ポルシェ992GT3RS、空力行き詰まり!

ポルシェ992GT3RS、このバカリヤウイング見たら、空力的にダメなんだろうとすぐわかる。

空力は、設定速度に於ける前後バランスだ。つまり、その速度に於いて、フロントを抑え過ぎるために、RRなのに、エンジンも駆動輪もミッションも後ろにあるのに、リヤが軽くなるのだろう。ソレだけ、設定速度が高くなったのだろうが、相変わらず空力コンセプトが変えられず、リヤウイングばかりがデカく高く取り付けられたのだ。

このバカデカリヤウイング見て、あの末期のF1マクラーレン(第2期)ホンダを思い出した。ホンダエンジンを得て、マクラーレン開発陣が甘やかされ、レイトンハウスやベネトンやウィリアムズに比べ空力開発が怠惰になった。

空力は先述の通り、設定最高速度に於ける前後バランスを取る形で作られている。フロントの空力を上手く抜く/フロント周りの空気を上手く流す或はキャビンを小さくするなりリヤにキレイに空気を流すコトがデキれば、バカデカリヤウイングでリヤを抑える必要はなくなる。そうした研究がされていないのだろう。

スピードはエンジン任せ、空力はリヤウイング任せ、ホントにあの頃のN・オートレーのマクラーレンF1みたいだ。

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ポルシェ911 詳細データテスト 精密さ極まるシャシー レースカー並みの空力 積載能力はほぼ皆無
12/2(土) 20:25 Yahoo!ニュース
  
はじめに
 
テスト車:ポルシェ911GT3 RS
2020年半ば、バカでかいリアウイングをつけた911の試作車を捉えた写真が出回った。当時われわれは、これが新型GT3 RSのプロトタイプなのか、はたまたレースカーのテストベッドなのか、判断しかねたものだ。いや、むしろレースカーなのではないかと思ったというのが正直なところである。それほど、ウイングが巨大だったのだ。

【写真】写真で見るポルシェ911とライバル (15枚)

ところが、フタを開けてみればそれはナンバー付き車両のプロトタイプで、できあがったのは992世代のGT3 RSだった。市販911としては、もっとも挑戦的なモデルである。ヴァイザッハの慣習どおり、これはGT3の進化系だ。

すでに能力が高く、先進的で、とてつもなく速いベース車に、RS化で目に見えて改良できるほどの余地があるのか、そういう疑問を持つひとは少なくないはず。そこでポルシェが選んだアプローチは、パワーアップや軽量化ではなかった。ダウンフォースの大幅な増強を求めたのである。

その値は、じつにGT3の3倍で、GTEクラスのレースカーである911RSRを、最高峰のル・マン仕様に仕上げた際と同等だという。前後ともアクティブエアロを採用し、サスペンションのウィッシュボーンの形状まで空力設計されたのは、いかなGT3 RSとはいえ初の試みだ。ついでに言えば、コクピットからダンパーとデフを調整できるのもはじめてだ。

間違いなく、新型GT3 RSはサーキット向け911を再定義するクルマだ。データを見る限り、なかなかに魅力的なマシンだといえる。また、その斬新なルックスは、歴代GT3 RSを乗り継いできたオーナーでさえ予想できなかったであろうほどワイルドだ。

しかし、やりすぎではないか、という疑念があるのもまた事実だ。極限のラップタイムを得るため、ほかのすべてを犠牲にしたのではないだろうか。それとも、アンドレアス・プロイニンガー率いるGTモデル開発チームは、前例がないほどサーキット志向でありながら、正真正銘の911らしい守備範囲の広さや使い勝手も兼備したクルマを完成させているのか。その辺りを確かめてみたい。

