エンツオ・フェラーリが亡くなり、後を引き継いだルカ・モンテゼモロにより、より商売的なクルマ作りに変わった。
テスタロッサ⇒512TR
348⇒F355
モンディアル(V8ミドシップ2+2)⇒456(V12FR2+2)
本来、456はデイトナの後を受けたモデルだったハズだが、近くに2+2モデルはモンディアルのみだったハズ。
F50(F40以来のスペチアーレ)F40がV8ツインターボだったのに対して、F50はV12エンジン。このクルマが実質的に最後のミドシップV12フェラーリになったように思う。
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なぜ、フェラーリF50が人気を集めているのか? 新記録の5.5億円で落札
3/23(水) 11:25 Yahoo!ニュース
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349台限定 F50はどんなクルマ
フェラーリのスペチアーレの中でも高騰が続く「F50」。とうとう5億円の大台を超えた。
撮影:Kevin Van Campenhout/Artcurial Motorcars
フェラーリ社創立50周年を記念して1995年から349台限定で製作されたF50は、「公道を走るF1」を謳い、F1直系のテクノロジーと空力技術で構築された意欲作だった。
【写真】美しきデザイン フェラーリF50【じっくり見る】 (64枚)
エンジニアリング最優先の構成で、カーボン・モノコックにパワートレインを結合してシャシーの構造材とする、F1と同様の手法で最高の走りを追い求めていた。
そのためF50はドライバーにコントロールをすべて任せるという考えで、雑味となるパワーステアリング、ブレーキ・サーボ、ABSなどのアシストは、あえて省かれている。
快適装備はエアコンだけという割り切りぶりで、サイドウインドウの開閉も手動式だった。また、ルーフセクションを交換すればオープンのバルケッタ仕様にできた。
エンジンはF1マシンと同じテクノロジーで開発され、公道での使用を考慮して排気量は3.5Lから4.7Lに拡大され520hp(519.4ps)を発揮。カーボンを多用し車重は1230kgに抑えられていた。
フェラーリの頂点に位置するF50だけに、最高速度325km/h、0-100km/h加速3.87秒、0-1000m加速21.7秒と、当時のトップレベルといえる動力性能を備えていたのだ。
2013年から急騰 新車価格5000万円が……
フェラーリF50(1996)の内装。サイドウインドウの開閉は手動式で、快適装備はエアコンだけ。
F50日本導入時の販売価格は5000万円。
F40に比べて500万円アップし、現在人気のF355ベルリネッタは1535万円、F512Mは2320万円で新車が買えた時代である。
日本にはF50が34台正規輸入され、F40とは異なりボディカラーは5色から選べた。現在と違ってオプションは用意されていなかったため、定価=購入価格だった。
2000年ごろのオークションでの落札額は5000~6000万円程度で、次期モデルのエンツォ・フェラーリが出たあとや、リーマン・ショック後も価格は大きく変わらなかった。
節目となったのがオークション・バブル前夜の2013年1月だ。グッディング・スコッツデイル・オークションで137.5万ドル(約1億2375万円)と大台を超え、オークション・バブル期に突入する。
2015年8月になると2億4750万円、2017年1月には3億6053万円まで跳ね上がる。2020年にはエンツォを超える額で落札され、288GTOに続くポジションを確立した。
高騰の勢いは衰えることはなく、2021年5月に4億1121万円、8月には4億3615万円と上昇。今年2月には4億4672万円をマークし、最高落札額を更新している。
ついに5億円オーバーに
バルケッタ仕様にするために付いてきたオープン状態のルーフセクションも、純正のコンテナに収められた状態で車両に付属する。
このように右肩上がりで記録を塗り替えてきたF50が、3月18日に行われたアールキュリアル・レトロモビル・オークションに姿を見せた。
モナコのコレクターが所有していた個体で、ワンオーナーで走行は僅か1318kmという新車と変わらない状態を保つ。オープンのルーフセクションもコンテナごと付属する。
予想落札額は270~350万ユーロ(約3億5640万円~4億6200万円)だった。オークションは、新記録となる416.16万ユーロ(約5億4934万円)で落札。
これまでプレミアム・モデルの王座は288GTOで、2022年2月のオークションでの346万4375ユーロ(約4億5037万円)が最高記録だった。今回それを約1億円上回る額で落札され、F50が頂点の座に就いたのである。
ロシアのウクライナ侵攻や、原油の高騰、アメリカの利上げと経済面ではマイナス要因が強まるなか、予想以上となる5億円を超える超高額で落札されたことは驚きだ。
世界的な電動化への反動からか、フェラーリを象徴する自然吸気12気筒エンジンを積み、プレミアム・モデル最後のマニュアル車であるF50が注目され続けている。
かつて288GTOが2015年に3億円を超えた後に出品が増え2億半ばまで落ちてしまった。右肩上がりで来たF50だが、この後どのような値動きを見せるのか興味深い。
上野和秀(執筆)
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