今、世界でもっともカッコいいクルマ?
ワタシ個人的には、今でも昔でも、世界でもっともカッコいいクルマは、ランボルギーニ・イオタP400SVR/JとカウンタックLP400とフェラーリ・ディノ206/246GTだと思う。それぞれ、ベルトーネとピニンファリーナの最高傑作だ。速さはもちろんだが、ダラーラやスタンツァーニやフィオラバンテなど、当時のエンジニアが小さく軽く低く纏めた素晴らしいパッケージだと思う。
今の過大装備⇒過大重量⇒過大サイズ⇒過大馬力&過大トルク⇒過大価格のスパイラルにあるクルマとは、一線を画すモデルだと思う。
当時の最高水準のパワーとはいえ、400馬力くらいの馬力で300キロを超すために、まだ盛んではなかった空力考察を加え、小さく軽く低いフォルムに行き着いた。
今の湯水のようにカネのかかる構造やマテリアルを使い回し、ひたすら装備を付けまくり、CDやCL値など広く長くし、要件をPCに取り込んで組み上げただけだ。
挙げ句、今回のカウンタックなど、昔の名前と雰囲気を今のクルマの皮替にしただけだ。ドアサイドのインテークは、昔のカウンタックのサイド吸気のNASAダクトとは、意味が違う。開閉で上方だけでなく左右にも拡がるインセクトドアは、乗降時に左右に拡がらないよう前をヒンジに上方に開いたバーチカルドアとは意味が違う。挙げ句、過大馬力と4WDは、重量物搭載位置を纏めて転舵と駆動を前後分担するミドシップの発想とは異なる。
むしろ、少ない馬力で300キロを狙える方が、より理想に近い技術だし、そのためのデザインや美しさカッコ良さであるべきだと思う。
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新型カウンタック発売記念 いま世界一カッコいいスポーツカーはどれだ?
9/12(日) 9:00 Yahoo!ニュース
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ベストカーWeb
アウトモビリ・ランボルギーニは2021年8月13日、新型カウンタックLPI800-4を世界初公開し、112台の限定モデルとして発売することを発表した。
【画像ギャラリー】自動車デザインの最高傑作!!ランボルギーニ・カウンタックの歴史
初代カウンタックは1971年のジュネーブショーでデビューしたが、このカウンタックLPI800-4は、カウンタック生誕50周年を記念したモデルとなる。
カウンタックといえば、まさに日本で巻き起こったスーパーカーブームの主役となったモデルだが、今回登場したカウンタックの復刻モデルを見て当時スーパーカー少年だった、現在50代以上のおじさんたちにはどう映ったのか?
ここで改めて、フェラーリ教の教祖(自称)であり、自身カウンタックを2台購入したスーパーカー評論家の清水草一はどう評価したのか?
さらに今最もカッコいいスーパーカーBEST3を挙げてもらった。
文/清水草一
写真/ランボルギーニ、フェラーリ、アストンマーティン
■リバイバルした新型カウンタックはカッコいい!?
[関連写真]
新型ランボルギーニ・カウンタックLPI800-4。ボディサイズは全長4870×全幅2099×全高1139mm。搭載されたパワートレインはベースとなったランボルギーニ初のハイブリッド、シアンのものが流用され、V型12気筒5167(780ps)と48Vの電気モーター(34ps)を組み合わせる。合計出力はシアンFKP37を若干上回る814ps/73.4kgm。生産台数は112台
ランボルギーニ社は、カウンタック誕生50周年を記念して、世界限定112台でカウンタックを復活させた。これについて、世界で賛否両論が起こっているという。
カウンタックは天才マルチェロ・ガンディーニが創造した、自動車デザイン史における最高傑作のひとつであり、それを安易にリバイバルするなということかなと思うが、一応カウンタックオーナーの端くれ(アニバーサリーを2名で共同所有ですが)として言わせてもらえば、そういう感覚はゼロである。
写真を見た瞬間、「えっ、これ新型なの?」と思った。瞬間的には見分けがつかなかったのだ。よく見ればリトラクタブルヘッドライトではなく、横長の固定式ヘッドライトで、シザードアが真上ではなく斜め上に上がっていたので、ようやく新型だと認識できた。
サイドを見れば、元祖よりだいぶ胴長だが、それはそれでカッコいいし、拡大されたNACAダクトの形状も、まさにカウンタックだ。
リアウイングがないのは、もともとそれが途中から設定されたオプションだったからで、オリジナルをリアウイングなしでデザインしたガンディーニ氏への敬意もあるだろう。
新型カウンタックは、元祖へのリスペクトのカタマリである。十分カッコいいし、間違いなくカウンタックだが、あまりにも元祖を尊重しているので、存在感が希薄だ。
つまり、元祖のオーナーとしては、絶対に自分に噛みついてこない犬のようなもので、カワイイのである。もちろん反感など一切ない。ただ、元祖を超えた存在という感覚もゼロ。新型が出てうれしいとも思わないので、特に感慨がない。多くのカウンタックオーナーが、そう思っているのではないか。
■新型カウンタックよりアヴァンタドールのほうがカッコいい?
