ポルシェパナメーラらがもたらしたモノ

90年代以降、ポルシェはあらゆる角度から顧客獲得を図った。以前のバリエーション新設は911以外はミドシップ2座の914/6、912、968や928というFR3HBだった。

だが、90年代以降、ミドシップ2座のボクスター/ケイマンは類似方向でも、カイエンというクロカンやパナメーラというラグジュアリーFRは、親会社となったVWアウディーラインナップからの派生的な成り立ちだ。それは、マカンにも言える。

911は、実用性を第1とした2+2キャビンに、RRで空冷エンジンを使用した。水冷エンジン前提ならば、冷却水路が長くなるため、やらなかったろう。VWアウディー影響下で、911水冷化は断行された。本来、911は出して数年で、将来性を見限られていた。その結果、後継車種としてFRで水冷直4搭載の924/944、V8搭載の928が出た。しかし、73カレラRS以降、911がレースなど各分野において地位を築いてしまった。

以後、ポルシェが存在し続けるために、911を護らざるを得なくなった。そうするコトで、ある一定の顧客は着いて来た。

そして、ミドシップ2座、中型クロカンの顧客層をボクスター/ケイマンやカイエンで開拓した。

今度はFRラグジュアリーの顧客層をパナメーラ、小型クロカンのそれをマカンで開拓するコトになってる。

こうした車種は、新たな顧客層の獲得に寄与しているが、車種の性能構成や価格構成を混乱させている。

もっとも、今のポルシェ、VWアウディーにとって、売れれば良いだけのコトのようだが。

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お気に入りの愛車との過ごし方 ポルシェ・パナメーラとスタイリストの石川英治さん
5/22(土) 9:01 Yahoo!ニュース
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いしかわえいじ。1970年横浜市生まれ。クリエイター事務所、テーブルロック スタジオ代表。1993年よりスタイリストとして活動、時計・宝飾からアパレル、デジタルガジェットまで、幅広いジャンルのスタイリングを手がけている。好きな色は黒。
スタイリストとして活躍する石川英治さんの愛車は「荷物が積める911」ポルシェ・パナメーラ。人とかぶらないところがいい。

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「本当は2シーターがいいに決まっているけれど、いつも荷物が多い(スタイリストという)この仕事では絶対に無理。コレと決めた1台をちゃんと乗りたいから、2台持ちという選択はありません」と話すのは、スタイリストの石川英治さん。

荷物が積める911
とにかくポルシェに乗りたい! そしてできる限り荷物が積みたい! でもSUV(カイエン)は人とかぶる! ということで選択肢はひとつ、パナメーラだった。

「2009年のデビューのときからパナメーラが欲しいと思っていて。手に入れたのは2016年式の特別仕様車パナメーラ エディション”。これは“荷物が積める911”なんです。現場でスタイリングのインスピレーションが湧いたときに小物が足りないのは避けたい。となると、どうしても荷物が多くなる」

以前に乗っていたのはダッジ・マグナム。独特の雰囲気なだけに、撮影現場に乗っていくと、クライアントに怪訝な顔をされたことも……。それがパナメーラに替えたら、関係者の対応がまるで変わった。

「たしかに、武骨なアメ車よりも、スタイリッシュなポルシェのほうが印象いいに決まってます(笑)。仕事内容も大切ですが、スタイリストは見た目からが勝負ですからね」

いま欲しいのは、パナメーラのスポーツ ツーリスモだそうだ。

「とにかくポルシェは最新のものがカッコイイ。いいクルマに乗り換えるのは、これから仕事を頑張る目標にもなりますからね」

写真=岡村昌宏 構成・文=小林尚史(エンジン編集部)

(ENGINE2021年5月号)
新潮社

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