150キロ超、スピードガン精度とトレーニング!

日本だけだろうか?世界中かな?スピードガンなどの計測器、一切、精度監査結果は公表されていない。ホントにそのスピード表示が正しいか、実証できる者はいない。5~10キロは出やすく細工されていると思う。

昔のスピードガン、80年代前期は初速と終速が表示されていた。本来は、ソレが投球の空気抵抗受け加減を理解する一番の判断材料だった。しかし、80年代中盤以降、初速のみ表示になった。

当時、大抵の投手はストレートで初速135~145キロ、終速は10~15キロ落ち。身長高い投手、175~185センチまでが多かった。ソレ以上デカいと、ジャイアント馬場まで行かなくても、動作が鈍かった。台湾から西武に入った郭泰源が、ロス五輪で160キロ出したと言われたが、日本では158キロまでだった。伊良部秀輝も158キロ、身長は190センチに近かった。

ソレから20年近く経ち、192センチの大谷翔平や197センチの藤浪晋太郎らが160キロ超すスピードを出している。背の高さだけでなく、手足も長いから、踏み出すステップも広く速く、腕のスイングも大きく速くなる。

公称175センチ(実は170センチソコソコ)の桑田真澄は、生涯150キロ出せなかった。似た体格の中山秀章は、150キロ超出していた。ソレに比べて、似た体格の山岡泰輔や少しデカい程度の山本由伸は155キロ以上出す。少し、出やすい程度の調整はされていると思う。

レーニング的に、NPBやアマチュアではアメリカの受け売りで、持久力トレーニングを減らし、筋力/瞬発力トレーニングに偏っている。だから、高校生でも150キロ超出るようになったが、トミー・ジョン手術の低年齢化が来ている。巨人大勢や阪神才木ら、入団数年でヒジにメスを入れている。

昔の投手、持久力トレーニングに比重置き、クルージングで内外高低緩急のコントロールや投球スキルを磨いた。

今の投手、アメリカの受け売りで全力投球力押ししかない。コントロールも投球スキルを磨くほど日々投げていないから、クルージングなどデキない。耐久力を超えると、簡単に故障する。

 

 

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WBCで当たり前に150km超を連発した侍J投手陣 なぜ日本はこんなに球速が速くなったのか
3/29(水) 13:03 Yahoo!ニュース
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WBC世界の投手たちをピッチングストラテジスト・内田聖人氏が分析
 
WBCで150km超を連発した日本投手陣、先発だった大谷翔平ダルビッシュ有、山本由伸、佐々木朗希(左上から時計回りに)【写真:Getty Images】
 野球のワールド・ベースボール・クラシックWBC)は日本代表・侍ジャパンの14年ぶり3度目の優勝で幕を閉じた。「THE ANSWER」は大会期間中、多くのプロ野球選手を含め400人以上が参加するパフォーマンスアップオンラインサロン「NEOREBASE」を主宰し、最速155キロを投げる自身を実験台にしてピッチング理論やトレーニング理論を発信するピッチングストラテジスト・内田聖人氏が、独自の目線で世界の投手を分析する連載を展開。今回は決勝を含め、日本の米国ラウンドを現地観戦した内田氏が大会を総括する。防御率1位を記録し、世界一の生命線となった侍ジャパンの投手陣についてから学びと発見として残ったことが3つあったという。前編では「球速」について。日本のストレートの平均球速が出場国2位になったというデータを考察した。(取材・構成=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

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 投手力が強みと言われていた侍ジャパンの世界一という結果を受け、学びと発見として残ったことが3つあります。1つ目が「球速」です。

 日本はストレートの平均球速が153.4キロ、出場国で2位というデータを目にしました。メジャーリーガーは開幕前で仕上がり途上。日本は大谷翔平投手と佐々木朗希投手の160キロ級2人が数字を上げている前提はあるにしても、10年前なら考えられないこと。トップ中のトップは、世界レベルになっている証明であると感じました。

 今はいろんな指標・数値が出てきますが、球速が最も分かりやすい。アマチュアの投手からすると、もちろん球速だけではありませんが、もし将来トップのレベルに行きたいのなら、球速は一つの目安になり、無視できない部分。トップはもう150キロが当たり前になり、150キロで単に力で押すだけでは通用しない時代になりました。

 150キロ超の真っすぐと変化球の組み合わせ、コントロール、相手の打者の得意・不得意を見ながらどこにどう投げるのか、世界のトップはそういう次元にある。まずはその土俵に上がるために球速にこだわることで、トップの選手がどんなことをしているのか学び、トレーニングを頑張る、というモチベーションに繋がります。

 日本がなぜこれだけ球速が上がったのかというと、トレーニングに対する意識の変化が大きいと思います。

 2015~2016年頃に出回った、ダルビッシュ有投手が金属製のチェーンを持っている画像を見たことがある人は多いと思います。あのタイミングで“第1次ピッチャートレーニング論争”が起きたと個人的に思っています。自分はもう大学4年生でしたが、それを見ていた中学生くらいの子供が今のプロ野球の若手世代です。

