ニッサンMID4、ミドシップ知見不足を露呈!

80年代、生産効率に浮かされた日本自動車メーカー、小型車を軒並FF化した。トヨタはレビン/トレノを除くカローラ系、その次に上のグレードのセリカ系、ニッサンはサニー系、その次にシルビア系を除くブルーバード系だった。

トヨタはレビン/トレノをFRのまま、カローラ系横置FFユニットをそのまま使い、AW11型MR2を出した。ニッサンはそのクラスでのミドシップを出さず、Zの縦置ユニットをFR⇒ミドシップ用に仕立て直した。排気量グレード的にも高いユニットを仕立て直すコトになり、しかも4WDにしてしまったコトで、マスの集中や重量配分やトラクション伝達効率という、ミドシップのメリットを全てなくしてしまった。

トヨタは、AW11型MR2が小さい割に、ミドシップで2座しかなくプロペラシャフトない割に、ペラペラモノコック制震のため補強を要し、レビン/トレノより車両重量が重くなった。後継車では、セリカ系FFユニットを使い、2リッター直4ターボまでを積んだSW20系MR2に仕立てた。ただ、ペラペラモノコック制震上でコレ以上は望めず、その後継車はエンジンもサイズダウンし、ターボもハズしたMRS、ゴマかすためにオープンに仕立てた。

80年代以降、トヨタが3代ミドシップを出し、ホンダですら横置とはいえNSXやビートを出したのに、マツダですらAZ1を出せたのに、ニッサンは何も出せなかった。

トヨタは先述のカローラ系やセリカ系ユニット共用、ホンダはレジェンドや軽ユニット共用、マツダはスズキカプチーノ系ユニット共用で、FFユニット置換ミドシップを作ったのに、ニッサンだけデキなかった。

Z31のFR用V6ユニットからプロペラシャフト省略し、リヤデフに直付するユニットがデキていたら、童夢零的なミドシップにはハマったと思う。そうすれば、ニッサンにZ32とR32スカイラインGT-Rと並ぶ、オンロード3本目の柱がデキていたかも知れなかった。

ID4がデキていたコトが、むしろ足枷になったろう。

 

********************************

日産 MID4は、ミッドシップ+4WDという発想で日産がWRC制覇の野心を見せたのか【幻のスーパーカー・日本編/03】
2023.05.03 17:00掲載 Webモーターマガジン 13
1/4
Next
すべてみる
全4枚
日産 MID4NISSAN MID4:1985)
日産 MID4は、1985年のフランクフルト モーターショーでワールドプレミア(世界初公開)された。その名が示すとおり、パワートレーンは3L V6のDOHC 24バルブエンジンが横置きミッドシップ搭載されている。

そして、そこからプロペラシャフトが前に伸び、前輪も駆動するフルタイム4WDとされていたことが、ラリーを強く意識していたことを示している。おそらくは、WRC世界ラリー選手権)においてグループBの後継と目されていた新カテゴリー、グループSでの活躍を念頭に開発されたプロトタイプといっていいだろう。パリ~ダカールポルシェ911・4WDが活躍し、のちに959として登場したように、ヘビーデューティさも狙っていたようだ。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

ビスカスカップリング式LSDを備えたセンターデフを持ち、前後のトルク配分をリアよりに振り分けており、サスペンションはコンベンショナルな4輪ストラット式だが、4輪操舵システムであるHICASも組み込まれた。

ウエッジシェイプのボディスタイルやリトラクタブル式ヘッドランプを採用するなど、いかにもスーパーカー的なスタイルをしているボディはFRP製となっている。これはラリーで勝つための軽量化という意味も大きい。

フランクフルト モーターショーでは、1986年秋ごろ日本国内で販売されるといわれ、ファンからの大きな期待を集めた。そしてこのMID4は、2年後にMID4 IIへと進化することになる。

 

日産 MID4 主要諸元


●全長×全幅×全高:4150×1770×1200mm
ホイールベース:2435mm
●車両重量:1230kg
●エンジン型式:VG30DE型
●種類:V6 DOHC
●総排気量:2960cc
●最高出力:230ps/6000rpm
●最大トルク:28.5kgm/4000rpm
トランスミッション:5速MT

[ アルバム : 日産 MID4 はオリジナルサイトでご覧ください ]

********************************