ヤバイタマを投げる怪物投手

消えた天才と言うが、ちゃんと現れていたら・・・江川卓が、高卒ドラ1指名の阪急にキチンと入っていたら、江川の人生だけでなく、プロ野球の歴史も変わっていたのではないの?

江川は、高校時代の方が速かった。元々は慶応大学に行けるハズが深田先生に覆され、法政大学に行った。東京でチヤホヤされ、肩を痛め、帳尻合わせたピッチングに変わった。挙げ句、大卒でも1浪してしまった。

キチンと阪急に入っていたら、オーバースロー江川卓山口高志の球質異なる高めストレート、山田久志と足立光弘の速球派/変化球アンダースローなど、最強の投手陣がデキていたように思う。

投手のタマは、基本、スピンと空気抵抗の受け方による。大谷のストレートは真っ直ぐ、抵抗を受けずに進む。逆に、藤浪のストレートはスピンが多く空気抵抗を大きく受け、シュートしたりホップしたりする。山口高志江川卓でも、そういう感じだ。

 

 

 

 

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プロ野球「消えた天才」…マジでヤバい球を投げた「怪物投手」をご存知ですか…?
2/22(火) 8:03 Yahoo!ニュース
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Photo by gettyimages
 長い野球の歴史の中で、様々な変化球が生み出されてきた。だが、やはり「エースの本懐」は、全身全霊で放った直球で、強打者をきりきり舞いさせることだろう。一番の直球を投げたのは果たして誰か。

【ランキング】日本で一番スゴイ「怪物投手」は誰なのか…?

球速なら大谷翔平
 
2016年11月6日、日本代表の練習での大谷翔平(Photo by gettyimages)
 逃げも隠れもせず、真っ向勝負で打者をねじ伏せる。本格派投手のストレートは野球の華であり、投手のロマンだ。

 「私が『マサカリ投法』を編み出したのも、血のにじむような練習で徹底的に下半身を鍛えたのも、すべてはまっすぐで勝負に勝ち続けるため。ストレートこそが投手の生き様であり、魂なのです」(通算215勝の元ロッテの村田兆治氏)

 これまで数多のエースたちが己の存在を懸け、ストレートを磨いてきた。

 では、その中でプロ野球史上最高の「直球王」は誰なのか。

 直球を評価する上で、一番わかりやすい指標は球速だろう。一番速いピッチャーこそが、もっとも優れた直球王である。

 そう定義すれば、日本人の歴代1位は、2016年に165kmを記録した大谷翔平(当時日本ハム)になる。

 2位には藤浪晋太郎('20年阪神)の162km、3位には由規('10年ヤクルト)、千賀滉大('19年ソフトバンク)ら161kmを投げた投手が続く。

 だが、元広島の山崎隆造氏は、「スピードガンに表示される数字はあくまでストレートを評価する上での一要素に過ぎない」と語る。

 「私が現役の頃の速球派といえば江川卓(巨人)さんと小松辰雄(中日)さんでした。2人とも最速は同じ150kmくらいだったと思いますが、打席に立つと球の質がまったく違う。

 たとえると江川さんはピュッときて、小松さんはズドンときた。私が手こずったのは断然江川さんのほうでした。計測された速さが同じでも、打席で受ける印象は千差万別。つまり、打者が『打ちづらい』『打てない』と感じさせる球こそが、最高のストレートなのではないでしょうか」

 打者にとって、どれくらい打ちにくい直球を持った投手なのか。そのひとつの目安となるのが、「奪三振力(K率)」だ。

 K率は、単年度の成績で見たときに、対戦した全打者からどれだけ三振を奪えたかを示す。

 むろん、変化球主体で三振を奪う投手もいるだろう。だが、下記の表を見ると年度別K率の上位には、時代を彩った速球派ばかりが名を連ねている。

 先発では、川口和久('91年広島)が14位、9位には最速158kmをマークした故・伊良部秀輝(ロッテ)、7位には野茂英雄(近鉄)と剛球投手たちが鎮座する。

 そして、3位のダルビッシュ有('16年日ハム)や2位の大谷など近年の速球派を制し、堂々の1位を飾ったのが江夏豊('68年阪神)だ。

 この年の江夏は401奪三振を奪い、K率は31・9%を記録。同年の平均を15%以上も上回る。

 「あの年の江夏は、右でも左でも、低めのまっすぐでよく三振をとった。空振りじゃなくて、見逃しが多かった。低めに決めて振らせない。あれこそが、速球派の『完成品』ですよ」(村田氏)

