虎の威を借る狐

今のランボルギーニ、いや、ランボルギーニ自体のクルマ作りはカウンタックディアブロの途中までで終わっている。以後は、クライスラーやVWアウディーの手先足るクルマ作りに、名前だけを使われている。今のこのクルマ達は、ランボルギーニの威を借るVWアウディーでしかない。

その傾向は、世界中の自動車メーカーにある話だ。

今や、ポルシェもVWアウディーの手先になった。

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なぜランボルギーニは日本で愛されるのか? 2000万円超スーパーカーの知られざる世界
4/27(火) 20:40 Yahoo!ニュース
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5.2リッターV型10気筒ガソリン・エンジンを搭載する「ウラカンEVO」。
ランボルギーニ・ジャパンの新代表に就任したダビデ・スフレコラ氏に、大谷達也がインタビュー。日本市場における今後の展望などを訊いた。

【写真を見る】ランボルギーニの電動化に注目! これからのスーパーカーとは?

ランボルギーニならではの魅力
2020年9月、ランボルギーニ・ジャパンの新代表にダビデ・スフレコラ氏が就任した。

スフレコラ氏は東南アジア、中華圏、韓国などで様々なラグジュアリーブランドの要職を10年以上にわたって務めたあと、2016年にランボルギーニに入社。シンガポールで東南アジアのエリア・マネージャーとして活躍したという、文字どおりのアジア・エキスパートだ。

しかも、彼はイタリア・ミラノのボッコーニ大学で国際マネジメントの修士号を取得したほか、日本の慶應義塾大学を始めとする数多くの大学で学んだ経験を持つという。そんなスフレコラ氏と、六本木のランボルギーニ・ラウンジにて、束の間のランボルギーニ談義に花を咲かせてみた。

なぜ、自動車ビジネスの世界に入ろうとしたのですか?
DF:ちょっとした情熱があって、ちょっとした幸運に恵まれたからです。イタリアに生まれた男の子であれば、必ずといっていいほどスーパースポーツカーに愛を抱いています。イタリアは数多くのスーパースポーツカー・ブランドを生み出した国であり、もしもスーパースポーツカーが通りに停まっていたら、その周囲には自然と人の輪ができる国です。それはイタリアの文化の一部なのです。したがって、イタリアの子供たちにとってスーパースポーツカーは最高のプレゼントとなります。私の部屋に飾られていたのはランボルギーニカウンタック」のポスターでした。カウンタックは私が最初に夢見たクルマで、いまでも夢に見ています。そして、その夢が、ランボルギーニで働くという形で現実になりました。

きっと、同じ夢を見ているイタリア人はたくさんいると思いますが、その夢をかなえた人は多くないはずです。
DF:私は地球上でもっとも幸運な男です。なにしろ、完璧な製品を完璧なお客様に届けるという、世界で最高の仕事に携わっているのですから。

では、ランボルギーニランボルギーニたらしめているものは、なんでしょうか?
DF:ドライバーに与えるエモーションが、ほかのブランドとは異なっていることであると思います。これはランボルギーニというクルマの成り立ちに関係しています。ミドシップされた自然吸気エンジンは、ドライバーの心に熱い感情を呼び覚まします。つまり、人が中心のクルマづくりです。ランボルギーニで働くエンジニアは、常にこの点を意識しています。

もうひとつは、そのスタイリングです。スーパースポーツカーに詳しい人でも、そうでない人でも、ランボルギーニであることはひと目でわかる。アイコニックなデザインが、ランボルギーニの個性を生み出しています。このキャラクターは永遠に不滅でしょう。

話は変わりますが、日本の大学で学ぶことになった理由は、どのようなものですか?
DF:大学に入ったばかりのころ、サマープログラムで日本に行く機会があって、そのとき「自分はこの国に必ず戻ってくる」と心に決めました。

なぜ、そう思ったのですか?
DF:よく訊ねられるので、自分なりに考えてみました。私が日本で愛していることが3つあります。私の名前とおなじで、すべてDから始まります。Discipline(規律、統制、自律)、Dedication(献身)、そしてDetail(細部)です。

日本人が備えているDisciplineは目標を達成する際の手法です。日本人特有の柔軟性を生かしながら、どんな目標でも実現しようとする。これがDisciplineです。

Dedicationもある種の手法ですが、それだけでは不十分で、ある種の情熱も必要となります。日本人はDedicationをもっともシンプルな形に置き換えます。これは驚くべきことです。そしてそこにはシンプルなものへの深い愛情があります。

このDedicationは、3つ目のポイントであるDetailに結びついていきます。日本人は、どんな小さなことでもおろそかにしません。

そうした日本人の特徴と、日本人がランボルギーニ好きであることとの間には、なにか関係があると思われますか?
DF:私はDedicationとDetailが深く関係していると思います。クルマを開発する情熱。クルマを作り上げるクラフツマンシップ。細部へのこだわり。こういったものは、ランボルギーニの隅々から感じ取っていただけると思います。そして、それらが日本人とランボルギーニを深く結びつけているのです。

なぜ、日本でランボルギーニがここまで深く愛されているかをイタリアの方々に訊ねると、必ず「ランボルギーニにはパッションがあるから」という答えが返ってきますが、それだけでは日本人がランボルギーニ好きであることを説明しきれないと感じていました。
DF:ランボルギーニと日本人では、愛や情熱の表現のしかたが異なっているように思います。私が、情熱ではなくDedicationという言葉を使ったのは、このためです。情熱は、ときに過剰な表現となります。Dedicationはより深遠なものです。Dedicationは、ある種の共感でもあります。Dedicationは日本の社会にさまざまな形で浸透しています。人々が人生を解釈するための方法といってもいいでしょう。

ところで、自動車界はいま、大変な変革期に差し掛かっています。ランボルギーニも電動化に取り組んでいるようですが、電動化されたランボルギーニはどう変わるのでしょうか? もしくは、どんなところが変わらないのでしょうか?
DF:ランボルギーニのバリューは不変だと思います。いつでもドライビング・エモーションを第1に考えること。また、アイコニックなデザインも変わりません。常に限界を乗り越えようとする姿勢も変わらないでしょう。いっぽうでドライブトレインの使い方には変化があります。その第一歩はハイブリッド化です。なぜなら、ランボルギーニの究極的な目標であるドライバーズ・エモーションを実現するうえで、これがいちばん現実的な方法だからです。

ランボルギーニの電動化モデルをドライブしたユーザーは、どんな印象を持つことになるのか、予想していただけませんか?
DF:それは間違いなく“ビューティフルな体験”となるでしょう。顧客やメディア関係者と一緒にランボルギーニに乗ると、皆さんは決まって笑顔を浮かべます。とりわけクルマが加速しているときに笑顔になります。そしてランボルギーニに乗ったお客様が笑顔を浮かべている限り、私たちは正しい仕事をしているといえる。この価値は、時代を超えて提供していかなければいけないと考えています。
文・大谷達也

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