意匠と技術 ★★★★★★★★★☆
 
RSとはいえ、これまでは実用に堪えるフロントトランクがあった。しかし今回、そのスペースは新型のセンター置きシングルラジエーターに占領された。
992世代のGT3 RSはイノベーション満載だが、GT3より重いRSというのはこれがはじめてだ。ヴァイザッハパッケージを装着したテスト車は、スペック表の上ではGT3より15kg重い。しかし実測では、カーボンバケットシートとセラミックブレーキを備えるGT3のクラブスポーツパッケージを45kg上回った。

ワイドボディに拡大されたトレッドとホイール、アクティブエアロの電動アクチュエーターを上乗せしたことを考えれば、その差はさほど大きくない。それでも、重くなっているのは厳然たる事実だ。

とはいえ、ボディの重量増は可能な限り抑えられていて、その理由はカーボンFRPを広範囲に使用したことにある。もともとGT3はカーボンボンネットを備えているが、RSではドアやフロントフェンダー、ルーフ、エンジンカバーもカーボンで、ヴァイザッハパッケージではリアアクスルにもカーボンパーツを使用している。

パワートレインは強化されている。自然吸気の4.0Lフラット6は、よりホットな設定のカムにより510psから525psへパワーアップ。また、専用スロットルボディを採用し、最高回転数は9000rpmに達する。

トランスミッションは7速DCTのみで、GT3に設定されるMTは用意されない。これは、RSがパフォーマンスの追求を徹底するモデルだからだ。

サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンク。延長されてドロップシェイプを描くフロントのリンクは、空力性能を最適化され、ダウンフォースを40kg増加している。全体で見ると、最高速度ではマクラーレン・セナを凌ぐ860kg、200km/hでは409kgを発生する。リアのカーボンスタビライザーは、GT3よりガッチリしたものとなる。

空力パッケージは、1500回以上のシミュレーションと、250時間に及ぶ風洞実験の結果だ。その礎になっているのは、数十年にわたりトップカテゴリーのモータースポーツで蓄積してきた、レース用911でのダウンフォース獲得の知見だ。コンセプトの中心にあるのは、車体前部のSダクトだ。

ラジエーターは小型の3基の代わりに、傾斜した単体ユニットを装備。それが通常なら荷室として使うフロントのスペースを占領する、レースカーの911RSRやGT3 Rにも見られるレイアウトとなった。

これにより、ヴェンチュリトンネル内のアクティブエアロブレードを設けるスペースが稼ぎ出せた。たった0.3秒で最大80度可変するそれは、フロントアクスルの荷重を劇的に変化させるうえ、ブレーキ冷却も最適化する。リアディフューザーはほぼGT3そのままだが、RSは床下全面にパネルが張られる。

予期せぬ挙動が出た際には、ドライバーは電子制御ダンパーを伸び/縮み両側ともコクピットで調整できる。LSDの効き加減も同様だ。

内装 ★★★★★★★★☆☆
 
メーターパネルは中央にアナログの回転計を配し、左右はディスプレイ。いつもの5眼レイアウトを再現できるほか、サーキット用のシンプルな表示も可能だ。
GT3 RSに乗り込むと、驚きを鎮め、その場になじむまでに少し時間を要する。着座位置は低く、劇的なマシンに埋め込まれたよう。シルエットレーサーのような雰囲気もどことなくあり、威圧的でありながらエキサイティングだ。

その雰囲気を強調するのが、前方の眺めで、フロントフェンダーのルーバーはほぼ視線の高さにある。振り返ってもまた、ロールケージと巨大なウイングが圧倒的だ。なにしろ、そびえ立つエンドプレートは、リアウインドウではなく、サイドウインドウ越しに見えるのだ。たしかに911なのだが、これまでにあまり経験したことのない眺めだ。

目の前には、GT3のものをベースにした360mmのステアリングホイールだ。ダイヤル式コントローラーは、サスペンションとドライブライン、シャシーの電子制御系を調整するためのものだ。その向こうには、10000rpmまで記されたアナログ回転計と、その脇を固めるディスプレイがのぞく。あらゆる情報を表示することができるが、サーキット走行時などには必要最低限まで減らすことも可能だ。向かって左側には、GTモデルに与えられる、古いMTのシフトレバーに似たPDKのセレクターレバーが備わる。

