マクラーレン、道を誤ったのでは?

マクラーレンマクラーレンF1以来のロードカーの計画はあまりにショボい。本来シャシーコンストラクターであるハズのマクラーレンが、量産シャシー&自作量産エンジンを販売しているのだ。しかも、メルセデス盗作疑惑のV8ターボ。パワー数値は嘗てのマクラーレンF1を上回っても、顧客のスペシャル感は足元にも及ばない。

近年は、直4ターボでも4・500馬力出る。シャシーが優れていれば、1tギリギリでスゴいクルマになる。縦置直4ターボ、横置直4ターボ、縦置V6ターボ、横置V6ターボ、縦置V8ターボ、横置V8ターボ、縦置V12ターボ、横置V12ターボを顧客に選ばせれば良かったのではないの?もちろん、ターボナシもラインナップして。

そうすれば、それぞれに合わせたセッティングをオリジナルに近く行える。

オリジナリティーに乏しいV8ターボを使い回すより、遥かに最適解だったろうに。

*********************************

マクラーレンは、いかにしてミドシップの「GTカー」を作ったのか?
10/29(土) 19:03 Yahoo!ニュース
  
シートの背後に「V8」のあるGT
 
マクラーレンGT(ルードゥス・ブルー)
フェラーリがプロサングエを発表したことで、2ドアのスーパースポーツしか作らないブランドは、さらに希少になりつつある。そのひとつがマクラーレンだ。

【写真】マクラーレンGT デザイン/内装【じっくり見る】 (92枚)

もちろん彼らにもSUVの噂がないわけではないけれど、現時点でロードカーは、1966年以来参戦を続けているF1同様、すべてミドシップ。センターステアリングのF1および後継車的存在のスピードテールを含めて、リアシートを持たないピュアなパッケージングにこだわってきた伝統もある。

そんなマクラーレンで異色の存在と言えるのがGTだ。

現在市販される他のマクラーレン同様、カーボンファイバーモノコックのキャビン背後に4L V型8気筒ツインターボエンジンと7速デュアルクラッチ・トランスミッションを縦置きして後輪を駆動するという、スーパーカー的な内容を持ちながらGTを名乗っているのだから。

そもそもGTというと、多くの人はフロントエンジン・リアドライブを思い浮かべるだろう。

“定石破り”のグランドツーリング
 
グランドツーリングカーを名乗るけれど、見た目もパワートレインのレイアウトもスーパーカーマクラーレンはどんな手を使ってきたのか。
マクラーレンGTと同じ4L級のV8ツインターボを積む車種で見ても、フェラーリ・ローマやアストン マーティンDB11、メルセデスAMG GTとなる。

グランドツーリングのためのクルマとなれば、長旅に対応できるラゲッジスペース、高速道路での直進安定性などが重要になる。見た目の雰囲気以外でも、フロントエンジンに行き着くのが自然だろう。

ではマクラーレンはどうやってミドシップのGTを作ったのか。試乗で確かめてみることにした。

旅の荷室 肝は排気系とエンジン
 
荷室を広げるために、上方排気の720Sとは異なる取り回しのエグゾーストシステムに。前下がりのサイドシルにも注目。
GTのボディサイズは全長4685mm、全幅1925mm、全高1215mmで、720Sと比べると140mmほど長いものの、幅はほぼ同じで、高さは20mmほど上回るにすぎない。2675mmのホイールベースは5mm長いだけだ。

スタイリングも、真横からのプロポーションスーパーカーそのもの。しかし顔つきは、720S/765LTと比べるとヘッドランプが小さく落ち着いた表情。

後ろ姿は、リアエンドパネルから突き出していたマフラーを一般的にバンパー下から出したことで、挑発的な雰囲気は薄れた。

このマフラーの取り回しによって、GTはエンジンルーム上にラゲッジスペースを用意することができた。前作にあたる570GTと同じ手法であり、水平対向エンジンのポルシェ718ケイマンに近いパッケージングである。

そこは奥行きはある代わりに薄いが、インポーターによればゴルフバッグは積めるし、スキー板を収めることもできるという。

ドライサンプ方式のV8を低い位置に縦置きするという、ミドシップスポーツとして理想的なパッケージングのおかげだろう。

こう見えて乗り降りもスムーズ
 
前後の荷室については、別の記事で詳しくみていこう。左下は、ドライブモードのスイッチ。パワートレインとハンドリングは個別のモードを選べるように、つまみを分けるのがマクラーレン式。
しかもマクラーレン各車は、ラジエーターをエンジン脇に置いているので、フロントのラゲッジスペースも予想以上に広い。これもGTのネーミングに納得する部分のひとつだ。

