トヨタAE86レビン/トレノ、祝40周年!弔日本自動車/オートバイメーカー!

今は死滅してしまった、5ナンバーFR。トヨタAE86まで、ニッサンはシルビア系を残し、ホンダはS800/600(S2000は車幅3ナンバー)、三菱はスタリオン、いすゞは117らを最後になくなった。

トヨタは、AE86レビン/トレノ以外のカローラ/スプリンター系をFF化したが、その横置ユニットを使用してAW11型MR2まで作った。この時期、トヨタは1.6クラスにFF、FR、ミドシップと揃えた。他メーカーはFF/4WDしかなかったのに。

AE86レビン/トレノ、40年経っても未だに持て囃されるのは、以後の日本自動車メーカーのこのクラスがダメになったからだ。このクラスにターボあったら、SW20型MR2が存在し得ただろうか?

クルマは規格商品だ。エンジン排気量なりサイズなり装備品位置などを、各国規格に合わせなければ販売デキない。80年代後半以降、日本自動車メーカーはグローバル化を御題目に、5ナンバー規格を蹴り飛ばした。レクサスLFA後にニュルでの事故で亡くなった成瀬サンは、リーゾナブルな値段とサイズで出したいと言ってたが、この2代のトヨタ86/スバルBRZをどう見たのだろうか?

ワタシ個人的には、原価的にも特徴味付的にも失敗だと思う。基本、5ナンバーサイズでトヨタは1.6リッター直4、スバルは1.6リッターフラット4の既存エンジンを積み分ければ、明確に特徴味付は差別化デキたし、一々新たに新エンジン開発など必要なく、コスト的にも楽だった。

トヨタ86/スバルBRZ、2リッターフラット4に車幅3ナンバーだった初代から、2.4リッターフラット4とドップリ3ナンバー化した。

今のクルマがダメだから、昔のクルマに高値付いて取引されているのだ。それは、昔5・60万だった2サイクル250ccが倍価以上で取引される、オートバイと変わりない。

日本の第2次産業の象徴たる自動車オートバイ、ダメになってしまったのだ。

 

 

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トヨタハチロク」は生誕40周年! セクシーすぎた80年代バブル時代を振り返ります【カタログは語る】
2023.04.11 00:11掲載 Auto Messe Web 5
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1983年5月にAE86カローラ レビン」と「スプリンター トレノ」が登場

のちに「AE86」として長くマニアから愛されることとなったトヨタの4代目「カローラ レビン」/「スプリンター トレノ」(以下、レビン/トレノ)の誕生は、5代目「カローラ」(と4代目「スプリンター」)が登場した1983年5月のこと。ただしこの時のカローラ・シリーズの登場は画期的で、同世代のカローラ/スプリンターのセダン系がFFへと切り替わったのに対して、レビン/トレノはそれまでどおりのFRとして個別のシリーズとして残されたことが注目だった。80点(+α)主義と言われたトヨタだったが、なんとも粋な采配、心意気と思わずにはいられない出来事でもあった。

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トヨタFRライトウェイトスポーツの系譜を継承

もともとレビン/トレノは、1972年からの2代目カローラ/初代スプリンターの世代に登場した高性能シリーズの呼称で、「27レビン(トレノ)」としてマニアの熱い視線を集めたモデル。当時の「セリカ」/「カリーナGT」譲りの1.6L DOHC(2T-G型)を搭載(1.6LのOHV搭載の「ジュニア」も登場)、850kg台の軽量ボディと相まって、卓越した……というよりジャジャ馬のような豪快な走りを披露した。

レビン/トレノは2代目の30系でも設定されたものの、折からの排気ガス規制の対応で1度ドロップしてしまう。だが、EFI化された2T-GEU型の搭載で復活。さらに3代目(カローラとしては4代目)ではレビンはクーペボディで存続したほか、この改良型2T-GEU型搭載車は「1600GT」として、当時のセダン、ハードトップ、リフトバックの各ボディにも設定された。