ディテールは、RSになってもGT3と変わらない。アルカンターラのようなレーステックスがふんだんに使われるが、ダッシュボードとステアリングリムはスムースレザーに換えることもできる。もっとも目新しいアイテムは、ヴァイザッハパッケージに含まれる。金線細工のような織り目を持つカーボンのドアハンドルはいかにも軽そうな雰囲気で、握るとその印象が増す。カーボン仕上げのロールケージは、機能部品とは思えない美しさだ。望めば6点ハーネスも装備でき、ヘッドレストに刺繍も入れることができる。

キャビンは、高級感とレース向けのスポーティさがうまく共存している感じだが、収納スペースは中央の小さな小物入れとネット式のドアポケットくらいしかない。フロントトランクがない市販911は、これがはじめてだ。

走り ★★★★★★★★★★
 
直線加速はライバルに及ばないが、GT3 RSはそれだけで実力を測れるクルマではない。
ストレートでのパフォーマンスは、ほぼGT3と変わらない。パワーデリバリーはすばらしくリニアで、スロットルレスポンスはきわめてシャープ。エンジン回転が7000rpm近くなると、乗員は独自のインテークが生む吸気音の絶叫に包まれる。その後も、ヘッドルーム越しに事態はエスカレートしていく。9000rpmでは、金属音の絶唱が、握りしめた拳で殴りつけるように襲いかかってくる。GT3 RSを全開にするのは、忘れられない体験だ。

いい意味で忘れられない。トルクは6300rpmで47.4kg-m、パワーはGT3より100rpm高い8500rpmで525psのピークに達するエンジンは、回さないといけないが、ややショート化されたファイナル比はRSにフィットしている。走りを楽しめる道では、169km/hに届く3速がやや走りの足枷になるが、サーキットでは問題ない。やはり本領を発揮するのはクローズドコースだ。

GTモデル向けのPDKは、いつものように素早く変速し、後輪への駆動力伝達を途切れさせない。回転合わせの正確さも申し分ない。ヴァイザッハパッケージのシフトパドルはマグネシウムで、911GT3カップカーに由来する新開発の磁性式ハプティックエレメントを備える。動きは身の詰まった反発があるが、無駄がなく、自然と力強くパドル操作をすることになる。まさにモータースポーツを感じさせる。

満タンでの実測重量が1476kgのGT3 RSは爆発的に速い。加速性能は0-97km/hが3.2秒、0-161km/hが7.1秒。よりパワフルなフェラーリランボルギーニマクラーレンの競合モデルほどではないが、最新RSモデルの見せ場は直線の速さではない。最高速度は296km/hと、GT3より23km/h低いが、これはダウンフォースを重視した結果だ。

どんな場合でも、ポルシェには速度を殺す秘密兵器が備わっている。とくに、ダウンフォースが効きはじめる80km/h以上からのブレーキ性能は並外れたものだ。寒いドライコンディションでは、113km/hからの完全制動に38.8mしかかからない。これはもっと軽く、妥協なく、空力性能は同じように追求した、ダラーラ・ストラダーレやマクラーレン・セナと同等だ。

公道上ではそれほど必要ではないが、サーキットでは効いてくる。強めのブレーキを残しながらコーナーへ突入した際に、スタビリティを維持する能力には驚かされる。

使い勝手 ★★★★★★★★☆☆
 
インフォテインメントシステムは標準装備。各部のデバイスと密接に関わりすぎていて取り外せなかったようだが、レスにしても削減できる重量は高が知れている。
■インフォテインメント
この新型は、PCMシステム非装着者が選べないはじめてのGT3 RSだ。これまでは軽量化のためにこの手の装備を外すのが慣例的だったが、実際のところ重量削減への貢献度は絶大というほどではなく、軽量化をしていると主張する目的のほうが大きいというのが事実だ。

