BMW M 5 、どこまで?

BMW、元々レースを意識して作り始めたのはM3。確か、グループAレギュレーションに合わせたモノだったハズ。他はBMW M社の各グレードシンボルカー的な意味合いだ。

毎度Mを使っているワケではなく、GT3レギュレーションにはZ4をV8ターボを搭載して仕立て直したり、先代M6に同型エンジンをキャリーオーバーして使っていた。先々代は、当時のF1がV10だったコトによるイメージリーダー的存在だったが、今はM5・6・8と4.4リッターV8ターボ。M2・3・4は3リッター直6ターボ。でも、何で、グレード違うMでエンジンを共用するの?小手先セッティング変更で、馬力やトルクなどの味付を変えるコトでごまかす?世界の自動車メーカーの手本たるメーカーのやるべきコトか?

BMWは、それぞれの型や排気量で素晴らしいエンジンを出して来た。マーチBMWなど、F2やF3や日本のGCなどを支えた2リッター直4、市販車ではシルキー6と言われグループ5でポルシェと争った2~3リッター直6、DTMなどで使われたV8、フェラーリルノーメカクロームを凌ぐF1で最強と言われたウィリアムズBMWのV10、G・マレーデザインのマクラーレンF1の心臓となったV12など、どの型もMに使われるべきではないのか?

M2は直4ないし直4ターボ、M3・4は直6ないし直6ターボ、M5・6はV8ないしV8ターボ、M8はV10ないしV12という感じにならない?

日本だけじゃなく、ヨーロッパのモータージャーナリストも自動車メーカーに、媚びている様子はわかった。

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【F90型M5の理想形】BMW M5 CSへ試乗 一般道へフォーカス 635psにマイナス70kg 後編
6/30(水) 19:05 Yahoo!ニュース

従来のM5より倍は乗り心地が良い
 
BMW M5 CS(英国仕様)
text:Matt Saunders(マット・ソーンダース)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

数多くの改良が施された、F90型BMW M5 CS。その仕上がりには驚かされる。サスペンションのストロークは短くなっているにも関わらず、M5 コンペティションの倍は乗り心地が良い。

【写真】理想的に進化 BMW M5 CS 競合する高性能スポーツサルーンと比較 (113枚)

ダンパーをコンフォート・モードにすれば、突出した柔軟性が得られ、英国郊外の一般道を安定して滑らかに駆け抜けられる。従来のM5が備えていた、やや落ち着きが足りなく、路面の影響を受けやすかった特性を一掃させている。

滑らかな路面でスポーツ・モードに切り替えれば、M5 CSは引き締まり、長波長のうねりに対してピタリと追従。しかし垂直方向の姿勢制御が、圧倒されるほど硬くなるわけではない。

ステアリングの改善も明確。感触に乏しくゴムっぽかった印象が改められ、ミシュランパイロットスポーツ4Sタイヤを通じて確かな接地感をドライバーに伝えてくれる。フロントタイヤの状態を、より把握しやすくなった。

リアタイヤも、従来以上に路面を掴む感覚がある。これまでのF90型M5には欠けていた、挙動の予想のしやすさやフィーリングの濃さが強く光る。よりドライバーズカーとしての特性が磨かれたといえる。

基本的な懐の太さは従来どおり。駆動系がシンプルになる後輪駆動モードにすれば、攻め込んだ領域での充足感は一層深い。英国の一般道の最高速度、97km/hの範囲でも限界に迫ることは可能。法を犯すことなく、思う存分、意のままに操れる。

ドライビング体験のすべてが改善
 
BMW M5 CS(英国仕様)
まさに、BMWのクラブスポーツに最も期待する特性だと思う。ハードコアとまではいかず、フィーリングが濃く特別。誇張されずに、ドライビング体験のすべてが改善されている。客観的に測定可能な、数値的なこととは別の次元での進化だ。

ステアリングホイールに付いたM1とM2の、お気に入りのドライブモードを呼び出すショートカット・ボタンを活用できれば、路面状況に合わせて一層豊かな体験を享受できる。最新のM3やM4と同様に。

複雑な各機能の設定を、ドライバーが任意に選びオレンジのボタンへ登録するという、BMWが編み出した方法は感心するほど勝手が良い。この部分だけ見ても、ライバルモデルより訴求力を高めていると思う。

エンジンやドライブトレイン、サスペンション、ステアリング、スタビリティ・コントロールを個別に設定し、プリセットとして保存すること自体も簡単。それぞれの変更が終わったら、ステアリングホイール上のボタンのどちらかを長押しすれば完了する。

乗るたびに、毎回設定し直す必要はない。ドライバーの好みに応じて繊細な調整が加えられ、テレビゲームの操作のように、ボタン1つでBMW M5 CSの個性を切り替えられる。

21世紀のデジタル・エンターテインメント的な機能だと思う。実際のクルマでこんな体験ができるとは、唸らされる。

究極のM5としてCSは理想的な姿
 
BMW M5 CS(英国仕様)
もし新しいBMW M5 CSに食指が動いたなら、英国価格14万ポンド(2156万円)以上という事実に向き合わなければならない。既に数年間F90型M5のオーナーでいる人にとっても、気軽に手を伸ばせる価格とはいえないはず。

クルマのアイデンティティは異なっていても、ポルシェ911 GT3に近い残価設定で契約することは可能だろう。台数は限られるかもしれないが、M5は乗って楽しむべきクルマ。コレクションとして甘やかすべきではない。

乗って楽しむほど、M5の維持費は嵩むことは確か。しかし運転するほどに、F90型BMW M5が必要としていたのは、CSのようなアップデートだったと実感すると思う。

従来以上の速さと、新たな次元の充足感を備えた、日常的に利用できる高性能サルーン。究極のM5として、CSは理想的な姿だといって良い。BMWの将来に希望を抱かせてくれさえする。M5 CSの誕生を、心から祝福したい。

BMW M5 CS(英国仕様)のスペック
英国価格:14万780ポンド(2168万円)
全長:4956mm
全幅:1903mm
全高:1473mm
最高速度:305km/h
0-100km/h加速:3.0秒
燃費:8.9km/L
CO2排出量:256g/km
車両重量:1825kg
パワートレイン:V型8気筒4395ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:635ps
最大トルク:76.3kg-m
ギアボックス:8速オートマティック
AUTOCAR JAPAN

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