ロータスエスプリV8とポルシェ928

ロータスエスプリ、ロータスヨーロッパ同様、当初は直4エンジン縦置のミドシップだった。それを3.5リッターV8ターボに積み替え、スーパーカーと呼ぶに相応しいスペックと性能を手にした。

ロータス自体がチャップマン死後の資金難経営難に依り、傾いてしまい未完に終わったが、ロータスさえその気なら、F1に於けるルノーやホンダらパートナーから得たチューニング情報に依り、リッター100馬力⇒200馬力以上レベルのチューニングは充分可能だったろう。

逆に、ポルシェ928は、RRの911の限界を感じ、直4の924⇒944⇒968と合わせてV8を積んだFRポルシェ上級モデルとして開発された。73年以降の911系の快進撃に掻き消されてしまったが、ちゃんとFRポルシェもレース使用していたら、コレらの印象も変わっていたコトだろう。

実際、911の空冷⇒水冷化に依り、RRの弱点は冷却水路の長さだ。パナメーラでは928を超え、あまりにデカ過ぎ値段高過ぎる。パナメーラがあるため928は厳しいかも知れないが、924ないし944は本来望まれる。

もしくは、スバルレガシーやSVX的なFR/4WDを出しても良いハズなのだ。

 

 

 

 

 

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【Tipo】孤高のV8、それぞれの道 ~2つのブランドにV8がもたらしたものとは~ V8を得たことでロータスらしさを深めた『エスプリV8』編
2023.01.19 17:30掲載 LE VOLANT CARSMEET WEB
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ポルシェの市販車の歴史で初めて、V8エンジン搭載車として計画された928。一方、ロータスエスプリの長いモデルライフの最後を飾るように登場したエスプリV8。これらでしか味わえない世界観を、感じてほしい。前編に続き今回は2000年式ロータスエスプリV8をピックアップ。

前編『ポルシェ928 S4』はコチラから

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V8を得たことでロータスらしさを深めた

真っ赤なロータスエスプリV8は、ポルシェ928 S4より9歳も若く、そのミレニアムな雰囲気がスタイリングに良く現れている。928もエスプリも、1970年代に誕生したスポーツカーだが、徐々に進化していく中で最も大きく変わったのはラジアルタイヤの性能とエアロダイナミクスだった。実際に、1980年代の中頃にロータスエスプリのスタイリング変更を画策した最大の理由は、ターボによる大パワーに対抗するためのダウンフォースの増加だったのである。

1970年代後半と言えばオイルショックから立ち上がっていく最中であり、またライトウェイトというロータス・ブランドのポリシーから考えても4気筒は正しい選択肢と言えた。だが1990年代ではどうだったのか? 特にロータス伝統のバックボーンフレームと、急激にパワーが立ち上がる4気筒ターボの相性は神経質で、乗りこなす人の腕を選んだのである。

【写真12枚】最後のエスプリに相応しい熟成極まったドライブ感、エスプリV8の詳細を写真で見る

だが今回試乗する個体は、エスプリの最終期に華を添えたV8である。3.5LのV8はターボ過給され350PSを発揮している。軽くリッター100PSを越える現代のターボ・エンジンに比べればいくぶん控えめに感じられるが、実際はどうか?

寝そべるように低いコクピットだが視界は良好で、タイヤの位置も把握しやすい。鉄の塊のような928 S4と比べれば、エスプリV8は羽根が生えたように軽く、加速も鋭い。

スロットルの踏みはじめこそターボ特有の掃除機に吸い取られるような加速感を見せるが、その先は4気筒ターボのエスプリや、フェラーリF40のようにドッカーンとパワーが炸裂する性格ではなく、回転に比例してパワーが増していく。だからこそスロットルの動きにどこまでも忠実で、ロータスらしいドライバビリティが確保されているのである。

エスプリV8は、ついに念願のV8エンジンを搭載したことで「名実ともにスーパーカーになった」などと表現されることもあるが、実際は「ロータスとしての完成度が高まった」と言った方が正しいクルマなのである。ポルシェ928 S4はファーストコンセプト通りのGTだし、エスプリV8もまた、初志に忠実なライトウェイトスポーツカーだったというわけだ。

近年は古めのスポーツカーの価格高騰が問題となっているが、幸いなことに、928やエスプリは適正な価格が保たれたモデルといえる。

ここまで手間暇かけて作り込まれ、しかも熟成されたモデルは現代のスポーツカーには存在しない。本当のクルマ好きならば、少し古めのモデルの本質に惚れ込むべきだ。

【SPECIFICATION】ロータスエスプリV8(2000)
全長×全幅×全高:4369×1883×1150mm
ホイールベース:2420mm
トレッド (F&R):1520mm
車両重量:1380kg
エンジン:水冷V型8気筒DOHCターボ
総排気量:3506cc
最高出力:350PS/6500rpm
最大トルク:40.8kg-m/4250rpm
サスペンション(F/R):ダブルウイッシュボーン/セミトレーリングアーム
ブレーキ (F&R):Vディスク
タイヤ(F/R):235-40ZR17/285-35ZR18
新車時価格:1180万円

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