992世代のインフォテインメントシステムについて言えば、取り外すにはあまりにも機能全般と根深く連携しすぎているという事情もある。そのため標準装備となったわけだが、システムの出来はいい。10.9インチのタッチ画面はダッシュボードにすっきり収まり、Apple CarPlayAndroid Autoも使用できる。

センターの収納スペース内には、USBポートも設置される。GT3と大きく異なるのは、ステアリングスイッチの音声コマンドボタンが、DRS作動スイッチに置き換えられていること。われわれとしては、これは歓迎したい。

8スピーカー・150Wのオーディオは並の出来だが、ひどいロードノイズに負けがちだ。望むなら、1152ポンド(約22万円)で570Wのボーズに交換することはできる。


■燈火類
テスト車にはダイナミックライトシステムが装備されていた。自動調整式のマトリックス機能はないが、ビームはすばらしくクリアで明るい。


■ステアリングとペダル
ステアリングコラムのテレスコピック幅はもう少しほしいが、その他のドライビングポジションはエクセレント。ブレーキペダルは、ちょっと左足操作寄りのポジションだ。

操舵/安定性 ★★★★★★★★★☆
 
コーナリングはみごとなほど巧みで、ボディコントロールはセンセーショナル。フロントのキャンバーはGT3よりも増していて、当たりがキツいこともあるが、乗り心地は許容範囲内だ。
GT3 RSのフロントトレッドは、GT3より29mmワイドだ。そのため、曲がりくねったB級道路は、あまり適したコースではない。タイヤの接地面は、GT3ばかりか、先代GT2 RSよりも大きい。アジャスト性を十分に引き出すには、よりハードなドライビングが求められる。

もっとも気になるのは、GT3より50%高められたスプリングレートだ。それでもRSが、公道で走りやすいのかどうかは知りたいところだ。

そこは特筆するに値する。その気になるに違いない。ちょっと場違いな印象は拭えないが、無理にノーマルやスポーツといったモードを使わず、ダンパーをソフトにできるトラックモードのまま走ったら、GT3よりサイドウォールが厚いRSは、しなやかで手際よく、より高級志向の911ターボよりも許容できる。

際立っていたのはふたつ。まず、ボディシェルは並外れて強固に感じる。これまで、ミリ単位でここまで正確にホイールコントロールされているような感覚の911はなかった。

次が一点の曇りもないステアリングのレスポンス。RSのステアリングラックは、GT3のそれより振れやすいが、正確さと俊敏な感じはまた別の話で、ボディ幅を打ち消してくれる。

それらがもたらす究極の精密さこそが、GT3 RSのエッセンスだ。当然、冷えて湿った路面では苦戦するだろうし、スロットルの懸命な使い方が求められるが、サーキットスペシャルで適さないコンディションを走れば、トゲトゲしくもなるものだ。

適したコンディションであれば、GT3 RSはバランスがよく、なめらかで、選んだ走行ラインを外さない。GT3ほどは振り回せないが、いったんクルマとドライバーが噛み合えば、公道であっても、リアウイングの仕事ぶりが感じ取れるだろう。斬新であり、ちょっとした魔法のようだ。

快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆
 
RSとなれば、GT3以上にガチガチの乗り心地を想像するだろうが、設定次第では公道を走るのも許容できるくらいにはなる。
公道上でのノイズレベルはGT3とほぼ同等だが、GT4 RSよりはわずかに静かだ。騒々しくて閉塞感のあるキャビンだが、凶悪というほどではなく、この手のクルマとしては長距離でひどく疲れるものではない。

