スカイラインが売れなくなった理由?

そもそも、スカイラインがあるべき姿でいたのは、いつまで?ワタシは、R33でベースを実質3ナンバー車体にした時だと思う。

基本、スカイラインとは、日本のストリートでキチンと対応したサイズの中で、最高の運動性を持ったクルマだと思う。確かに、R31で輸出用にRB30まであったが、2リッターで5ナンバーサイズが基本。本来、スカイラインGT-Rはレースに向けたチューニングをされたクルマだった。R32のマイチェンで2.5リッター化されても、サイズは変わらず、変える必要もなかった。

R31から、グループAに対応して、エンジンもサイズも変えず、GTS-Rを出した。R32でのGT-RはR32スカイラインとは別物だった。それでも、両者はフツ~に売れた。セリカから変異したスープラソアラと共用していたせいで、3リッターでターボAを設定したのとは、同じ国内レース向けのクルマでも少し道が違った。

クルマは商品である以上、日本で売るクルマは日本の規格、世界に売り出すクルマは対象国の規格に合わせて作られなければならない。アメリカ車に代表される外車が、平気でハミ出したようなクルマを抜け抜けと売っている光景を勘違いしたのだろうか?ヨーロッパにも排気量などで規格はある。規定されてなければ、ある意味無差別級になる。プロレスのジュニアヘビーとヘビーみたいなモノか、ソコで、メーカーやクルマ作りの節度が諮られる。日本のクルマなら、大きくは3ナンバーと5ナンバー。5ナンバーなら、エンジン排気量は2リッター未満、車幅は1.7メートル未満。それを超すなら3ナンバー、無差別級だ。

昔で言うなら、スカイラインは国内5ナンバーをベースにしていたし、スタイリングもセダン基調に(ノッチバックでない)単なるクーペも設定していた。フェアレディー/Zはインターナショナルクーペとして、少なくともエンジンはS30時代から2リッターより大きい排気量を与えられていた。エンジンが大きくなる分、ロングノーズショートデッキのスタイリングをしていた。両者はマーケティング的にセグメントされていた。

R33以降のスカイラインは、もはや無差別級に階級上げした自覚もなく、数センチのハミ出しに留め、小出しの改良しかしなかった。E46以降のBMWを見たらいい。機能向上だけを謳いに、殿様商売をしている。やるなら、見切って徹底的に商品改良しなくてはいけない。まして、日本本国の市場で、無差別級にハミ出したのに。

きっと、その領域はフェアレディー/Zに任せ、スカイラインは5ナンバー内での高機能を追求すべきだった。2.5リッターが普及しようと、それは違う車種か、5ナンバーサイズに高機能を与える形で良かった。しかし、トヨタマークⅡ系に引き摺られ、バカな拡大に踏み切った。むしろ、GT-Rのためのスカイラインに意味合いが変わった。

カルロス・ゴーンは、暫くZで繋ぎ、GT-Rをニッサンの象徴として、作り直した。スカイラインは、置き去り。その結果、ZはGT-Rの下級車種になった。その下に無関係なスカイラインが存在する。

 

 

以後の死んだスカイライン、名前だけ生かす意味はない。

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日産は「決して諦めない」と言うけれど! 名車スカイラインが売れなくなった「4つの理由」
6/28(月) 18:36 Yahoo!ニュース
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スカイライン開発中止」とならないために何が必要か
 
2019年に行われたスカイラインの記者発表会に登壇した日産自動車執行役副社長の星野朝子氏
 6月12日の日本経済新聞による「スカイラインの開発中止」の報道、読者諸氏の皆さんはどう感じられただろうか? 個人的には驚きはあったが、冷静に考えると世界的に見てもセダンの販売台数は低迷している。さらに、国内を見ても同世代生まれの伝統的ブランドであり、スカイラインよりも販売台数が堅調なトヨタ・クラウンですらセダンを生産終了し、SUVにカテゴリーチェンジというニュースが出る(編集部注:真偽は不明)のだから、スカイラインの生産を止めるという話はあってもおかしくない(日産は6月15日に報道を否定)。

【写真】レース用がベース! 初代スカイラインGT-Rのエンジン

 では、なぜスカイラインは売れないのか? また、往年のファンにも受け入れられないのか? 日本で一番ファンの愛情が深いクルマだけに、セダン離れ、ニーズの多様化以外にも理由があるはずだ。

売れない理由1:日本最強の高性能セダンとしての魅力が減衰
 
今もハコスカの愛称で親しまれている3代目スカイライン
 スカイラインは性能をリードするセダンとして人気を集めてきた。S20やFJ20、RB20などクラストップのパフォーマンスを持つユニットを続々と登場させ、2Lクラスで羨望の存在だったのだ。

 それが崩れ始めたのがR32以降で、GT-R×RB26という絶対王者はいたが、標準車は格下のランサー/インプレッサなどのWRC軍団に性能、速さで太刀打ちできなくなった。R33、R34に至ってはさらにそれが顕著となり、高性能セダンを求めるユーザーは他社に流れている。

 V35ではメルセデス・ベンツBMWと並び称される新世代の高性能パッケージを投入して、ハンドリングや居住性などで時代をリードしていたが、残念ながらその素晴らしさは一般人には伝わりにくかった。やはりスポーツセダン出身のスカイラインはわかりやすい高性能モデルが必需品なのかもしれない。