4代目ではレビン/トレノだけFRの独立したシリーズに

そして4代目では、カローラ/スプリンターのセダン系とは一線を画したスポーティ系の総称としてレビン/トレノが存続し、カタログも写真のように個別に用意されて登場。ちなみにカローラ レビンにはセダン系と同じく、郷ひろみ(スプリンター トレノは古谷一行)がイメージキャラクターに起用され、カタログでも要所要所に登場している。

ボディタイプは3ドアとノッチバックの2ドアの2タイプの設定で、レビン/トレノでは基本のスタイルは共通ながら、フロントまわりではレビンが固定式ヘッドライトを用いるのに対して、トレノは3ドア、2ドアともにリトラクタブルライトを採用。このために全長が25mmレビンよりも長くなっていた。

またバンパーモールとサイドプロテクションモールがボディ色を拾ったおなじみの2トーンカラーは、レビン、トレノのどちらにも設定。さらに見逃せないのが、国産車でもドアミラーが解禁されたタイミングに合わせて、最初からドアミラーが標準装着されていたクルマでもあった。

それと前後して解禁された60扁平タイヤ(185/60R14 82H)もトレノGTVに標準装着、レビンとトレノのGT APEXとGTでは5.5JJ×14インチのアルミホイールとともに標準装着された。このアルミホイールはカタログを見る限り当時のセリカ、カリーナのGT系などと同一デザイン、同一サイズだった。

テンロクツインカム16バルブの4A-GEUエンジンがアツかった

一方でエンジンの話もしないわけにはいかない。レビン/トレノはもともとDOHCエンジン搭載車の呼称だったが、この世代からはよりユーザーへの間口を広げる目的で、1.5LのSOHC(3A-U型)も合わせて設定された(AE85型)。

と同時にDOHCエンジンについては、1970年10月デビューのセリカ1600GTに搭載されて以来の2T-G型(2T-GEU型)に代わり、同じ1.6Lの4気筒DOHCとして新開発された4A-GEU型が、この4代目レビン/トレノに搭載されて最初に登場した。

当時の資料をひもとくと、エンジン排気量1587cc、ボア×ストローク=81mm×77mm、圧縮比9.4、最高出力130ps/6600rpm、最大トルク15.2kgm/5200rpmのスペックをもち、エンジン重量は123kgと2T-GEU型比で23kgの軽量化、騒音は約4dB低減となっている。

カタログ上でも大きく「16バルブ」と謳われていたが、開発当初は2バルブ方式で検討が進められ、ツインカム4バルブ方式は高速出力に優れること、燃焼効率が高いこと、燃費も良くなることといったメリットが認められたとしている。耐久性に関してもクランクシャフトを鋳造から鍛造に変更、フライホイール取り付けボルトも6本から8本にした……といった記述が拾える。なおレビン/トレノの登場翌年にデビューした初代「MR2」、FFの「カローラFX」には、この4A-GEU型を横置きとした4A-GELU型も登場している。

サスペンションについては3代目から踏襲され、型式上はフロントがストラット式、リアがラテラルロッド付き4リンクとなっていた。カタログにも、ラリーストに好まれる後輪駆動とリジッドサスペンションは、コントロール性、信頼性が申し分ないから……といった説明がある。フロントキャスターアングル4度(GT系、パワステ装着車)、GTVはスーパーチューンド・サスペンションとするなどした3種の味付けがあることなども記述されている。

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レビン/トレノの名称とシリーズはその後も続いたが、AE86(とAE85)は最後のFRとなった。そして後年登場した「86」が同じ後輪駆動のスポーツカーとして車名に採用したのはご承知のとおりだ。今でも時折、街中でAE86を大事に乗っている今のユーザーを見かけることがあるが、80年代のクルマがまだピュアだった時代を象徴する愛おしい1台だ。

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