AE86の頃、クルマ作りの分岐点!

トヨタAE86型レビン/トレノを出していた頃、エンジン的に2TG⇒4AG、2バルブ⇒4バルブ、電子制御キャブレター⇒フュエルインジェクションと変わる頃だった。そして、プロペラシャフトが必要でスペース的に狭いFR⇒エンジン&ミッション&デフ一塊で生産効率が良くスペース的に広いFFへと転換しようとしていた。

ホンダはシビック以降FFしか作らなかったし、ニッサンはサニー/パルサー系、マツダはファミリア系、三菱はランサー/ミラージュ系を残らずFFにしてしまい、トヨタが唯一AE86型レビン/トレノをFRに残したコトが引き立った。

挙げ句、トヨタはFF一塊ユニットを共有したAW11型MR2という、2座横置ミドシップカーすら出したのだ。ニッサンやホンダ、マンガではパルサーEXAやバラードCRXの横置ミドシップを描かれたが、実際に作られるコトはなかった。2座横置ミドシップを出すチャンスを自ら逃したのだ。

こうして、この時期、このクラスに於いて、トヨタAE86型レビン/トレノは唯一のFRとして目を引くコトになった。

他メーカーが1車種ずつでもFRを残していたら、またFF一塊ユニットで2座横置ミドシップを出していたら、80年代の市場は変わっていたハズ。今の中古車市場もネ!

このクラス一塊ユニットの制震上、FRから引き継いだペラペラ鋼板モノコックではダメなコトを気付けず、90年以降のクルマ作りにも影を落とした。

****************************

「男の夢は、力でかなえる」ハチロク発売当時の熱いメッセージとは【懐かしのカーカタログ】
2023.02.13 17:35掲載 レスポンス 6
13/13
Prev
 すべてみる
全13枚
86の価格・グレード・レビューなどの情報を見る
「New COROLLA LEVIN・新登場」。カタログの表紙に大々的にそう謳われ、1983年に登場したのが、通算4代目となるAE86/85型『カローラ・レビン』(と『スプリンター・トレノ』)。後に「頭文字D」でも有名となり、後に『86』の車名へと繋がるモデルでもあった。

5代目『カローラ』が登場した1983年、セダン系はFFへとスイッチ、この時にFRとして残され独立したのがAE86/85型レビン(トレノ)。それまではDOHC搭載の高性能モデルの呼称だったが、この時からDOHC搭載車以外も含めてレビン(トレノ)シリーズを名乗ることとなった。

ボディタイプは3ドアおよび2ドアの2タイプ。3ドアにはトヨタ流の“LB(リフトバック)”の呼称は与えられていない。カタログのコピーは3ドアが“I'm動ing”、2ドアが“I'm美ing”。2ドアは“これ以上、美しくなれない”とし、これはひとつ前の5代目(のスプリンター)が広告で“美しくなければ車ではない”とやっていたのを受けたものだったのか? この世代は当初からドアミラーを標準巣着としたのも懐かしい。

搭載エンジンは、当初はシンプルに1.6リットルのDOHCと1.5リットルのSOHCの2本立てだった。このうちの1.6リットルDOHCがレーザーαツインカム16バルブと銘打った当時の新開発ユニットの“4A-GEU型”で、許容エンジン回転を7700rpmとし、最高出力130ps/6600回転、最大トルク15.2kg-m/5200回転。今どきでは新鮮だが、カタログでもシャシーとともに見開きで大きく紹介されている。

また4A-GEU型搭載車のトップモデルとして設定されたのが“GT APEX”。お馴染の2トーンのボディ色やブロンズガラス、スポーツシートほか、走行状態や季節により自動開閉するギミックのひとつ“エアロダイナミックグリル”を設定した。

****************************