サーキットスピードとなると、3速全開での室内騒音は98dBAに達する。これはGT3と同等で、耳をつんざくようなGT4 RSの109dBAよりはマシ。あれは、われわれがロードカーで計測した固定ルーフ車の中で、もっともうるさいクルマだった。ただし、ヘルメットを着けると耐え難い反響音が発生するので、耳栓はあったほうがいい。

快適性という点では、客観的に見てもエルゴノミクスに非の打ちどころがない。長距離を走っても、テスター陣からカーボンシェルのバケットシートへの不満は出なかった。ヴァイザッハパッケージの厳重なロールケージを装備していながら、視認性も上々だ。

乗り心地は、より興味深い問題だ。すでにGT3は、公道走行可能な911としては許容範囲の限界にあるが、おそらくRSはそれよりひどいと予想するだろう。ところが、調整のきくトラックモードを選び、ダンパーを伸び側も縮み側ももっとも緩い-4に設定すると、路面にうまく追従し、厄介な路面も驚くほどいなしてくれる。もっとも、高級サルーンのように乗り心地がいいなどとは、間違っても言わないが。

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
 
ダンパーは、ドライバーズシートに座ったまま減衰力を調整できる電動アジャスト式となった。
英国ポルシェの中古車在庫リストにおいて、現時点でもっとも安いGT3 RSは34万9950ポンド(約6544万円)となっている。ヴァイザッハパッケージすら付いていない仕様でだ。新車価格は19万2600ポンド(約3602万円)なのだから、このクルマの希少性と需要の大きさがうかがいしれるだろう。

となれば間違いなく、今後の取引価格の推移は想像を絶するほど高いものになるはずだ。新車オーダーできなかったなら、とんでもないプレミアム価格の中古車を探すしかない。低走行の先代GT3 RSが17万5000ポンド(約3273万円)と言われても、安く感じてしまう。感覚が麻痺しそうだ。

新車保証は4年で、サーキット走行車も問答無用で保証外にされることはない。整備費用は、この手のクルマのわりには常識的だが、ブレーキは値がかさむ。ディスクとパッドを交換すると、1万8000ポンド(約337万円)+工賃の請求書を渡される。

燃費は、定速巡航で9.4km/L。ドラッグの少ないGT3の10.3km/Lより悪化するのはやむをえないところだ。サーキットでは2.9km/Lで、満タンで走れる距離は183kmという計算。英国内の平均的なサーキットなら、途中で給油することなくドライビングの快楽に耽っていられる時間は90分くらいということになるだろう。

レイアウト
 
自然吸気エンジンをリア縦置きする後輪駆動で、トランスミッションはDCT。満タンでの前後重量配分は、GT3と同じ37:63だった。
1964年以来のレイアウトで、相変わらずリアに縦置きされたフラット6は、後輪のみを駆動する。サスペンションは、フロントが空力設計を施したダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンクだ。

トランスミッションは、PDKことDCTのみの設定。満タンでの前後重量配分は、GT3と同じ37:63。ちなみに、先代は39:61だった。

エンジン
駆動方式:リア縦置き後輪駆動
形式:水平対向6気筒3996cc、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ102.0×81.5mm
圧縮比:13.3:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:525ps/8500rpm
最大トルク:47.4kg-m/6300rpm
エンジン許容回転数:9000rpm
馬力荷重比:362ps/t
トルク荷重比:32.8kg-m/t
エンジン比出力:132ps/L

ボディ/シャシー
全長:4572mm
ホイールベース:2457mm
オーバーハング(前):1042mm
オーバーハング(後):1073mm

全幅(ミラー含む):2020mm
全幅(両ドア開き):3790mm

全高:1322mm
全高(エンジンフード開き):1770mm
最低地上高:100mm

足元長さ(前席):最大1100mm
足元長さ(後席):-mm
座面~天井(前席):最大1030mm
座面~天井(後席):-mm

積載容量:-L

構造:スティール+アルミ、モノコック
車両重量:1450kg(公称値)/1476kg(実測値)
抗力係数:0.39
ホイール前/後:10.0Jx20/13.0Jx21
タイヤ前/後:275/35 R20 102Y/335/30 ZR21 109Y
グッドイヤー・イーグルF1スーパースポーツR
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット非積載)

