ポルシェの性能構成、破壊の元凶はVWアウディー?

ポルシェは自動車メーカーの良心だった。キチンとしたクルマを出すため、世界の研究所であったハズ。もちろん、その建前を徹した結果、なかなか911を超えるクルマを創り出すコトができず、経営危機に陥った。

ソコで出現したクルマが、ボクスター/ケイマン。廉価かつ軽快なポルシェだ。発想的にはRRの911に対するミドシップの914/6と変わりない。違いは、ポルシェのフラッグシップとしての911、996と同じ顔とし、よりポルシェ感を与えたコトだ。ビミョ~に違う顔になったFRポルシェ、924⇒944⇒968や928らとは違った。FRとして、さすがのデキだった。キチンとポルシェ顔にしていたら、FRポルシェの運命も違ったハズだ。ただのFRポルシェは、VWアウディーと共用したパナメーラしかない。

ただ、ポルシェのラインナップがNAエンジンメインだった間は良かったが、ターボをメインに切り替えるトコで排気量設定を誤ってしまった。

今や、パナメーラにV8ターボがある。究極なら、911GT2だって敵わない。911カレラはGT3をトルクで上回る。ボクスター/ケイマンの2リッター4気筒ターボ、また4リッター6気筒、単に走らせれば結構な911系より速かったりする。ターボなら1.4リッターに収めるべきだった。911カレラも、ターボ前提なら3リッターではなく2.1リッターないしは1.4リッターにするべきだった。

ポルシェ社内のクルマをキチンと考えて来たヒト達が、VWアウディーの場当たりサラリーマンに淘汰されてしまったのだろう。

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脇役のようだがポルシェを救ったヒーロー! ポルシェファンなら足を向けて寝られない初代ボクスター
2022/06/10 15:05 Auto Messe Web4

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ポルシェを代表するモデルになったボクスター

 2021年の世界新車販売台数は過去最高の30万台を記録したという、ドイツが世界に誇るスポーツカーメーカー「ポルシェ」。そのうち内訳はSUVのマカンやカイエンが多くを占めますが、今日までポルシェが続いた真の立役者は、じつはボクスターなのです。当時のポルシェの状況と初代ボクスターがポルシェにもたらした影響を振り返ってみましょう。

911よりも安くて庶民でも買えた! ボクスターのご先祖「ポルシェ914」とは

90年代の販売台数は年間3万台規模まで落ち込んでしまった

 今でこそ順風満帆という感じのポルシェですが、1990年代初頭は経営危機にありました。おもな市場であった北米での販売不振や高コスト体質、そして911だけに頼っていたような状況がおもな原因でした。今も昔も911はポルシェを代表するモデルですが、当時は911だけが売れているという状況でもあり、911が売れなくなるとポルシェはピンチに陥ってしまうという最悪の状況が現実になってしまったのです。

 もちろん、それまでポルシェもなにも対策をしてこなかったわけではありません。エントリーモデルとして924や968といったコンパクトFRモデルやGT志向の強いV8の928などを、1970年代から1990年代初頭にかけて世に送り出していました。しかし、1990年代初頭の年間生産台数はポルシェ全体で現在の1/10以下である3万台にも満たなかったと言われ、そのうち911が2/3を占めていたそうです。FRポルシェは商業的には成功と言えず、経営危機を迎えることになります。

911以外でフラット6を搭載し話題となったボクスターコンセプト

 そんななか、1993年のデトロイトモーターショーでポルシェはボクスターのコンセプトモデルを発表します。ポルシェの新しいエントリーモデルと位置付けられたこのコンセプトカーは、「ボクサー(水平対向)&スピードスター」を由来とする造語でボクスター命名されました。もう後がない、まさに背水の陣でポルシェが造り出したモデルです。

 これまでの911以外のポルシェはFRレイアウトに直列もしくはV型エンジンを搭載するモデルでした。ですが、ボクスターミッドシップ911と同様の水平対向6気筒エンジンを搭載するという、これまでの911以外のポルシェでもっとも911に近いモデルとも言えるコンセプトカーです。このコンセプトカーはデトロイトモーターショーで話題となり、ポルシェは自信を持って量産モデルの開発を進めることとなります。

ほぼコンセプトどおりに登場し大ヒット

 1996年に販売が開始されたボクスターは、コンセプトカーほぼそのままという出で立ちで登場しました。登場当初は204psを発生する2.5L水平対向6気筒エンジンのみのラインアップでしたが、登場前から話題となっていたこともありポルシェが予想していた以上の注文が殺到しました。

 この結果、翌1997年にポルシェは増産体制を決定。フィンランドのヴァルメト・オートモーティブ(サーブなどを製造していた)でのボクスターの組み立てがスタートします。2004年に初代ボクスターが生産終了するまでに、10万台以上がフィンランドで製造されました。ポルシェの想定を大幅に超えるヒットとなったボクスターは、まさにポルシェを救った救世主と呼べる存在です。

進化を続けてファンを魅了しポルシェの危機を救った

 抜群のスタートダッシュを切ったボクスターはこれまでのポルシェフリークはもちろん、新たなポルシェユーザー・ファンたちを飽きさせないように年々進化していきます。1999年にはエンジンを2.7Lへと拡大し、220psにパワーアップしたほか、252psを発生する3.2Lエンジンと6速トランスミッションを採用した上級モデル「ボクスターS」を設定。その後もスペック的に大きな変更はないものの、ポルシェらしく毎年進化していき、2004年に生産終了され2代目へとバトンタッチしました。

 初代ボクスターが販売されていた1996年から2004年にかけては、今までにない新たなポルシェが誕生した時代でもあります。911は1997年に、歴代で初めて水冷エンジンを搭載した996へとフルモデルチェンジ。またボクスターでの成功を受けて、ボクスターのクーペ版とも言えるケイマンも2005年から登場しました。その後ポルシェはブランドとして順調に成長を遂げています。21世紀に入ってからの成長は、ボクスターの成功無しには出来なかったことでしょう。そして、ボクスターの存在が無ければ今日のポルシェは無かったかもしれません。

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