480万円以下で乗りたいV8スポーツ?
シボレーコルベット
TVR
フォードサンダーバード
ウエストフィールド
ジャガーF
アストンマーチンV8
らを挙げている。
ドコまでをスポーツと呼ぶかだが、ワタシならBMW(E90)M3やマセラティー2代目クアトロポルテ(ベルトーネデザイン)辺りを考える。この時代は、M5に5リッターV10も搭載していたのだ。古いクルマなら、基本はドイツ車を選びたい。ただ、フェラーリエンジン搭載車両を安価に入手するには、マセラティーしかない。
BMWの4リッターV8搭載のE90M3は、5リッターV12のアルピナB12に乗っていた自分にとってもう1つの興味対象だ。
マセラティークアトロポルテの2代目は、ベルトーネ時代のガンディーニがデザインしたモノだし、エンジンはフェラーリ328GTBのV8を積んだクルマだ。
V8を選ぶなら4リッター未満、1気筒当たり500cc未満のエンジンを選ぶ。
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「480万以下」でV8スポーツに乗りたい! コルベットにサンダーバード 英編集部が選ぶ旧車10台(1)
2024.03.24 21:47掲載AUTOCAR JAPAN2
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V8エンジンを積んだお手頃なクラシック
V型8気筒は、高性能モデルを象徴するエンジンだといえる。比較的小さな体積で、豊潤なパフォーマンスと、全身へ響くスリリングさを叶えてくれるから。
【画像】英編集部が選ぶクラシックV8スポーツ C3コルベットにサンダーバード Mk1 TVR 350iほか 全145枚
オープンカーなら、その幸福感は一層高まる。ソフトトップを開け放ち、特有の重厚なサウンドに包まれながら、早朝の郊外を駆け回る喜び。クルマ好きなら、共感できる体験ではないかと思う。
確かに、V8エンジンを積んだモデルは、往々にして安くない。しかし、少し年代を遡り、視野を広げてみれば、お手頃な選択肢が少なくないことに気付けるだろう。
先日掲載した、MG RV8とTVRグリフィス、マーコス・マントラによる比較試乗をお読みいただいた方もいらっしゃると思う。今回はそれ以外の、2万5000ポンド(約472万円)以下で狙えるクラシックたちを、10台ほどご紹介してみたい。
シボレー・コルベット C3~C6型(1968~2013年)
V8エンジンを積んだ、お手頃なスポーツカーの筆頭といえるのが、シボレー・コルベット。その人気と生産数が故に、初期のC1・C2型、ミドシップの最新版、C8型を除いて、2万5000ポンド(約472万円)を用意すれば多くの例が候補になる。
筆者が記事をまとめている時点でも、C3型からC6型まで、迷うほどの選択肢が英国で売られていた。4カム32バルブのC4 ZR-1に、C5のZ06、7.0L V8を積んだC6 Z06も。
世代を問わず、コルベットのドライブトレインは比較的シンプルで、メンテナンスが難しくない。堅牢なシャシーの上に、軽量なグラスファイバー製ボディが載っているという点も共通している。実際の維持費も、想像ほどかからないだろう。
クーペだけでなく、カブリオレが選べるのも魅力。クーペでも、Tトップと呼ばれる取外し可能なタルガトップで、大空を楽しめる例が多いのも特長だ。
TVR 350i/390SE/400SE/450SE(1983~1991年)
V8エンジンを積んだ、お買い得な英国製スポーツカーをお探しなら、真っ先に目を向けるべきはTVR。この記事をまとめている時点で、2万5000ポンド(約472万円)以下で売られているクラシックなTVRが、65台もグレートブリテン島には存在していた。
2代目グリフィスも素晴らしいモデルだが、もっと低予算で楽しみたい場合は、キミーラとV8 Sが望ましいチョイスになる。有機的なスタイリングのボディと、V8エンジンのパワフルさが、見事に共存している。
スタイリングの美しさでは、グリフィスより多少劣るかもしれない。そのぶん、英国では低めの価格で取引されているようだ。
しかし、本当のバーゲンといえるのが、ウェッジシェイプのタスミン・シリーズ。V8としてはコンパクトな3.5Lユニットが、有能なハンドリング・シャシーへ載っている。
その頂点に君臨するのは、カブリオレの450 SEACと420 SEAC。最高出力は、4.4Lの前者で329ps、4.2Lの後者で304psを発揮する。その穏やかな仕様、192psの350iなら5000ポンド(約95万円)前後から探せる。
スチール製シャシーは錆びやすく、グラスファイバー製ボディは割れやすい。丁寧な状態確認は必須といえるが、英国では修理部品の入手はさほど難しくない。