変速機
形式:7速DCT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:3.75/8.7 
2速:2.38/15.3 
3速:1.72/18.8 
4速:1.34/24.1 
5速:1.11/29.1
6速:0.96/33.8 
7速:0.84/38.6

最終減速比:4.27:1

燃料消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:6.5km/L
ツーリング:9.4km/L
動力性能計測時:2.9km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):4.8km/L
中速(郊外):8.0km/L
高速(高速道路):8.7km/L
超高速:7.9km/L
混合:7.5km/L

燃料タンク容量:64L
現実的な航続距離:418km
CO2排出量:305g/km

サスペンション
前:ダブルウィッシュボーン/コイルスプリング、スタビライザー
後:マルチリンク/コイルスプリング、スタビライザー

ステアリング
形式:電動機械式、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.4回転
最小回転直径:10.5m

ブレーキ
前:408mm通気冷却式カーボンセラミックディスク
後:380mm通気冷却式カーボンセラミックディスク
制御装置:ABS
ハンドブレーキ:電動、センターコンソールにスイッチ設置

静粛性
アイドリング:57dBA
全開時(3速):98dBA
48km/h走行時:69dBA
80km/h走行時:74dBA
113km/h走行時:77dBA

安全装備
ABS/PSM/ESP/TC/HSA
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
歩行者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%

発進加速
テスト条件:乾燥路面/気温18℃
0-30マイル/時(48km/h):1.4秒
0-40(64):2.0秒
0-50(80):2.5秒
0-60(97):3.2秒
0-70(113):4.0秒
0-80(129):4.9秒
0-90(145):5.9秒
0-100(161):7.1秒
0-110(177):8.5秒
0-120(193):10.1秒
0-130(209):12.0秒
0-140(225):14.3秒
0-150(241):17.2秒
0-160(257):21.5秒
0-402m発進加速:11.5秒(到達速度:204.2km/h)
0-1000m発進加速:20.7秒(到達速度:257.3km/h)


■ライバルの発進加速
ライバルの発進加速
マクラーレン・セナ(2018年)
テスト条件:乾燥路面/気温20℃
0-30マイル/時(48km/h):1.7秒
0-40(64):2.1秒
0-50(80):2.6秒
0-60(97):3.1秒
0-70(113):3.6秒
0-80(129):4.2秒
0-90(145):4.8秒
0-100(161):5.5秒
0-110(177):6.2秒
0-120(193):7.1秒
0-130(209):8.1秒
0-140(225):9.3秒
0-150(241):10.8秒
0-160(257):12.5秒
0-402m発進加速:10.4秒(到達速度:238.5km/h)
0-1000m発進加速:18.4秒(到達速度:284.7km/h)

中間加速
20-40mph(32-64km/h):2.0秒(2速)/2.8秒(3速)/3.9秒(4速)/5.2秒(5速)

30-50(48-80):1.7秒(2速)/2.7秒(3速)/3.6秒(4速)/4.8秒(5速)/5.7秒(6速)/7.0秒(7速)

40-60(64-97):1.5秒(2速)/2.5秒(3速)/3.4秒(4速)/4.6秒(5速)/5.4秒(6速)/6.7秒(7速)

50-70(80-113):1.5秒(2速)/2.2秒(3速)/3.2秒(4速)/4.5秒(5速)/5.1秒(6速)/6.4秒(7速)

60-80(97-129):2.0秒(3速)/2.9秒(4速)/4.5秒(5速)/5.2秒(6速)/6.3秒(7速)

70-90(113-145):2.1秒(3速)/2.7秒(4速)/4.2秒(5速)/5.3秒(6速)/6.4秒(7速)