 その証拠にマイナーチェンジで3Lツインターボが追加された現行のV37型は販売台数が躍進。一番人気は歴代&クラス最強の405psエンジンを搭載するトップグレードの400Rだというから、多くの人がパフォーマンスモデルを待ち望んでいたということだろう。もちろん、セダンは低迷しているから爆発的ヒットは望めないが、560万円オーバーでも売れるのだから活かす方法はあるように思う。

売れない理由2:スタイリングに目新しさがなくなった
 
リヤフェンダーに与えられたサーフィンラインがスカイラインの象徴だった
 個人的な好みはあるものの、性能だけでなくデザインでもユーザーを魅了してきた。特徴的なのは4代目以降に採用されたドーナツテール、3~5代目に採用されたボディサイドのサーフィンラインで、スカイラインのアイコンとして広く認知された(これでファンの固定観念が強まった感もあるが)。

 丸テールなど伝統を排除したことでファンから不評であった11代目のV35もデザインに新しさを感じさせたが、10代目のR34は過去の人気モデルのいいところ取りをした懐古的なデザインで行き詰まり感があった。

 さらにスポーティな方向に振り過ぎたため高級感が不足。アッパーミドルセダンを求めるメイン層(40代以上)を取り込めなかったことで販売は低迷。凋落傾向にあったスカイラインにとどめを刺してしまった。R31、R34、V37など歴代のさまざまな迷走っぷりが表に出るのは人気車種の宿命といえるものだが、ファンだけでなく開発陣もひとりひとりのスカイラインに対する思いが強すぎるがゆえに起こる悲劇かもしれない。

売れない理由3:開発陣の顔が見えなくなった
 
第2世代と呼ばれるスカイラインGT-Rなどの開発を手掛けた、左から伊藤修令氏、渡邉衡三氏、加藤博義氏
 故・櫻井眞一郎氏をはじめ伊藤修令氏、渡邉衡三氏と直6エンジンを搭載する10代目までは開発陣の顔が見えるクルマであることもスカイラインの特徴だった。現役時代だけでなく、今もなお幾多の自動車雑誌に登場しイベントにも参加。イメージ戦略であったかもしれないが、オーナーやファンと交流を深め、耳を傾けることで、スカイラインブランドを浸透させてきたことは間違いない。

 運転が楽しいだけでなく、こうした開発陣の愛を感じさせるクルマだったから、乗り続ける人も多かった。派生車ともいえるGT-Rは今もなお顔の見えるクルマであり続けているが、現在のスカイラインは誰が開発しているか顔がほとんど見えない。開発陣とファンとの距離が遠くなり、求心力が弱くなっているのも原因かもしれない。

売れない理由4:経営陣が変わってスカイラインの立ち位置が変わった
 
V35型からはアメリカ・インフィニティブランドでも販売されている
 10代目のスカイラインの販売低迷に加えて、日産の経営状態の悪化もあり、次期型の開発も凍結されていた。つまり販売面で見れば、スカイラインの役割は事実上終わっていたのだ。仮に多くのファンが望むような流れで次期型が発売されていたとしても、よほどのクリティカルヒットでもない限り、ブランドの復調は難しかったはずだ。

 スカイラインが生き残ったのは、世界のプレミアムブランドと戦うための新たなプラットフォームを開発し、インフィニティブランドの主力としてセダンを投入することが決定していたから。国内では受け皿がないので、当時社長を務めていたカルロス・ゴーン氏がスカイラインというブランドを日産の財産と考え、戦略上そのネームバリューを利用するために残しただけかもしれない。

 つまり、11代目は名誉ある歴史/過去の伝統/熱い思いも古い経営体質とともに一度すべて捨て去って、まっさらな開発陣の手でプレミアムセダンとして生まれ変わった。上が変わればすべてが変わる。時代の流れには逆らえない。

 オールニューなセダンとして投入された海外では高い評価を受けたが、いいクルマだから売れるわけではないのは世の常だ。国内マーケットでは残念ながら広く受け入れられず、さらに既存のオーナー/ファンには過去と乖離し過ぎたことでスカイラインが生き残った喜びよりも、昔との決別の失望のほうが強く、販売台数低迷につながった。

まとめ:ライバルとは一線を画する新技術の搭載を求む!
 
今後の電動化社会では日産自慢のe-POWERをよりパワフルに進化させたスポーツユニットをスカイラインに投入するのもアリだろう
 SUVになるという噂もあるが、やはりスカイラインは最先端技術を盛り込んだ異彩を放つ高性能セダンであるべきだと思っている。いずれはEVセダンになると予想するが、それはまだもう少し先。

 前段階として例えば高出力化に対応したe-POWER仕様(リーフニスモRCやコンセプトカーのIMQに投入されていたEV技術を使えばパフォーマンスアップ、高速化、駆動方式などさまざまな可能性が模索できる)のような今は存在しない新しい技術(価値)を盛り込む。そしてメルセデス・ベンツBMW、レクサスにはない先進性と圧倒的なパフォーマンスを持つ新世代セダンとしてデビューすれば、ピリッとスパイシーな魅力が出ると思う(デザインイメージはインフィニティQsインスピレーションがベースとか)。

 FRプラットフォームは新型Zで残されるし、未来を想定したニュースカイラインが出る可能性はゼロではない。仮にフルモデルチェンジしたとしても4代目のように販売台数がトップ10に入るような爆発的なヒットはありえないし、低迷っぷりを見れば即リストラされてもおかしくない。だが、オーナーやファンではなく、生みの親であるメーカーが「決して諦めない」と公言しているのだから力強い。情に流されては未来はないが、それを打ち破る日産の力と情熱に期待したい。星野朝子執行役副社長の言葉を信じて待とうではないか。
山崎真一

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