広岡達朗、さすがに乖離して来たか?

元巨人広岡達朗、監督としてヤクルトと西武で日本一、ロッテではGMと監督をやった。だが、ロッテでは自ら連れて来たハズのバレンタインといさかいが起き、伊良部の件では無用の誤解を招き、ヤンキースに放出する破目になった。

やはり、人間キチンと自分で情報を取り込み、味わっていなければ正しい解釈や発言はデキない。如何に正しい野球哲学を持っていても、取り込んだ情報が少なかったり誤っていれば、おかしな発言になる。

大谷翔平、カレのエンゼルスでの野球に取り組む姿勢と実績、ソレは欧米人には理解もマネもデキない。大谷翔平と直接接触してなくても、代理人は様々にアピールしていたろう。チームフロント、GMから見て、支柱に据えたいと思うだろうし、監督から見ても使ってみたいと思うだろう。ソレは、広岡達朗新庄剛志を評するより、遥かに理解され期待されるモノだ。

山本由伸も、極東スカウト通じの情報も、東京五輪も第5回WBCも、大谷翔平同様に単なる投手としてだけでなく、努力するリーダーとしてチームに据える期待もあるから、選手寿命を超すと思われる契約期間を設けたのだ。ソレは、高校での鍛練の貯金を西武とレッドソックスで使い果たした、松坂大輔などとは全く次元の異なる人物評価なのだ。

広岡達朗、今のMLBもNPBも殆ど観ても味わってもいないだろう。大谷翔平のピッチングバッティングも、山本由伸のピッチングも、ちゃんと観てはいないだろう。何故大谷翔平がまた右ヒジをやったか、何故山本由伸が3度の日本シリーズで1勝しかデキなかったか、全くわかってないだろう。MLBの契約についても、何を確認した発言でもないだろう。

コラム自体に乖離が甚だしくなって来た。

 

 

 

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大谷翔平、山本由伸…10年以上もの複数年契約はおかしい/廣岡達朗コラム
12/29(金) 11:01 Yahoo!ニュース
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戦力均衡の精神が崩れた
 
ポスティングでオリックスからドジャースへ移籍した山本
 ロサンゼルス・ドジャースは何か考えがあって2人の日本人を獲得したのだろう。しかし、あれだけ大金を使って日本人を集め勝とうとするのは、メジャー・リーグの名折れである。

【選手データ】山本由伸 プロフィール・通算成績

 大谷翔平の10年7億ドル(約1015億円)に続き、山本由伸とは12年3億2500万ドル(約471億円)で契約を結んだ。

 10年以上もの複数年契約はおかしい。それだけの期間、野球選手がピークの状態を保つのは不可能だ。いつも私が言うように、人間は年齢とともに衰える。大谷は29歳、山本は25歳。2人とも契約年数の半分ももたないと思う。

 ドジャースが大谷と山本を獲得すること自体、悪いことではない。彼らはチーム内で優遇される。だが働かなければ、メジャーはGM的立場の人間がその責任を問われる。だからいい加減には獲らない。2人の成績が悪ければ、これだけ減額されるという条項が絶対にある。それを日本のメディアは報じない。

 アメリカの専門家はルールを自分たちの都合のいいように変えていく可能性がある。現に大谷の契約内容は、オーナーか編成本部長のどちらかが現職を退いた場合、途中で大谷側から契約を破棄できるオプトアウトが盛り込まれているという。そんな契約は契約と言えるだろうか。

 アメリカは民主主義の国である。多民族国家だけに、平等でなければクレームが出る。戦う前から、このチームが勝つだろうと見透かされるような選手補強もしてこなかった。開幕の時点で横一線でなければ観客が来ないからだ。今回の2件の契約は、そうした戦力均衡の精神が崩れたことを意味している。

投げるとき重要なのは重心
 山本は3年連続沢村賞に輝いた実績を見ても、素質はある。しかし、常に走者を背負っているような投げ方をしていたら、日本のコーチは何を教えていたのかと海の向こうで思われる。重心をどこに置いたらいいかを分からない人間が教えていた証拠だ。

 今の日本球界ではスピードガンで150キロが当たり前のように計測され、速い球を放れる投手がもてはやされるが、それは間違いだ。生きた球を放れるかどうかを見なければいけない。スカウトは本来、球速ではなく、球のキレを見るべきなのだ。私が重視するのは重心がどこにあるか、である。

 元ロッテの村田兆治は「マサカリ投法」と称される変則的な投げ方をしていたが、軸足の右足に沈み込ませた体を元に戻したときには重心が安定するという良さがあった。

 山本もドジャースで良いコーチに巡り会えば、さらに化けるだろう。

中村天風の教えを理解すれば
 一方、大谷は29歳の若さでなぜあれだけ故障をするのか。センスはある。真摯な姿勢も伝わってくる。それなのに、肘のじん帯再建手術を2度にわたって受けた。人間の体にあれだけメスを入れたら良くない。手術をせずに治す選択肢がなかったのかと、今さらながら思う。

 大谷は私の師でもある中村天風の著書を愛読しているという。

 天風は「医学に頼らず、自然の活力を吸収する方法を身に付ければ、みんな元気になる」と書いている。たとえば、あるドイツの医学博士は体の具合が悪いときには土の上にじかに寝て、地球の力を利用。ドイツは医学の先端を行く国だが、薬を使わず自然に帰れという看板を掲げたというのだ。

 天風の文章には自然を愛する気持ちがあふれている。これを大谷がすべて理解するには、もう少し時間がかかるだろうか。

廣岡達朗(ひろおか・たつろう)
1932年2月9日生まれ。広島県出身。呉三津田高、早大を経て54年に巨人入団。大型遊撃手として新人王に輝くなど活躍。66年に引退。広島、ヤクルトのコーチを経て76年シーズン途中にヤクルト監督に就任。78年、球団初のリーグ制覇、日本一に導く。82年の西武監督就任1年目から2年連続日本一。4年間で3度優勝という偉業を残し85年限りで退団。92年野球殿堂入り。

週刊ベースボール』2024年1月8&15号(12月27日発売)より

写真=BBM
週刊ベースボール
 
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