80-100(129-161):2.3秒(3速)/2.8秒(4速)/3.9秒(5速)/5.1秒(6速)/6.8秒(7速)

90-110(145-177):2.8秒(4速)/3.7秒(5速)/4.9秒(6速)/6.9秒(7速)

100-120(161-193):3.1秒(4速)/3.8秒(5速)/5.0秒(6速)/7.0秒(7速)

110-130(177-209):3.4秒(4速)/4.0秒(5速)/5.3秒(6速)/7.3秒(7速)

120-140(193-225):4.6秒(5速)/5.0秒(6速)

130-150(209-241):5.4秒(5速)

制動距離
テスト条件:乾燥路面/気温18℃
30-0マイル/時(48km/h):7.8m
50-0マイル/時(64km/h):20.9m
70-0マイル/時(80km/h):38.8m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.41秒


■ライバルの制動距離
マクラーレン・セナ(2018年)
テスト条件:乾燥路面/気温20℃
00-0マイル/時(48km/h):7.5m
50-0マイル/時(64km/h):20.2m
70-0マイル/時(80km/h):37.4m

各ギアの最高速
1速:77.2km/h(9000rpm)
2速:122.3km/h(9000rpm)
3速:169.0km/h(9000rpm)
4速:217.3km/h(9000rpm)
5速:262.3km/h(9000rpm)
6速:296.1km/h(8771rpm)
7速:(公称値):296.1km/h(7675rpm)

7速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):2920rpm/3337rpm

結論 ★★★★★★★★★☆
 
結論:ハードコアな911の基準に照らしても難解。しかし、シンプルに偉業だと言える。
GT3の完成度や妥協のなさを見るたび、これ以上のモデルを作る余地はないと思えるが、ポルシェはその余地を作り出してみせた。GT3 RSは、主に空力の点で、本気のモータースポーツの領域に足を踏み入れた。

ここまでやったロードリーガルな911はこれまでなく、レースカー並みのダウンフォースを見せる上、高速域での精密さや、サーキットでの抜きん出た一体感を味わわせてくれる。そこにみごとなパワートレインも加わって、偉大な911となった。これまでなかったほど、気分をアゲてくれる。サーキット志向のクルマとしては、満点をつけてもいい。

しかしながら、疑問がふたつある。まずはラゲッジスペースなしで日常使いができるか。ロードカーとしての走りが悪くないだけに、モータースポーツスタイルのラジエーターとロールケージが積載性を絶望的なものにしているのは残念だ。

もうひとつは、ここまで限界を高めたRSが、公道でGT3より楽しいのか。好みによるとは思うが、懸念材料なのは間違いない。


■担当テスターのアドバイス
◆リチャード・レーン
カム変更がもたらしたのは、パワーアップだけではない。トルクカーブを見ると、ピークは下がっているが、中高回転域でのパンチは増している。エキサイティングなコーナーには理想的だ。

マット・ソーンダース
ロールケージなしのヴァイザッはパッケージもオーダー可能だ。金額が4000ポンド(約75万円)下がるうえに、シートの背後のスペースが荷室として使えるようになる。それを選ぶ気になるかどうか、確信は持てないが。


■オプション追加のアドバイス
決断するべきはふたつ。ボディカラーの選択と、ヴァイザッハパッケージの有無だ。後者は、われわれとしては装備したい。リセールが有利になり、追加アイテムには気に入るものもある。ボディカラーは目立つ色がいい。ゼロか100か、992のRSはそんなクルマだ。


■改善してほしいポイント
BMW MのMボタンのような、好みのセッティングを呼び出せるショートカットがほしい。
・エグゾーストのチューンは今後も続けて、GPFがなかった頃のような野獣を思わせる叫びを取り戻してもらいたい。
・エアコンも助手席もない本気仕様を用意してほしい。
・GT2 RSもぜひ復活を。
執筆 AUTOCAR JAPAN編集部

 記事に関する報告

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