幻の剛速球投手
 
2003年9月24日、マリナーズエンゼルスでの佐々木主浩投手(Photo by gettyimages)
 もっとも、昭和の速球派としてかならず名前が上がる江川は、この中に名を連ねていない。それは江川の投球スタイルに要因がある。

 「江川はランナーがおらず『単打くらいなら構わない』という場面では、軽くひょいと投げるけど、ピンチになると一転してギアを上げ、本気のまっすぐで三振を奪いに来る」(元広島の木下富雄氏)

 その点、常に「全力投球」で臨むリリーフ投手たちの数字は、ストレートの威力と直結している。

 中でも、1位の佐々木主浩(横浜)の成績は驚異的だ。'97年シーズンは打者219人に投げて99奪三振。ほぼ2人に1人を三振に切って取っている格好だ。

 190cmで100kg近い堂々たる体躯から、ゆったりとしたフォームで投げ込む最速154kmの直球は、テレビ画面越しでも重さが伝わってくる豪速球だった。

 「野茂投手も同じですが、球種が少なくても直球とフォークの両方が一級品の投手は相乗効果でたくさん三振を奪うことができる。他に頼れる球があることが、直球の価値を高めることにつながる」(スポーツデータ解析に精通する「NEXTBASE」のエグゼクティブフェロー・神事努氏)

 もっとも、前段で山崎氏が語っていたように、投手のストレートの質は十人十色であり、対戦した打者たちには、それぞれ「最高の直球王」がいる。誰のボールが一番打ちにくかったのか。歴代の強打者たちの言葉にも、耳を傾けてみよう。

 まず、'70年代後半に現役だったOBたちがそろって名前を挙げたのは、阪急の山口高志だ。

 「山口のボールは、目の前でホップする。左打席に立っていると、右投げの彼が放ったボールが対角線にまっすぐ伸びてきて、ベースのところでぐぐっと浮き上がる。『捉えた』と思っても、気づけばバットはボールの下をくぐって空振りしていた」(元ロッテの得津高宏氏)

 「山口は小柄だけど真上から投げ下ろしてくるピッチャーで、全盛期は高めのストライクゾーンでガンガン勝負してきた」(元西武の山崎裕之氏)

 山口は170cmと小柄な身体を全力で使い、ボールを地面に叩きつけるかのように投球する。全盛期、山口は投球の8割から9割をストレートだけで通した。まさにロマンの塊のような存在だ。

 セ・リーグにも、投球のほとんどをストレートにかけた男がいた。

 「炎のストッパー」こと津田恒実(広島)だ。

 「新人時代、先輩から、『津田はめちゃくちゃ速いから、深く考えずにイチ・ニ・サンで振れよ』と言われていた。そのとおりに振ったら、かろうじてファールチップになった。148kmでしたね。そうしたら2球目は高めにもっと速い球が来て、びっくりしました」(元中日の山崎武司氏・崎はたつさき)

 津田は全盛期のランディ・バース(阪神)にも全球ストレートで挑み、三球三振に切って取った。試合後の取材で、バースは「ツダはクレイジーだ」とつぶやき、ため息をついたという。

 '60年代にはプロ入り後わずか数年で肩を壊し、「幻の剛速球投手」といわれた投手がいる。尾崎行雄(東映)だ。

 通算1876安打、強打の捕手として知られた元中日の木俣達彦氏が、尾崎とオープン戦で対戦した際のことを回想する。

 「中日に入団した'64年に、オープン戦で対戦したんだけど、第1球で『あ、これはかすることもできない』と悟った。彼は当時19歳で、僕と同い年。とんでもない怪物がいるもんだと思いました」

 尾崎の映像から球速を割り出し、最速を160・2kmと結論づけた研究もある。もしケガがなかったら、と想像せずにはいられない才能だった。

 プロ野球史上の怪物投手はまだだまいる。引き続き、そんな「打てない球」を投げた投手の紹介とともに、「ノビる球」や「重い球」などのストレートには何が起きているのかを、後編記事『プロ野球史上「絶対に打てない魔球」を投げた「怪物投手」は誰か…? 意外すぎるその名前』で明かす。

 『週刊現代』2022年2月19・26日号より
週刊現代講談社

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