってもF3000のV8を期待した。レジェンドで横置V6ターボあるから、ソレ以下は考えられなかった。87年までのホンダF1総監督桜井叔敏サンを市販車担当になり、着任時に「ホンダがやるからには、ポルシェやフェラーリをブッちぎる!」とコメントした。グループAで、ニッサンR32スカイラインGT-Rやトヨタ70スープラターボAをブッちぎるマシンを期待した。そのためには、レースに必要なメンテナンス性や部品対応が必須だった。しかし、出て来たクルマは横置V6NA?総アルミ?ペラペラモノコック?誰がどうチューニングして、メンテナンスするの?イヤ、ディーラーもアルミ治具工具はないし、鉄のロールケージすら溶接デキない、ダメベース車両だ。オートバイのフレーム技術を活かし、鉄フレームにFRP外板をクリップすれば、容易にグループA仕様にデキた。結局、ホンダとしてのレース車両投入はなく、無限&童夢に丸投げした。以後も、ビートやデルソルや4代目プレリュードやインテグラもハズし捲った。

そして、S2000!車幅1.7m超すというコトは、「無差別級にエントリーする。」というコトだ!2リッター直4NAの250馬力&トルク20キロや1.8mに満たない車幅の車両が、無差別級でどれくらいの位置にあるモノか、正気で考えればわかるコトだ。何のやり過ぎもない。考えが全く足りなかった。

無差別級にするなら、2リッター超のV6ターボしかなく、車幅も1.8m超くらいは必要だったろう。それなら、2座オープンなんておチャラけはデキなかったろうし、少なくとも原価制御と合わせて2+2クーペやセダンや2座クーペとの共用はマストになったろう。専用設計だの専用部品だの専用ユニットなんて、誰も望みはしないのだ!

やり過ぎを褒める?バカじゃないの!

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もうS2000のようなクルマは作れない…ホンダが時折見せる「やりすぎ」を褒める
2024.03.28 13:02掲載ベストカーWeb16

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ホンダ自慢のVTECエンジンにオープンボディ、高剛性シャシー、2シーター、後輪駆動、さらには6速MTのみという刺激的な内容で、クルマ好きを熱くさせていたピュア本格スポーツカー、ホンダ「S2000」。特に最終仕様の「Type S」などは、「カタログモデルでここまでやるか!??」と思ってしまうほどの派手なエアロパーツを装着し、もちろん中身もホンダならではのこだわりがとことん詰め込まれていた。

平成の名車「S2000」について振り返りながら、ホンダがこの「S2000 Type S」でみせてくれた「やりすぎぶり」についても振り返ろう。

もうS2000のようなクルマは作れない…ホンダが時折見せる「やりすぎ」を褒める

文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:HONDA、ベストカー編集部

黄金時代のホンダがこだわりぬいたピュアスポーツ

1999年4月に発売となったS2000。2.0L 4気筒の自然吸気エンジンながら、最高出力は250ps/8,300rpm、レブリミットは9,000rpm、最大トルク22.2kgm/7,500rpmを発揮。リッターあたり125PSは、当時としては相当にポテンシャルが高いエンジンだが、それでも当時の排出ガス規制値をはるかに下回る、先進的な環境対応エンジンだった。

初期モデルのS2000。オープンボディでありながらクローズドボディと同等以上の剛性を持つシャシーでピュアなハンドリングが楽しめた

シャシーは、ボディ中央部に位置するフロアトンネルをメインフレームの一部として活用し、フロアトンネルを前後のサイドメンバーと同じ高さで水平につなぐ「ハイXボーンフレーム」を採用することで、オープンボディでありながら重量を増加せず、クローズドボディと同等以上の高剛性と衝突安全性を実現。

電動ソフトトップは、スイッチ操作で開閉が可能で、開閉にかかる時間も約6秒と、気軽にオープンエアを楽しむことができた。また、タコメーターも左から右に流れるルデジタルタイプで未来を感じたし、ステアリングまわりにスイッチを集中させ、プッシュボタン式エンジンスターターを採用したことで、フォーミュラカーを彷彿とさせるインテリアにも仕上がっていた。このあたりの演出は、当時のホンダはとてもうまかったと思う。

2001年にはマイナーチェンジが実施され、サスペンションの改良、オーディオの出力向上などブラッシュアップが図られた。2003年の2度目のマイナーチェンジでは、ヘッドライトやリアコンビネーションランプ、前後バンパーのデザイン変更、インテリアのデザイン変更、新デザインの17インチアルミホイールの採用、ブレーキ性能の強化、ボディ剛性の強化など大きな改良が加えられた。

2005年に再び実施されたマイナーチェンジで、エンジンは2.2Lに排気量アップ。DBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)の採用と合わせ、より日常での走りの質感を高めた。シート形状の変更や内装材の色調変更などにより、インテリアの品質も向上されている。

そして2007年10月、「Type S」が登場する。これがピュアスポーツS2000の集大成であり、特別な「ファイナル仕様」となった。

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極限まで追求された空力性能

S2000 Type Sの派手なエアロパーツは、もちろん見た目だけではなく、開発にあたって掲げられたテーマ「オープンスポーツとしての操安性能追求」を達成するため、風洞実験室での基礎的な研究と、徹底した実走テストによって突き詰められた形状だ。車両全体のCL値(揚力係数)の低減を目指すとともに、理想的な前後リフトバランスを追求するために装備されていた。

たとえば、大きく左右に張り出したフロントスポイラーは、高速走行時にボディを路面に押し付ける方向に力を発生し、ボディを浮き上がらせようとする揚力との相殺を図っている。リアスポイラーは翼断面形状とすることで、CL値を大幅に低減。中央部を大胆に持ち上げた形状になっているのは、オープン時、クローズ時どちらの場合でもシート後方の乱流を積極的に整流するためだそうだ。

2007年10月に発表されたS2000 Type S。インパクトのあるエアロパーツについ目がいってしまう

Type Sのフロントスポイラー。ボディを路面に押し付ける力を発生させ、揚力を相殺する効果がある

Type Sの派手なエアロパーツは、空力特性をとことん追求した高機能なもの。これにより理想的な前後リフトバランスを手に入れている

本当にクルマが好きな人たちがつくったクルマだった

もちろん空力性能だけでなく、サスペンションもフロント・リア共にダンパー、スプリング、スタビライザーが強化・最適化され、ロール剛性と応答性を向上。ステアリング操作に対するレスポンスのクイックネスもさらに突き詰めることで、高速コーナーでの安定性を保ちつつ、中・低速コーナーでの切れ味鋭い旋回という、相反する要素を同時に実現していた。

極めつけは「徹底した軽量化」だ。Type Sが登場するタイミングで、S2000バネ下重量の軽量化のため、アルミホイールのデザインを変更しているが、Type Sではそこからさらに、スペアタイヤとジャッキを廃し、応急パンク修理キットを搭載することでも軽量化を図った。リアスポイラーも中空化することで重量増を最低限にとどめている。

正直、多くの人が公道でしか乗らないカタログモデルでここまで必要なのかと思えるほどのこだわりぶりだが、そんなものはどうでもいいのだろう。クルマが好きでたまらない人たちが、やりたいことをすべて実現させたような、「やりたいからやる」というホンダの姿勢を存分に味わうことができたクルマだった。

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中古車市場では、程度の良い個体なら500万円以上と、新車販売価格よりも高い価格で取引されている。電動化うんぬんもそうだが、何事にも効率が求められる現代では、このように無駄にも思えるほどのこだわりが詰め込まれたクルマがこの先登場する可能性は低いと思われ、そう考えるとこの中古車相場も高くはないかもしれない。

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