ランニング不要論?投げ込み不要論とセットだ!

アメリカと日本は、アマチュア野球という、ヒトとして土台となる10代の鍛練有無に違いがある。ベースボール訳野球だが、アメリカにはカネになるスポーツがいっぱいあるが、日本には野球しかない時代が長かった。

アメリカや中南米には、名を売る体系立ったアマチュア大会はない。だから、ターゲットを設定して鍛練などしない。ハイスクール卒以降にMLB配下に入って、単なるその場競争に勝つため、野球技術とカラダの瞬発力偏重の速効強化をするのだ。

日本には、高校野球で春夏甲子園というターゲットがあり、ソレに向かって10代中盤に鍛練し、続く人生への基礎を形成する。アマチュアを勝ち続けるため、日々戦い続ける持久力とソコに見合う瞬発力を養成する。高校時代にある程度野球技術とカラダの持久力と瞬発力の土台を作れると、大学社会人で覚醒するのだ。

つまり、日米プロ入り時点、日本人選手はMLB選手より、野球技術にもカラダの持久力瞬発力にも遥かに土台がある(厳密には"あった")のだ。だから、日本人は入団早々活躍を続ける選手が出て来る。MLBでは配下ファームに於いて、野球技術とカラダの鍛練過程で、吐いて棄てるほどの人数がクビになる。

日本でも、自己流調整を条件に入団したり、地位を確立して自己流調整にしたヒトはいっぱいいる。この場合、自己流とは、長時間ランニングや球数投げ込みという長時間持久力系メニューを排して、短時間瞬発力メニューに振るコトだ。投手で中継や抑えなら、野手ならソレでも良いかも知れない。

益田直也は中継抑えだからだ。

だが、先発投手はどう?まあ、力投型投手はソレでも良いかも。しかし、ハッキリ言って力任せ、いつも通りをデキない場合を凌ぐピッチングスキルを持てない。

挙げて申し訳ないが、巨人⇔MLB上原浩治投手。高校時代は建山義紀の控え、外野手兼投手、打てるワケでもなかった。1浪中に大体大受験勉強の以外、瞬発力トレーニングでMLB選手張りに養成、大体大での活躍や巨人1年目の20勝の土台にはなった。しかし、ストレートとフォーク、ソレ以外のタマを磨く練習を"プロレベルでは"しなかった。確かに、ストレートとフォークを内外高低緩急投げ分けるスキルは持っていたが、2年目以降は長いイニングでの精度低下やコントロールミスなど先発で勝てないで、原辰徳監督から抑えや中継"降格"させられたりしていた。ソレは、上原浩治投手の心身の持久力の問題と養成しなかったピッチングスキル(理屈でわかっていても、カラダがデキない。)の問題だ。

松坂大輔藤浪晋太郎ら、思い当たるフシがあるハズ。

ソレって、野球に限らない。勉強だって、高校迄でちゃんと勉強してないヒトが、そんな土台ナシに私大で目先の成果を追ってやらかすのと同じだ。

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里崎智也】野球界ランニング不要論 ロッテ益田直也は一線を画す考え 走る効果の解説に納得
2/9(金) 17:39 Yahoo!ニュース
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ロッテ益田(左)は視察に訪れた里崎氏と話す(撮影・滝沢徹郎)
 野球選手にランニングは不要ではないかという考え方がある。この考え方は、野球界で推奨されてきた長距離走などでの調整法に一石を投じた。その言わんとするところは、ウエートトレーニング(以下ウエート)によって、ランニングで得られる効果は補完できるんだ、と認識している。

【一覧】日米通算250セーブ以上の投手

 その考え方と一線を画すのがロッテ守護神の益田直也だ。過去4人しかいない通算250セーブにあと32セーブに迫る。その益田の考えに触れ、発見があった。

 益田はウエートに取り組んだ時もあった。すぐに筋肉量が増える。すると、ピッチングに微妙に影響が出た。フォームのバランス、腕の振りなどにわずかな差が生まれた。野球選手でもとりわけ投手は繊細だ。ボールが指先から離れる感触、ボールのキレがイメージとずれてしまった。

 益田はウエートのメリット、デメリットを踏まえ、自重をベースにランニングにフォーカスしてきた。

 一つのメニューとして、外野ポール間(180メートル)を45秒以内で20本、インターバルを加味しつつ最大2往復までで計10本、グラウンド1周(380メートル)を4本で、総計6920メートル。ダッシュ系をおよそ7キロは相当ハードだ。

 ロングインターバルで心拍数が上がり、血中の酸素が活性化され、乳酸が除去されやすくなる。疲労の蓄積を防ぎ、回復力が高まる、とその効果を解説してくれた。

 さらに聞けば、こうした効果はバイクなら体感しやすいが、ウエートでは得られずらいだろうということだった。なるほど、確かに益田は大きな故障もなく、13年目を迎え、偉業を視野に入れている。

 誰かの意見が正しくて、他の意見は間違っている。そんな二者択一で結論を求めるのは望ましくない。ウエートが秘める効力を前面に強調する考え方と、ランニングに活路を見いだした益田は、それぞれのやり方で立派に結果につながっている。

 野球選手は自分にあったトレーニング法を考え、トライしてほしい。ウエートによって、ランニングで得られる効果を補完できる、もしくはその逆も、十分に成立する。

 私は現役時代、ランニングがあらゆる種類にいたるまで嫌いだった。走りたくなかった。そんな背景があったから、ランニング不要論には非常にひきつけられた。一方で、現役選手の声も聞きたいと感じ、今回の取材に至った。

 これは余談になるが、益田のメニューを見て種類の豊富さと量に驚いた。正直な話し、私にはちょっと無理だなと。(日刊スポーツ評論家)
 
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