トライアンフTR8/TR7 V8(1975~1981年)
かつてのブリティッシュ・レイランドによる不器用な経営と、1970年代の英国を襲った自動車業界の混乱に揉まれ、晩年のトライアンフは望ましいモデルを残すことができなかった。
それでも、V8エンジンを搭載し1978年から提供されたTR8は、魅力的なクラシックカーとして生き残っている。ハリス・マン氏によるウェッジシェイプのスタイリングは、今でも新鮮。ローバー社製の3.5L V8エンジンは、控えめな139psを発揮する。
一段高くなったボンネットは、大きなエンジンを収めることの証。サスペンションは強化され、豊かなサウンドとともに発生する不足ないパワーを手懐けられる。ちなみに、その先代、TR7にも同じV8を搭載したTR7 V8が存在した。
TR8の生産数は、2715台。オリジナル状態を見つけることは英国でも難しい。TR7 V8の方が、低めの価格で取引されている。ブランドを得意とするガレージで、直列4気筒のTR7がV8エンジンへ換装された例も存在する。
望ましい状態の例を発見できれば、偉大なスポーツカー・ブランドの遺作が、素晴らしい体験を与えてくれるはず。過小評価されているロードスターだといえる。
フォード・サンダーバード Mk1(1955~1957年)
フォードは、初代シボレー・コルベットの発売直後のつまずきで、重要な教訓を得た。アメリカン・スポーツカーには、デトロイト水準の快適性が必要で、6気筒エンジンでは不充分だと。
そのため初代フォード・サンダーバードには、取外し可能なハードトップと、開閉可能なサイドウインドウが備わり、オプションでオートマティックも用意された。ボンネット内には、サンダーバード292(Yブロック)と呼ばれるV8エンジンが納まった。
2シーターのオープンで、プロポーションはロー&ワイド。4.8LのV8エンジンは、期待通りのドロドロというサウンドを奏でる。0-97km/h加速を約10秒でこなす、1950年代半ばとしては悪くない動力性能も備わっていた。
ただし、ボディは軽量なFRPではなくスチール製。スポーツを名乗るほど機敏とはいえなかった。そこでフォードは、「パーソナルカー」として売り出している。
1958年には2代目が登場。ボディは大きくなり、4シーターへキャビンは拡大され、オープン・グランドツアラー的な要素が強くなった。スポーティな雰囲気を味わいたいなら、初代が望ましいだろう。
2万5000ポンド(約472万円)の予算を準備すれば、納得できるコンディションの1台を英国では探せる。備わるオプションは限定的かもしれないが。
この続きは、V8スポーツ 英編集部が選ぶ旧車10台(2)にて。
アストンにマセラティ、ジャガーも 意外とお手頃?なV8スポーツ 英編集部が選ぶ旧車10台(2)
2024.03.24 21:47掲載AUTOCAR JAPAN
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ウェストフィールド Sエイト(1991~2010年)
小さく軽量なスポーツカーのパワーユニットは、4気筒エンジンが定番。しかし、英国のウェストフィールド社は、そんな考えにとらわれない。軽量なアルミ製のV型8気筒エンジンが、スリムなシャシーに押し込まれている。
【画像】英編集部が選ぶクラシックV8スポーツ V8ヴァンテージにFタイプ マセラティほか 全144枚
Sエイトは、1991年の発売。その頃には、ロータス・セブン由来の古い技術から、大きな進化を遂げていた。リア・サスペンションは独立懸架式。ローバー社製のV8エンジンという存在が、ケータハムとの間で悩むドライバーを惹き付ける強力な魅力になった。
運転体験は相当にシリアス。車重は700kg以下で、4.0L仕様の場合、0-100km/h加速は4秒台前半。後期型では4.6Lへ排気量が増え、動力性能は一層引き上げられている。
アストン マーティン V8ヴァンテージ(2005~2018年)
ちょっと驚かれるかもしれないが、アストン マーティンV8 ヴァンテージともあろう高性能なロードスターが、2万5000ポンド(約472万円)以下で英国では探せる。生産から10年以上が経過した例では、減価償却は完了。現在は底値にあるといっていい。
とはいえ、基本的に価格帯はもう少し上にある。執筆時にこの予算内で売られていたのは、1台だけだった。
V8 ヴァンテージ・ロードスターの場合、MTは珍しい。殆どのモデルに、セミATのスポーツシフトが組まれている。郊外を飛ばす時は素晴らしい仕事をするが、市街地を低速でさまよう場合は、ドライバーが気を使う必要がある。
スタイリングは美しく、サウンドには聞き惚れる。ジャガー由来のV8エンジンの喜びを堪能できるのだから、多少の妥協は受け入れたいところ。