[関連写真]
カウンタックLP400の三面図
カウンタックの存在感は、99%、デザインに拠っている。このウルトラスーパーなエクステリアは、巨大なV12エンジンをミッドに縦置きし、その前方にトランスミッションを配置してキャビン内に食い込ませた独創的な構造が生んだものだが、それらをトータルしてデザイン(設計・意匠)と考えれば、「カウンタックは99%デザインだ!」と言っていい。
新型カウンタックの基本構造は、元祖とまったく変わっていない。そういう意味でも、新型は間違いなくカウンタックだが、元祖の偉大さを歌い上げる存在ゆえ、元祖よりカッコいい部分はゼロだ。
新型カウンタックのベースはアヴェンタドール。正確にはアヴェンタドールをベースにしたシアンだが、シアン同様、アヴェンタドールをベースにしたスペシャル限定モデルである。
個人的には、新型カウンタックより、アヴェンタドールのほうがはるかにカッコいいと確信する。カウンタックの伝統を完璧に受け継ぎつつ、それをさらにアグレッシブに発展させているからだ。
仮に新型カウンタックを、LP400とアヴェンタドールの真ん中に置いたら、両者の引き立て役にしか見えない予感がする。新型カウンタックはかなり純粋なリバイバルカーであり、真正面からデザインを評価するには値しない。
■カッコいいスーパーカーランキング:第3位/フェラーリ・ローマ
[関連写真]
フェラーリスタイルセンターが手掛けたエレガントなスタイリングが特徴の新型ローマ。ボディサイズは全長4656×全幅1974×全高1301mm。エクステリアデザインでは、フロントノーズが急激に落とし込んだシャークノーズを持つのが特徴
それを前提に、いま全世界で一番カッコいいスポーツカーは何か、ベスト3を選出してみた。
「いま」なので、選考対象は現行モデルのみ。また、新型カウンタックがらみの記事なので、私が常に「世界最高のデザイン」と推しているマツダロードスターは、便宜的に選考対象から外させていただきました。ここでロードスターを1位にすると、なんとなくシラケるので……。まぁ与太話だと思って読んでください!
フェラーリ・ローマ、そして296GTBで、フェラーリデザインは完全復活を果たした。458イタリアを最後に、ピニンファリーナがフェラーリのデザインから離れ、内製デザインになってからこっち、出るモデル出るモデル、ピニンファリーナデザインをただゴテゴテと飾り立てただけのような造形が続いたが、それに対して世界中の有力なフェラーリオーナーから、「いい加減にせい!」との声が沸き上がり、フェラーリ本社も耳を傾けざるを得なくなった……らしい。
この2台は、フェラーリ本来のシンプルな美に徹している。ローマはデイトナや275GTBなどのFRモデルを、296GTBは250LMをモチーフにしているが、カウンタックからアヴェタドールへの発展と同じく、クラシカルなデザインをうまくモダン化している。
296GTBはまだ写真で見ただけなので、今回はローマを第3位に入れさせていただいたが、実物を見ても、おそらくローマのほうが完成度は上だろう。
ローマのデザインには。これ見よがしなところがまったくない。非常に静謐だが、見れば見るほど本当に美しい。この美しさは実物に接してみないとわからない。
これこそ、フェラーリ本来のあるべき姿。この美しさがあれば、「フェラーリはこのままのカタチで、電気自動車になってもいい」とすら思えた。
■カッコいいスーパーカーランキング:第2位/アストンマーティンDB11
[関連写真]
アストンマーティン伝統のGTカーがDB11シリーズ。ボディサイズは全長4739×全幅1940×全高1279mm
DB11と、それをベースにしたDBSのデザインは、クラシカルな美しさの中に大いなる獰猛さを秘めている。ローマに感じる微妙な物足りなさをすべて満たす、ウルトラ猛烈にカッコいいFRスポーツカーフォルムだ。
ローマはあくまで控えめでジェントルだが、DB11は、大量の空気を吸ってそれを後方に噴出する力強さを表現しつつ、風のように軽やかに駆け抜けるイメージとでも申しましょうか。「金持ちケンカせず」なんだけど、ケンカしても絶対負けないオーラですかね?参りました。本当にカッコいいです。
イメージとしては、私が常にデザイン世界一に推すマツダロードスターのスーパーカー版です。
■カッコいいスーパーカーランキング:第1位/ランボルギーニ・アヴェンタドール
[関連写真]
2021年7月7日に発表された、アヴェンタドールの最終限定モデル、LP780-4ウルティマエ。ウルティマエは日本語で究極を意味する。クーペ350台、ロードスター250台の限定生産。ボディサイズは全長4868×全幅2098×全高1136mm
アヴェンタドールは、前述のようにカウンタックの正統な後継モデルであり、カウンタックのカッコよさを完璧に継承しつつ、見事にモダン化している。
カウンタックの生産が終了した後、ランボルギーニはディアブロ、ムルシエラゴと後継モデルをリリースしたが、その2台に比べても、アヴェンタドールの迫力と完成度はずば抜けている。
ただアヴェンタドールは、あくまでカウンタックの正しい発展形なので、元祖カウンタックを超えることはない。カウンタックを超えるカリスマデザインを持つスポーツカーは、未来永劫誕生しないだろう。
いや、世の中に未来永劫も絶対も存在しないが、それが誕生する前にスポーツカーそのものが絶滅する気がしてならない。
私はフェラーリを崇拝する者だが、その崇拝対象は第一にフェラーリエンジン(自然吸気に限る)だ。デザインに限れば、カウンタックは全スポーツカー史を通じて圧倒的な存在で、唯一絶対神と言っていい。もちろん神の中の神はLP400。高すぎて買えませんが……。
ただ欧州では、遠くない将来、プラグインハイブリッドすら禁止される流れになっている。DB11やアヴェンタドールは、空気を吸い込み吐き出す造形ゆえ、EV化されたらどこかシラケるだろう。
となると、この3台のなかでデザインとしての将来性がある、ローマということになりますかね?「EVにこんなロングノーズいらねぇだろ!」と言われればそれまでだけど。
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