ポルシェ992GT3、バランスの高いクルマ。

ポルシェ992GT3、GT3に限らず、911の多用途性や高機能性は最高だ。走る止まる曲がるをこれだけ高次元で達成していながら、2+2のクルマなのだ。

個人的にクルマのデータを見る時、駆動方式、車重、馬力&トルク、サイズと見て、パワーウエイトレシオとトルクウエイトレシオを考える。

別に、サーキットのラップタイムはドコまでイクオールコンディションか、わからない。特に、ドライバーの技量や指向により、ポテンシャルをフルに発揮してない可能性が高い。

フツ~にパワーウエイトレシオやトルクウエイトレシオで上回るクルマは、劣るクルマより遅いハズはない。このデータで考えると、フェラーリにサーキットタイム最速を忖度したのだろう。最高速劣る分、アリエルらはよりブレーキングを奥にできないといけない。もちろん、立ち上りアクセリングはシビアになるが、同じドライビングするドライバーが乗ってタイム比較すれば、パワーウエイトレシオやトルクウエイトレシオの通りになるハズ。最高速度で80キロ遅くても、サーキットならそのステージは少ない。絶対車重で1/3のクルマはどのコーナーでもフェラーリより速くないとおかしいし、奥でブレーキングできる。逆に、アリエルが4秒速くないとおかしい。

以前、ニッサンGT-Rとランボルギーニガヤルドスーパーレジェーラとポルシェ991GT2RSをサーキットタイム比較したが、GT-R、ガヤルド、GT2の順だった。単に、ドライバーがフル走行してないにしても、軽さやパワー&トルク特性を把握して活かすドライビングをシビアにやれば、タイム関係はキチンと出るハズ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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2021年の頂点が決定 ポルシェ911 GT3 明らかな独走状態 BBDC 2021(6)
1/3(月) 5:45 Yahoo!ニュース

ステアリングを握った瞬間に見えていた
 
ポルシェ911 GT3(992型/英国仕様)
2021年のベスト11台から、決勝として3台へ絞られ、ベスト・オブ・ベストのドライバーズカーが決まる。結局、異論は出なかった。初日の午前中、何台かの後にステアリングホイールを握った瞬間から、明らかに独走状態だった。

ポルシェ911 GT3を既に運転したことのある審査委員は、荒れた路面を見事に処理する足まわりへ、一様に驚いていた。快適とはいえないにしろ、隆起やうねりのある路面をしなやかに処理してくれた。

ステアリングの感触も秀逸。正確で明瞭なフィードバックが常に伝わってくる。

かつてのポルシェ911より、992型GT3のボディは大きい。それでも従来以上に俊敏で、狭い一般道を狙った通りに導くことができた。ランボルギーニ・ウラカンSTOや、フェラーリSF90 ストラダーレの手を焼くような印象とは、まったく異なる。

エンジンもイベントの1つ。感銘を生むのは、最高出力の大きさだけではない。パワーを生み出す過程にもある。サーキットを走らせれば、過去最もバランスに優れたポルシェ911を活かし切ることを許してくれる。ひたすらに、素晴らしい。

ポルシェ911 GT3は、ベストラインを正確になぞるスタイルも、悪ふざけでテールを振り回して走るスタイルも、どちらも得意。むしろ、率先して受け入れてくれるようにすら感じる。

2021年の英国ベスト・ドライバーズカーは、992型ポルシェ911 GT3だ。珍しく悩むことなく、2021年最高の1台が決まった。正直なところ、審査員がこのステアリングホイールを握った瞬間に、BBDCの答えは見えていたようにすら思う。

番外編:ラップタイムで見るノミネート車両
 
英国ベスト・ドライバーズカー(BBDC)選手権を開催した英国アングルシー・サーキット
1t当たりの馬力を示すパワーウエイトレシオで最大のアドバンテージを持ち、ミシュランパイロットスポーツ・カップ2Rという高性能タイヤを履いた、フェラーリSF90 ストラダーレ。アングルシー・サーキットを、11台で最も速く周回した。

2番手のラップタイムを刻んだアリエル・アトム4に4秒以上の差を付け、フェラーリとしての面目躍如を成し遂げた。1分11秒1という記録は、過去のBBDC選手権でもファステスト・タイムになる。

変速のタイミングを図る必要もなかった。ロケット・コーナーでは、ブレーキング直前に16km/hほどの速度差を生み、ほぼすべてのセクションで最速。バスストップ・コーナーで、僅かにポルシェ911 GT3に及ばなかった程度だ。

