通常、自然吸気エンジンでは、1気筒当たり500ccが排気量設定の基準だ。8気筒なら4リッター、12気筒なら6リッターである。昔から、F1であれ市販車であれ、Bフラットと呼ばれるハイトーンのエンジン音はソレによる吸気管や排気管の太さに依ると思われる。
実際は550や575Mも599もあるが、365/512BBからF512Mに至るミドシップフェラーリから、FRに回帰した最初のモデルだったと記憶している。排気管が伸び、益々高い音になったように感じた。
ワタシはアルピナB12-5.0BMWを所有しているが、FRでSOHCの5リッターV12でもキレイなハイトーンのエンジン音がする。DOHCの5.5リッターV12のFRフェラーリは、やはり乗ってみたい1台である。
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1000万円以下で手に入れるお薦めフェラーリ「456 GT」は渋色、MTを狙え!
2020/12/18 19:10 くるまのニュース
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■フェラーリのカスタマーを長く待たせた4座フェラーリ
「最高のものを手に入れるためには、長い時間を待たねばならないものだが、その時間もまた価値のあるものであろう」
1000馬力!! 「ラ フェラーリ」より速い「SF90スパイダー」が誕生!
フェラーリは時に、カスタマーにこう話したことがあるという。
●1996 フェラーリ「456 GT」
1992年に、ベルギーのフェラーリ・ディーラー、「フランコルシャン」の創立40周年イベントでアンヴェールされた新型2+2GT、すなわちそれまでの「412」の後継車となるフルサイズ・ラグジュアリーGTの「456GT/GTA」は、その発表から実に3年もの時間を費やしてようやくセールスが開始されることになった。
スチール製のチューブラーフレームに、ピニンファリーナが描き出した美しいアルミニウムをメイン素材とするボディを組み合わせる手法は、前作の412と同様だが、そのデザインは412が直線基調だったのに対して、流麗な曲線を多用した、現代的なものに生まれ変わった。
ボディサイズは全長4730mm×全幅1920mm×全高1300mm。一見巨大なGTに見える456も、実は現代のモデルと比較すると、ひと回りはコンパクトで、使い勝手に優れたサイズを持っているのだ。ホイールベースも2600mmと市街地でも負担は少なそうだ。
改めてそのデザインのディーテールを見る。もっとも印象的なのは、やはりサイドビューと端正なフロントマスクだろうか。
リトラクタブル方式のヘッドランプは、すでにその採用モデルはクラッシックの証となり、コンパクトなフロントグリルも美しくデザインされている。
サイドビューからは、この456GT/GTAが2+2のシートレイアウトを持つことを確かに感じさせるが、実際のキャビンは完全なフロントシート優先のデザインで、残念ながらリアシートの居住性はミニマムでしかない。
■珍しい色の456GTの気になる落札価格は?
今回の出品車のボディカラーは、ヴェルデ・イングレーゼ(イングリッシュ・グリーン)と呼ばれるもので、これは当時の記録によれば、わずか55台のみの左ハンドル車に使用されたカラーであるという。
●1996 フェラーリ「456 GT」
フロントに搭載されるエンジンは、5479ccのV型12気筒自然吸気。10.6の圧縮比とボッシュ製のエンジン・マネージメント・システムによって、442psの最高出力が得られている。
組み合わせられるトランスミッションは、GTが6速MT、GTAは4速ATの選択が可能で、出品車は近年オークション市場でも人気の高い前者の方だ。
結果そのパフォーマンスは、0-100km/hで3.3秒。最高速は300km/h以上と発表されている。
この圧倒的な運動性能に対して、一切のエアロデバイスを持たないかのように見える456GT/GTAだが、リアのテールエンドにはリップスポイラーが、そしてバンパー下には電動式の可変式のスポイラーが装備されている。
丸目4灯式のテールランプと4本出しのエグゾーストが組み合わされるリアビューもまた、現代の目で見ても美しい。
インテリアのデザインも、ここ最近のスーパースポーツと比較すると、シンプルなデザインではあるが、高級感が保たれていて好感が持てる。6速MTはリバースが左上に配置されるデザインで、アルミニウム製のシフト・ノブは、アルミニウム製の削り出しだ。
ダッシュボード上のスイッチからは、ハード、ミディアム、ソフトの3段階にサスペンションのセッティングを選択することも可能だが、456GT/GTAは常に減衰力を走行状況に応じて自動的にコントロールしており、さらにリアにはセルフ・レベリング機能も備わる。
1990年代当時、それはもっとも先進的で、またフェラーリのいう「最高のもの」にほかならなかったのだ。
今回出品された456GTは1996年式。新車でのデリバリー後、ヨーロッパ各国で所有され続けてきたが、サービスはすべてフェラーリのディーラーでおこなわれてきた。
こうしたことが大きなバリューとなったのだろう、注目の落札価格は6万3800ポンド(邦貨換算約893万円)。かなり魅力的に感じるプライスでの落札だった。
【VAGUEの見解】
イングリッシュ・グリーンという渋色のボディカラー、そしてFR4座、マニュアルトランスミッションというまさに分かる人にだけ刺さる組み合わせのフェラーリ。このようなフェラーリをサラリと乗りこなすのが、本当の粋人といっていいだろう。
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