フェラーリは、先駆者ではない。あくまで、レース活動でバトルプルーフされた技術を、市販車に反映するスタイルのメーカーなのだ。
DOHCのV12を市場に投入したのも、ランボルギーニに遅れを取ったハズ。それも、エンツオに斬られたピッザリーニらが、ランボルギーニに移ってなし得たハズ。
ランボルギーニが横置ミドシップV12のミウラを出す時、まだフェラーリはFRのデイトナを出すトコだった。フェラーリの市販ミドシップは、ディノ系308系の後にBB系なので、カウンタックより遅くなってた。だから、ランボルギーニが300キロを謳うと、フェラーリは302キロを謳った。クルマを2台並べて見たら、エンジンパワーや全高など見比べたら、フェラーリが速いと信じる者はいたろうか?
車体的にも、フェラーリのBB~512Mまで、構成的にはミウラ的な造りだった。カウンタックは前から後ろまで鋼管フレーム、重心は高くなっても剛性も高かった。
フェラーリはF40以後のスペチアーレやV8ミドシップ系のバージョンアップにおいて、エンジンパワーアップに対する量産車車体の限界を見通したのだと思う。スペチアーレならカーボンでも何でも使って、価格転化すれば良いが、市販フェラーリはコストも生産性も必要になる。フレーム構造ならいざ知らず、モノコック構造やるなら、剛性負担の観点ではFRの方が有利だ。ランボルギーニは、V10もV12モデルもミドシップながら4WDにしてる。今時のバカなパワー競争において、路面に伝えるための答えなのだ。
それは、絶対解かと言うと、そうではないと思う。速く安全でコントロール性に優れた2座以上のクルマは、グループ4やグループ6系のクルマに見るコトができる。1980年代のGCカーですら、BMW2リッターNAで直4の300馬力でカーボンモノコックでもないのに600キロの車体だった。今の技術なら、どんなクルマができる?
フェラーリなら、V12への拘りが消せないかも知れないが、車体のノウハウは残っているように思う。
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FR回帰は「当然」の帰結だった! フェラーリのフラッグシップ「12気筒モデル」がミッドシップを捨てたワケ
6/16(水) 18:13 Yahoo!ニュース
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スーパーカーブームの頃のフェラーリはミッドシップだった
フェラーリとえいばミッドシップのイメージが強い人も多いだろう。しかし、じつはFRも得意としている。
フェラーリは、BB世代(365GT4BB、512BB、512BBi)、そしてテスタロッサ世代(テスタロッサ、512TR、F512M)の両世代で、ほぼ四半世紀にわたって12気筒ミッドシップモデルを生産し続けた。
【画像】「フェラーリ 550 マラネロ」のフロントスタイリング
そんな12気筒ミッドシップを見直し、再びシリーズモデルのトップを12気筒FRへと回帰したのは、1996年にデビューした、550マラネロでのことだった。
エンジンを車体の中央に置くミッドシップ方式の利点、そしてミッドシップという言葉そのものからイメージするスポーツ性を考えれば、次世代モデルも当然のことながらミッドシップと考えるのが妥当と考えられていた時代、このフェラーリの決断はさまざまな議論を呼んだ。
フェラーリが次世代12気筒モデルでミッドシップを諦めなければならなかった理由はいくつもあるが、そのなかでもっとも大きなものは、それまで使用してきた180度のバンク角を持つV型12気筒エンジンの旧態化、そしてその搭載方法があげられる。180度という特殊なバンク角のV型12気筒エンジンを搭載するには、ギヤボックスとミッションのユニット上に積み上げるほかはなく、別の搭載方法を考えた場合には、それに必要な開発費は莫大なものになってしまうのが直接の理由だった。
ここで新型のエンジンを開発すべきもなく、フェラーリはすでに2+2GTの456GT用に65度の5474cc V型12気筒エンジンをデビューさせたばかりだった。
その強化版エンジンを、やはりフロントミッドシップの手法を用いて、さらにギアボックスとデファレンシャルを一体化してリヤに配置。その間をプロペラシャフトとそのサポートを兼ねるチューブで結ぶという、トランスアクスル方式を用いることで、前後重量配分の最適化を図ろうという結論に達したのだった。
550マラネロに搭載された5474ccのエンジンは、456GT用のそれからさらに43馬力パワーアップされ485馬力を発揮するに至っている。このパワーをいかに効率的に路面へと伝達するのかに関しても、フェラーリは一切の妥協をしなかった。より高剛性なフレームと、フロントに上下Aアーム、リヤには上下H型のダブルウイッシュボーン・サスペンションを構成するとともに、2モードの減衰力コントロールを装備。さらに驚かされたのは、エンジンのフロントミッドシップ、そしてトランスアクスルの採用によって、前後50:50の重量配分を実演していたことだった。
フェラーリにとっておよそ四半世紀ぶりのFRへの回帰は、けして技術的な後退などではなく、正常進化、それも歴史的な節目となる進化にほかならなかったのである。
山崎元裕
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