ラップタイム2番手はアリエル・アトム4とポルシェ911 GT3で肉薄。下り坂のコークスクリュー・コーナーのブレーキングでは、アトム4のフロントタイヤがロックしやすい傾向があり、少し足を引っ張ったようだ。

結果的に最高速度では911 GT3の方が上ながら、ラップタイムではアトム4の方が勝っている。他の10台は5周から8周でベストタイムへ迫れたが、アトム4は周回を重ねるほどタイムが短くなる傾向もあった。もっと走っていれば、さらに縮められたかもしれない。

SF90が披露したコーナリング性能の高さ
 
フェラーリSF90 ストラダーレ・アセット・フィオラーノとポルシェ911 GT3
フェラーリとは異なり、ランボルギーニ・ウラカン STOはメカニックやサーキット用タイヤがメーカーから手配されることがなく、ラップタイム測定を辞退。もし計測が許されていれば、上位に食い込んだことは間違いないだろう。

一方で不順な英国ならではの天候が災いし、デビッド・ブラウン・ミニ・リマスタード・オセリ・エディションとプジョー508 PSEが走った時間帯は、路面がウエットに。本来より若干タイムが落ちている。

ケータハム・セブン 170Rは、チャーチ・コーナーで4番目に速いコーナリングスピードを出している。アナログなデビッド・ブラウン・ミニ・リマスタードは、電子制御の508 PSEより、多くのコーナリングスピードで勝っている点は興味深い。

2021年においても、軽さはコーナリングで有利なことを示してはいる。だがラップタイムの上では、それが唯一の方法ではないことを、フェラーリSF90 ストラダーレは証明した。

それでは最後に、11台のスペックを獲得得点順に、ラップタイムとともにご紹介させていただきたい。

--全6編に渡るBBDC選手権を最後までお読みいただき、ありがとうございました。2022年も、AUTOCARをご愛読いただければ幸いです。

ノミネート車両のスペックと獲得得点 上位5台
 
英国ベスト・ドライバーズカー(BBDC)選手権 審査の様子
ポルシェ911 GT3(992型/英国仕様):188点

英国価格:12万7955ポンド(約1970万円)
全長:4519mm(標準911
全幅:1852mm(標準911
全高:1298mm(標準911
最高速度:318km/h
0-100km/h加速:3.4秒
燃費:7.7km/L
CO2排出量:293g/km
車両重量:1435kg
パワートレイン:水平対向6気筒3996cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:510ps/8400rpm
最大トルク:47.8kg-m/6100rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック
パワーウエイトレシオ:356ps/t
ラップタイム:1分15秒0

アリエル・アトム 4(英国仕様):178点

英国価格:4万2950ポンド(約661万円)
全長:3520mm
全幅:1880mm
全高:1122mm
最高速度:260km/h
0-100km/h加速:2.8秒
燃費:-
CO2排出量:-
車両重量:595kg
パワートレイン:直列4気筒1996ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:355ps/6500rpm
最大トルク:48.3kg-m/3000rpm
ギアボックス:6速マニュアル
パワーウエイトレシオ:596ps/t
ラップタイム:1分14秒8

フェラーリSF90 ストラダーレ・アセット・フィオラーノ(英国仕様):165点

英国価格:41万3780ポンド(約6413万円)
全長:4710mm
全幅:1972mm
全高:1186mm
最高速度:339km/h
0-100km/h加速:2.5秒
燃費:7.7km/L
CO2排出量:154g/km
車両重量:1570kg
パワートレイン:V型8気筒3990ccツイン・ターボチャージャー+トリプル電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:1001ps/7500rpm(システム総合)
最大トルク:81.4kg-m(システム総合)
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック
パワーウエイトレシオ:638ps/t
ラップタイム:1分11秒1

■アルファ・ロメオ・ジュリア GTAm(欧州仕様):161点

英国価格:15万6000ポンド(約2402万円)
全長:4669mm
全幅:1923mm
全高:1397mm
最高速度:307km/h
0-100km/h加速:3.6秒
燃費:9.3km/L
CO2排出量:244g/km
車両重量:1580kg
パワートレイン:V型6気筒2981ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:540ps/6500rpm
最大トルク:61.1kg-m/2500rpm
ギアボックス:8速オートマティック
パワーウエイトレシオ:341ps/t
ラップタイム:1分18秒0