ただし、小柄なボディでも、アストン マーティンの維持費は安くない。定期的な点検整備のために、予算の積み立ては考えておきたいところ。
ジャガー Fタイプ(2013~2024年)
ジャガーは、Fタイプをもって内燃エンジン・スポーツカーから完全に手を引くことになる。クラシックカーとして価値が高まる前に、中古車を楽しんでおくというのは、悪くない考えだろう。
Eタイプの後継車としてデザインされたFタイプは、2013年にコンバーチブルが発売。2014年にクーペが投入された。初期型に設定されたエンジンは、オーバーラン時にバリバリとサウンドを響かせる、3.0L V6か5.0L V8のスーパーチャージャーだった。
このV8エンジンは、575psへチューニングされたSVRから、往年のDタイプを彷彿とさせる特別仕様のプロジェクト7まで、多様なバリエーションに対応。スリリングなドライビング体験で、ポルシェ911の正当なライバルとして存在感を示した。
2024年に生産終了を控えるモデルだから、最新の技術や強みが備わる点も魅力。2015年からは、V8エンジンには四輪駆動が標準で組み合わされている。
アラード Kタイプ/Lタイプ(1946~1950年)
往年のラリードライバー、シドニー・アラード氏の名を冠した英国のスポーツカー・ブランドが、アラード。1958年に幕を閉じるまで、フォードやマーキュリー、クライスラー、キャデラックなどのV8エンジンが載ってきた。
サーキットでのレースやヒルクライム、ラリーなどで競争力を発揮。特にアメリカで、秀でた性能を証明している。スイングアクスルの足回りにクロスプライ・タイヤを履き、じゃじゃ馬といえる性格ではあったけれど。
アラードJ2といった本格的なレーシングマシンは、2万5000ポンド(約472万円)の予算から大きく外れている。極めて希少で、出品されることも少ない。
しかし、辛抱強く待っていれば、2シーターのKタイプや、4シーターのLタイプが売りに出されることがある。しかも、現実的な金額で。
入手できたら、ヒルクライムなどのクラシックカー・イベントへ積極的に参加し、存分にアラードを謳歌するのが望ましい。荒々しいロードカーとして、自動車旅行の相棒にするのも一興だ。
マセラティ・スパイダー(ティーポM138/2001~2007年)
ジョルジェット・ジウジアーロ氏が描き出したボディが、4.2L V型8気筒エンジン、F136型ユニットをエレガントに包む。称賛を集めた1998年の3200 GTに続く、新生マセラティの第2章といえたスパイダーは、2001年にリリースされた。
ボンネット内に収まるのは、ドライサンプのフェラーリ製V8。短いホイールベース上に、別名4200とも呼ばれる、流麗な2シーターのロードスターが仕上げれられている。
ただし、完璧な内容とはいえなかった。アダプティブダンパーを備える「スカイフック」サスペンションと、セミATの「カンビオコルサ」は、不具合が多くオーナーを悩ませた。ディーラーの整備部門にとっては、良い収入源だったと思うが。
それでも、レザーがふんだんに使われた内装は極上。F136型ユニットは、鳥肌が立つような勢いで回転し、395psと45.9kg-mを繰り出す。故障のことを忘れてしまうほど、官能的なインテリアとV8エンジンだ。
信頼性が影響し、現在は状態の良い例でも1万7000ポンド(約321万円)ほど用意すれば、スパイダーを狙える。後期型のグランスポーツや、希少なMT車でも、2万5000ポンド(約472万円)を下回る価格で取り引きされている。
MGB コステロV8(1970~1976年)
ローバー由来のアルミ製3.5L V8エンジンを、小さなMGBに搭載するというアイデアは魅力的だった。しかし、MGの技術者は実現に苦労していた。
それを横目に、フリーのエンジニア、ケン・コステロ氏がひと足先に実現。1970年から1976年にかけて、190台のGTクーペと35台のロードスターが、グレートブリテン島南部のファーンバラでコンバージョンされている。
コステロV8では、高圧縮比で最高出力は152ps。最高速度は209km/hに届いた。現在も、直4からV8へ置換されるMGBは珍しくない。
MG自らも1973年にV8エンジン仕様を提供しているが、コステロV8も英国では稀に売りに出される。カスタマイズの幅は広く、195psへパワーアップも可能だが、手を加えすぎるとMGB本来の魅力が薄れてしまう可能性はある。
最高のバランスを考えるなら、オリジナル状態を探したいところ。2万5000ポンド(約472万円)から、少し足が出てしまうかもしれないが。
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