 世界のトップレベルの投手がトレーニングを表に出すことで、日本の野球が現場レベルでもっとやらなければといけない、みんな思い始めた。逆に言えば、プロ野球選手が他人事ではなくなった。プロ野球だから凄いと憧れているだけではなく、プロ野球選手で努力してる人を見て、自分も頑張らないといけないという循環が起きた。

 そうして育ってきた世代がプロ野球選手になっている。日本の野球界も特に投手に関しては情報が多くあるので、球速に反映されている。ダルビッシュ投手のようなレベルの選手たちが包み隠さずに発信していっていいただいていることは、野球に携わる一人として凄くありがたいことです。

 今の時代トレーニングに関して何が変わったかというと、個人的に感じるところをざっくり言えば、“当たり前の基準”でしょうか。

 トレーニングをやっている人は昔からいましたが、「投手にウエイトはいらないでしょ」という人も少なからずいたと思います。もちろん、今もいろんなトレーニング理論があり、ウエイトトレーニングではなく自分がすべきトレーニングを奥底まで突き詰める山本由伸投手のような存在もいることは大前提とした私なりの見解です。

 自分のレベルを考えた時、(フィジカルの)キャパシティを上げようとするとトレーニングをしないといけない、という基準が上がってきた印象はあります。ただやみくもにランニングだけしていた時代から当たり前の変化。それはアマチュアレベルでも上がってきているから、日本の野球界全体の成長に繋がっています。

決勝の試合前に印象的だった伊藤大海とダルビッシュのウォーミングアップ
 もちろん、情報が多い時代だからこそ注意も必要です。これは野球に限りませんが、受け手側が自分で情報を吟味し、取捨選択できる能力が必要になってくる。気軽に発信される情報の影響は間違いなく大きくなり、それはメリットも多いですが、気を付けるべきこともある。

 例えば、大会期間中もフォークの投げ方の話をしましたが、有名投手と同じ握りをしたから同じ変化をするわけではないのと全く一緒で、同じトレーニングをしたから同じ身体になるわけではない。もっと言うと、理屈だけではどうしても説明できない部分は必ずあるもの。

 原理的にはこうした方がいい、体の構造上はこうすべきという意見があっても、一人一人が生きてきた環境や時間は違うので、必ずしも100%正解ではない。

 また、表層だけで良い悪いを判断するのも危険です。やり込んでみて初めて分かることがあると思います。そこは受け手が鋭い感度を持つ、頭をしっかり使うことが、より必要な時代にはなってきています。

 話は逸れますが、決勝を現地で観戦して印象的だったのが、伊藤大海投手とダルビッシュ投手が試合2~3時間前にやっていたウォーミングアップです。

 WBCの決勝という晴れ舞台ながら、アップで自分がすべきことが決まっていて、浮かれることなく、他の投手と戯れることもなく、いつもと同じように自分がやるべきことを黙々とやっている印象。特に伊藤投手は今大会、日本の投手陣のなかでも抜群の安定感がありましたが、それにも理由があったのだと感じさせられました。

 今、学生を指導していると、アップは公式戦になると普段と違うことをやってしまったり、キャッチボールを強く投げすぎてしまったりという子が多い。大事なのは練習だろうが、1回戦だろうが、決勝だろうが、やるべきことが常に一緒ということ。それは、この日の伊藤投手とダルビッシュ投手の姿に強く感じました。 

 そして、今大会の学びと発見の2つ目は「高めのストライクゾーン」の使い方です。

 大会を見ていた人のなかには「それ、ボールじゃない?」と感じた高めの球がストライクだったことがあるかもしれません。しかし、米国では数年前からストライクゾーンとして多く使われている印象があり、もともと取られていたコースでした。

 これまで高めの変化球はタブーとされがちでしたが、高めの変化球で打ち取れる、あるいは高めの変化球が弱い打者は一定数います。そのなかで、日本の投手陣で高めを駆使して打者を打ち取っていた投手がいました。ダルビッシュ投手と大谷投手です。

(後編へ続く)

■内田聖人 / Kiyohito Uchida

 1994年生まれ。早実高(東京)2年夏に甲子園出場。早大1年春に大学日本一を経験し、在学中は最速150キロを記録した。社会人野球のJX-ENOEOSは2年で勇退。1年間の社業を経て、翌2019年に米国でトライアウトを受験し、独立リーグニュージャージー・ジャッカルズと契約。チーム事情もあり、1か月で退団となったが、渡米中はダルビッシュ有投手とも交流。同年限りでピッチングストラテジストに転身。2020年に立ち上げたパフォーマンスアップオンラインサロン「NEOREBASE」は総勢400人超が加入、千賀滉大投手らプロ野球選手も多い。個別指導のほか、高校・大学と複数契約。今も最速155キロを投げる。
THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara 
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