近くに熱源がないので、食料品などはこちらに入れるといいかもしれない。

ドアは他のマクラーレンと同じ、やや外側に張り出しながら跳ね上がるディヘドラルタイプ。

ここもまたスーパーカーっぽい部分だが、サイドシルが前下がりでしかも奥にあるので、異例にアクセスしやすかった。

キャビンは横方向の余裕は全幅から予想するほどではなく、GTというよりスポーツカー的だ。

内装/シート/視界について
 
電動調整式のヒーテッドコンフォートシート、Bowers&Wilkinsの12スピーカーオーディオ、電動開閉式のテールゲートは無償オプションで選べる。
スリムなセンターコンソールをはじめ、仕立てはイタリア産スーパーカーと比べるとシンプル。クリームとネイビーのシックな2トーンカラーもまたイギリス車らしい。

シートは座面が低く傾きが強めで、背もたれは肩まで包み込むようにサポートするが、座り心地はガチガチではなく、予想以上にクッションが効いている。

視界は優れていて、低く長いノーズはスイッチで20mmリフトアップできるので、日常使いで不満を覚えることはなかった。

4L V8ツインターボエンジンは最高出力620ps、最大トルク64.2kg-mを発生する。

720Sおよび765LTの最高出力は車名が示しているとおりなので、それらよりチューニングは控えめということになる。

踏んでみる 3.2秒で100km/hへ
 
マクラーレンGT(ルードゥス・ブルー)
走りはじめて最初に感じたのは、回転数を問わず扱いやすいレスポンスを返してくること。

サウンドは英国車らしい低く太い音色だが、さほど強烈ではない。少し前に乗った720Sが、始動した瞬間から明確な鼓動をコクピットに伝えてきたのとは対照的だ。

最高速度326km/h、0-100km/h加速3.2秒を誇るだけあって、フルスロットルを与えればもちろん、1530kgのボディを鮮烈にダッシュさせる。

ただしこれも英国流と言うべきか、回すほどにドラマが訪れるようなキャラクターではないので、2000~3000rpmあたりを使ってのクルージングも似合う。

もっとも驚いたのは乗り心地だ。姿からは想像できないほど快適なのである。

スーパーカーで旅」が叶う1台
 
ドライサンプのV8に被さるように、長~い荷室を配置。それでもサイドビューはスーパーカー。静かにクルマを動かしたいときのために「静音始動」モードも用意された。
シートのおかげもあるだろうが、路面の感触をそのままカーボンファイバーモノコックに伝えるような720Sとは別世界であり、GTの名に恥じない。

逆にハンドリングは、GTであることを忘れさせてくれる。パワートレインを低い位置に縦置きしたミドシップというレイアウトどおり、公道で試せる範囲では模範的なマナーで、あふれるほどのパワーとトルクを安心して解き放てるし、自分でコントロールできる余地も残されている。

ドライブモードの切り替えがパワートレインとハンドリングを別々に選べるのは、720Sと共通。走りの感覚を大事にしたブランドだと感じる。

ミドシップながら直進安定性は抜群。同じイギリス生まれのB&Wのスピーカーが奏でるサウンドに耳を傾けつつ、長旅をともにしてみたいという思いが湧き上がる。

こんなGT、ほかにない。スーパーカーをルーツにグランドツーリングカーを作ったという独創的なコンセプトは、乗る者にも独自の世界観をもたらしてくれた。

マクラーレンGT スペック
 
撮影協力:浦安マリーナ
価格:2695万円~
全長:4685mm
全幅:1925mm
全高:1215mm
最高速度:326km/h
0-100km/h加速:3.2秒
CO2排出量(WLTP):270g/km
燃費(WLTP):11.9L/100km
車両重量:1530kg
パワートレイン:3994cc V8ツインターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:620ps/7500rpm
最大トルク:630Nm(64.2kg-m)/5500-6500rpm
ギアボックス:7速DCT
森口将之(執筆) 宮澤佳久(撮影) 徳永徹(編集)

*********************************