BACモノ、価格は適正?どのクチが言ってるの?

BACモノに限らず、スーパーセブンでもアリエルなどでもそうだが、やったらめったら価格的に高い。本来、軽いクルマでシンプルな構造なら安い価格であるべきだ。しかし、ドコの酔狂の仕業か、量産性の低いカーボンモノコックやらワンオフの構造を作り、用途も乗員もスペースも限られるクルマを、そうしたクルマの数倍もの価格にしてしまっている。

1人か2人しか乗れないなら、オートバイの値段にコケない価値の上積み、荷物を積めて、屋根が付くかどうか、エンジンがソコソコなら、200万前後くらいしか出す価値はない。

構造的に、オートバイ的な鋼管/アルミパイプ、又はGCマシン的なアルミハニカムパネルモノコックなどの方が、量産性は遥かに高いハズ。クルマを企画する際に、量産性メンテナンス性などを含めて検討されるべきだと思う。

カーボンモノコックのなかった時代、6・70年代のフォーミュラーカーやスポーツカーを鋼管/アルミパイプフレームやモノコックで最低車重5・600キロの車体はデキていた。ソレが、5・60年以上経って、ワザワザ量産性低い素材や構造にして、バカ高い価格をつけている。

こういう小さいトコに限らず、全世界の自動車メーカーの過大装備⇒過大サイズ&車重⇒過大馬力&トルク⇒過大価格という過大スパイラルの根源は、ソコにあると思う。

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F1より遙かに軽い500kg台の超軽量マシン! 公道を走れることに違和感しかない「BAC MONO」って何もの?
9/22(木) 17:30 Yahoo!ニュース
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コスワース製直4を搭載する車両重量540kgの超軽量マシン
 
イギリス、リバプールのBAC社が製造している「MONO」というマシン。まるでレーシングカーのような見た目だが公道を走ることができる。エンジンは332馬力で重量は540kg。ウエイトパワーレシオは1.62kg/psとなんとバイク並みだ!
 フォーミュラカーで公道を走りたい欲求、誰しもあるかと思います。なにしろF3000に無理やりナンバー付けちゃった人もいるくらいですけど、そこまで苦労や無茶をせずとも、今ならいいマシンがあります。

【写真】BAC MONOのリヤスタイリング!

 イギリス、リバプールのBAC社(Briggs Automotive Company)がリリースしている、こちらのMONOは、ご覧のとおりひとり乗り(モノシート)で、フォーミュラカーにアウタースキンをかぶせたようなスタイリングに、名チューナー「コスワース」がチューンナップしたフォード製4気筒ターボエンジンを搭載。540kgという車重に対し、332馬力と言いますから、ウエイトパワーレシオは1.62kg/psと驚くべき数値。

 ちなみに、似たようなコンセプトでKTMからはクロスボウというふたり乗り公道フォーミュラみたいなマシンもありますが、こちらは790kgで240馬力ですから3.29kg/psといささかパンチに欠けているようです(そうはいっても、走ったらめっさ速いことは確実です)。

 それにしても、気合が入ったマシンだといろいろ調べてみると、なるほどハンパないマシンになるわけだと納得。つまりは、「フォーミュラカーを公道で乗りたい欲求」の塊みたいな兄弟によって作られたマシンということが判明した次第。

 ニールとイアンのブリッグス兄弟は、幼いころから父親の影響でレース間近で育ってきたようです。長じて、イアンはメルセデス・ベンツやポルシェのデザイン部門、ニールはフォードのエンジニアとしてフォーカスRSなどホットなマシンの開発者に。また、兄弟はドイツの名レーサー、フランク・イェリンスキーとの出会いがMONO開発の原動力になったとも述べています。イェリンスキーは、若いふたりにF2やF3といったシングルシーターのレース、経験について教えてくれたそうですから、さぞかしワクワク&ゾクゾクしたに違いありません。

 その後、BACを興した兄弟は2011年にドイツで開催されたRetro Classic ShowにMONOのコンセプトモデルを出品。ジュネーブのモーターショーとかぶっていただけに「数少ない友人と家族だけ」しか来ないと思っていた兄弟は、1500人ものマスコミ、観客に囲まれ「最初の1台」を売ることに成功。

 水面下、というかバックヤードビルダー的に開発を進めていたふたりにとって、これは感動的なスタートだったようです。

まるでフォーミュラーカーのような成り立ちと出立ち
 
アルミホイールの重量も驚異的だ。15インチの鍛造ホイールで3kg代半ばだと超軽量と言われるのにも関わらず、このクルマは17インチでなんと1本2.2kg! 異常なまでに軽さを極めた1台なのだ。
 MONOの構造は端的に言ってしまえば鋼管チューブラフレームに、カーボンパネルのボディをかぶせたもの。縦置きエンジンをはじめ、駆動系や足まわりもフォーミュラカーの公式どおりに作られています。なのに、540kgという超軽量化を果たせたのはなぜか? あのKTMでさえ740kg(もちろんふたり乗りというハンデもありますが)、ロータス3イレブンが890kg、ダラーラが作るF2だって(最低重量が)755kgってことを考えると驚異的といっても差し支えありません。

 ちょっと探ってみると、BACの軽量コンストラクションの秘密は、どうやら設計ツール(ソフトウェア)の効果的な使い方にあるようです。AUTODESK社の設計支援ソフト「ジェネレーティブデザイン」を使うと、重量や機能といった設計目標をもとに製造方法やコストといった制限を打ち込むことで最適な設計解を導き出してくれるのだそうです。

 たとえば、1本あたり2.2kgという極めて軽いアルミホイールは、それまで3軸CNCマシンでの製造を前提としていたものを5軸マシンに変更したことで得られた結果。一般的な軽量ホイールに比べ35%も軽いというのは大きなメリットにほかなりません。

 また、シャークノーズに近いフロントマスクや、ディフューザーを大型化したかのようなリヤセクションもMONOのキャラを際立たせているかと。当然、エアトンネルでの緻密な解析がなされているものと思われますが、このあたりは非公開。

 ブリッグス兄弟なら、クルマ関連のコネがいっぱいありそうですから、もしかしたら「お友達料金」が適用されて新興F1コンストラクターよりも空洞実験の回数が多いかもしれませんね。

 で、肝心のパフォーマンスですが、ここはクルマ番組のトップギアから「パワーラップ」のランキングでご紹介しましょう。ちなみに、これはロータスのテストコースだったサーキットをスティグという覆面ドライバーがアタックするというもので、現在のトップタイムは1分11秒3でフェラーリSF90ストラダーレ、次いで同488ピスタが1分12秒7、でダラーラ、パガーニ、マクラーレンなどが名を連ね、MONOは7番手に位置する1分14秒3というリザルト。

 パワーウエイトレシオやパッケージを鑑みれば、もう少し上位でもおかしくない気がするものの、お値段2450万円となるとこのあたりが適正かと。なにしろダラーラストラダーレ(2250万円)を除けば軒並み4000万円とか3億9000万円なんてクルマですから、速くて当たり前なのです。

 最後に、イアン・ブリッグスが世界的なEV化や自動運転の普及についてインタビューを受けた際のコメントをご紹介しておきましょう。

「馬がクルマに変わっても、馬の存在は消えることなく乗馬というぜいたくなものに変わりました。ほとんどの人が自動運転のクルマに乗っているときでも、ドライビングを楽しむ人がいるはずで、ドライビングはカヌーやパラシュート、マウンテンバイクのようになり、とりわけMONOはより輝く存在となり得るのです」

 三つ子の魂百までとは言いますが、この兄弟やっぱりハンパないですね!
石橋 寛

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