ヒュンダイi20 N(英国仕様):155点

英国価格:2万4995ポンド(約384万円)
全長:4040mm(標準i20)
全幅:1750mm(標準i20)
全高:1450mm(標準i20)
最高速度:228km/h
0-100km/h加速:6.7秒
燃費:-
CO2排出量:-
車両重量:1190kg
パワートレイン:直列4気筒1598ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:203ps/5500-6000rpm
最大トルク:28.0kg-m/2000-4000rpm
ギアボックス:6速マニュアル
パワーウエイトレシオ:171ps/t
ラップタイム:1分22秒7

ノミネート車両のスペックと獲得得点 続く6台
 
英国ベスト・ドライバーズカー(BBDC)選手権 審査の様子
ランボルギーニ・ウラカン STO(英国仕様):153点

英国価格:26万12ポンド(約4004万円)
全長:4549mm
全幅:1945mm
全高:1220mm
最高速度:310km/h
0-100km/h加速:3.0秒
燃費:6.0km/L
CO2排出量:331g/km
乾燥重量:1339kg
パワートレイン:V型10気筒5204cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:640ps/8000rpm
最大トルク:57.4kg-m/6500rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック
パワーウエイトレシオ:477ps/t
ラップタイム:-


■アストン マーティン・ヴァンテージ F1エディション(英国仕様):151点

英国価格:14万2000ポンド(約2186万円)
全長:4465mm(標準ヴァンテージ)
全幅:1942mm(標準ヴァンテージ)
全高:1273mm(標準ヴァンテージ)
最高速度:313km/h
0-100km/h加速:3.5秒
燃費:8.6km/L
CO2排出量:264g/km
感想重量:1570kg
パワートレイン:V型8気筒3982ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:535ps/6000rpm
最大トルク:69.6kg-m/2000-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック
パワーウエイトレシオ:340ps/t
ラップタイム:1分18秒7


BMW M3 コンペティション(英国仕様):149点

英国価格:7万4250ポンド(約1143万円)
全長:4794mm
全幅:1903mm
全高:1433mm
最高速度:289km/h(Mドライバーズ・パッケージ装着時)
0-100km/h加速:4.2秒
燃費:9.5km/L
CO2排出量:236g/km
車両重量:1730kg
パワートレイン:直列6気筒2996ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:510ps/5600-7200rpm
最大トルク:66.1kg-m/2750-5500rpm
ギアボックス:8速オートマティック
パワーウエイトレシオ:295ps/t
ラップタイム:1分18秒6

ケータハム・セブン 170R(英国仕様):145点

英国価格:2万3990ポンド(約369万円/キット)
全長:3100mm
全幅:1470mm
全高:1090mm
最高速度:168km/h
0-100km/h加速:6.9秒
燃費:20.7km/L
CO2排出量:109g/km
車両重量:440kg
パワートレイン:直列3気筒660ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:85ps/6500rpm
最大トルク:11.8kg-m/4000-4500rpm
ギアボックス:5速マニュアル
パワーウエイトレシオ:193ps/t
ラップタイム:1分26秒0

プジョー508 PSE ファストバック(英国仕様):115点

英国価格:5万3995ポンド(約831万円)
全長:4750mm(標準508)
全幅:1859mm(標準508)
全高:1403mm(標準508)
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:5.2秒
燃費:49.2km/L
CO2排出量:45g/km
車両重量:1850kg
パワートレイン:直列4気筒1598ccターボチャージャー+ツインACモーター
使用燃料:ガソリン
バッテリー:11.5kWhリチウムイオン
最高出力:360ps(システム総合)
最大トルク:52.9kg-m/3000rpm(システム総合)
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック
パワーウエイトレシオ:194ps/t
ラップタイム:1分27秒1

■デビッド・ブラウン・ミニ・リマスタード・オセリ・エディション(英国仕様):80点

価格:9万8000ポンド(約1509万円)
全長:3050mm
全幅:1470mm
全高:1330mm
最高速度:161km/h
0-100km/h加速:7.8秒
燃費:-
CO2排出量:-
車両重量:780kg
パワートレイン:直列4気筒1450cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:126ps/6200rpm
最大トルク:15.5kg-m/4500rpm
ギアボックス:5速マニュアル
パワーウエイトレシオ:162ps/t
ラップタイム:1分35秒0
執筆 AUTOCAR JAPAN編集部

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