80年代、オートバイ最盛期!

80年代、K・ロバーツがヤマハでV3達成し、日本国内のオートバイ世界GPへの関心も上がった。スズキやヤマハだけでなく、ホンダもGPに復帰した。スズキRGΓやヤマハYZRに、ホンダのNR⇒NS⇒NSRが加わり、GP500がポテンシャルアップした。

そんなイメージを市販車に引き継いだのが、レーサーレプリカというオートバイだ。道路状況良くなったコトで、コレらのオートバイは適応できるようになった。

ただ、最初は大型二輪、RG500ΓやRZV500だった。RG400ΓやNS400Rにより、だいぶ普及するようになった。

週刊少年マガジン連載の楠みちはる「あいつとララバイ」やしげの秀一バリバリ伝説」に、RG400ΓやNS400Rは使われた。

そして、80年代後半に250cc2サイクルのレーサーレプリカブームが来た。スズキのRGΓ、ヤマハのTZR、ホンダのNS⇒NSR、カワサキもKRを出した。

 

 

 

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’80s国産名車「スズキRG400Γ/500Γ」再見【ライバル勢とは異なるリアルレプリカ】
2022/05/03 07:00 WEBヤングマシン3

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今も絶大な人気を誇る’80年代の名車たち。個性の塊であるその走りを末長く楽しむには、何に注意しどんな整備を行えばよいのだろうか? その1台を知り尽くす専門家から奥義を授かる本連載、今回は、ライバル勢とは異なるリアルレプリカ「スズキRG400/500Γ」をあらためて紹介する。まずはこの名車の特徴と歴史について振り返ろう。

●文:ヤングマシン編集部(中村友彦) ●写真:富樫秀明 YM ARCHIVES ●取材協力:クオリティーワークス

ワークス/市販レーサーに保安部品を装着しただけ?

’80年代中盤に登場した2ストGP500レーサーレプリカの中で、最も本物に近いモデルと言ったら、筆頭に挙がるのはスズキが’85年に発売したRG400/500Γだろう。同時期に販売された2台のライバル、ヤマハRZV500RとホンダNS400Rが、細部を観察すると意外にレーサーとの共通点が少ないのに対して、アルミ製ダブルクレードルフレームにロータリーディスクバルブ吸気のスクエア4気筒を搭載するΓは、ワークスマシン(あるいは市販レーサーRGBの’84年型)に保安部品を付けただけ、と言いたくなる構成だったのだから。

―― 【’85 SUZUKI RG500Γ】■全長2100 全幅695 全高1185 軸距1425 シート高760mm 乾燥重量156kg キャスター/トレール23度35分/102mm ■水冷2ストスクエア4気筒ロータリーディスクバルブ498cc 内径×行程56.0×50.6mm 圧縮比7.0:1 最高出力64ps/8500rpm 最大トルク5.8kg-m/7500rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量22L ■タイヤF=110/90-16 R=120/90-17 ●発売当時価格75万9000円

―― 【500の輸出仕様は95ps】一般公道を意識した各部の見直しは行われているが、2ストロークスクエア4気筒の基本構成は、’82~’83年型ワークスRG-Γと同時代の市販レーサーRGBに準じている。輸出仕様の500は95ps、日本仕様の400は59psを発揮。 [写真タップで拡大]

―― 【計器の基本構成は他機種と共有】ホワイトパネルの3連メーターは、’80年代中盤のRG250ΓやGSX-Rに通じる構成。レーサームードを高めるため、この頃のスズキ製レプリカは中央に備わるタコメーターの3000rpm以下を省略していた。 [写真タップで拡大]

そんなΓの新車価格は、NSの62万9000円より高く、RZVの82万5000円よりは安い、65万9000/75万9000円。これらの数字をどう捉えるかは人ぞれぞれだが、4スト750ccスポーツモデルが70万円台、逆輸入という形で販売されたリッターバイクが100万円前後だった当時の状況を考えれば、決して高かったわけではない。もっとも、GP500レーサーに憧れるライダーは大勢いても、一般公道でGP500レプリカに乗りたいライダーはあまり多くなかったのか、Γ/RZV/NSの3機種は、いずれも大人気は獲得できなかった。

とはいえ、近年になってGP500レプリカを取り巻く状況はガラリと変化。唯一無二の資質を高く評価するライダーが着実に増えているようだ。「状況がガラリと変化と言うなら、僕がそれを痛感しているのはΓです。ひと昔前のΓは、速い/安い/維持が容易と3拍子揃ったバイクでしたが、”安い”と”維持が容易”については、最近ではもう当てはまらなくなりました」

そう語るのは、これまでに100台以上のΓの面倒を見てきた、クオリティーワークスの山下伸氏。確かに、昨今のΓの価格は急上昇中で、数年前までは’80年代の車両とは思えないほど良好だった純正パーツの供給状況は、現在では欠品が目立つようになった。

「もっともウチの場合は、補修用として大量の中古部品をストックしていますし、海外の専門店との取り引きもあるので、今のところ修理で困ることはありません。どうしても新品が必要なパーツに関しては、独自のリプロ品を増やしていく予定です。状況が変わっても、Γはウチが以前から力を入れて来た、主力機種の1台ですからね。中古車価格の高騰はどうにもできないですが、今後もできるかぎりΓユーザーの希望に応えていくつもりです」

大人気は獲得できず、わずか3年で生産が終了

スズキにとって初のレーサーレプリカは、’83年型RG250Γ。もっとも’81/’82年の世界GP500を制した同社は、当初はRG-Γ500の忠実なレプリカを製作…という構想を練っていたものの、市場の動向を探るため、まずは250ccを先行開発。結果的にRG400/500Γの発売時期は、4スト並列4気筒レプリカのGSX-Rとバッティングすることとなった。

それが原因かどうかはさておき、2ストスクエア4の生産数はGSX-Rに遠く及ばず、400=約6000台/500=約9000台。日本ではミッションやスイングアームの改良が行われた’86年型が最後になったが、輸出仕様の500は’87年まで販売が続いた。

なおRG400/500Γが登場した’85年は、世界GP参戦を休止していたスズキだが、当時の日本ではウォルターウルフカラーのRG-Γ500を駆る水谷勝が大活躍。そのイメージを反映するべく、RG400/500Γには4種のレプリカカラーが設定された。

―― 【‘83 SUZUKI RG250Γ】

―― 【‘85 SUZUKI RG400Γ】

―― 【‘85 SUZUKI RG500Γ】

―― 【‘85 SUZUKI RGΓ】※全日本ロード選手権・水谷選手車

現在の中古相場は150~300万円:500は高額車にして希少車

10年前は2ケタ万円台で購入できたものの、現在のΓの中古車相場は400=150万円~/500=200万円~。ただし500の中古車は、最近は販売店にもネットオークションにもめったに出てこないようだ。なお400をベースに500化を行う場合は、シリンダー交換が必要だが、昨今では500用シリンダーの良品は入手困難になっている。

―― 【取材協力:クオリティーワークス】“2ストオーナーの駆け込み寺”、今年で創業23年目を迎えるクオリティーワークスは、そんな表現が似合うショップだ。同店の姿勢としてはエンジン形式を問わず、4ストロークも幅広く扱っているのだが、入庫車の半数以上は常に2ストローク。取材日の作業スペースには4台のスズキ製スクエア4に加えて、RZ/TZR/NSR/KMXなどが並んでいた。 ●住所:埼玉県川口市芝宮根町18-13 ●TEL:048-261-0262 [写真タップで拡大]

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