阪神・矢野監督、コレで勝てずにどう勝つの?

このリードもらって勝てないって、プロか?去年までも、藤浪の登板試合は早目に継投に入り、試す系の継投をして、負けてもいい/追い付かれてもいい投手起用をして、藤浪に勝ちのつかない継投をして来た。しかし、いくら大量リードしたからと言って、開幕戦を繋ぐべき継投だったか?

岩崎とケラー、それぞれの良さもダメさも見えていたハズ。岩崎もケラーも、ストレート以外の武器はない投手。良くない場合の、代わりの投手を用意せずに、送り出して眺めていたら、そりゃあ~こうなるワ!

特に、ケラーのカーブを狙われて打たれていたのは、プロでも異状じゃないの?ストレートと違って、変化球はスピードやかかり具合が一様でないコトが多く、わかっていても打ち損じを呼ぶコトも多い。特にカーブなら、遅めのカーブや速めのカーブを組み合わせるコトも多い。ただ、クローザーでそういうカーブを使っていたのは、日本では横浜・斉藤明くらいでは?

ケラーにストレートとこのカーブしかないなら、他球団にも狙われるんじゃないの?クセを読まれていたのかも知れないし。

開幕戦でダメさ加減を暴露してしまった。

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なぜ阪神は“史上最悪”7点差を逆転されたのか…矢野監督の采配ミスと「カーブが通用しない」ケラーの“守護神失格”
3/26(土) 6:12 Yahoo!ニュース
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岩崎からケラーへとつなぐ新勝利の方程式が開幕戦から崩壊した(資料写真・黒田史夫)
阪神がヤクルトとの開幕戦(25日・京セラドーム大阪)で7点差をひっくり返されて8-10の痛恨の逆転負け。開幕戦での7点差以上の逆転負けは1982年に西武が日ハムとの開幕戦で味わって以来の屈辱となった。中継ぎ陣がリードを守ることができず、最後は8-7で9回に登板した守護神のカイル・ケラー(28)が山田哲人(29)に同点ソロ、さらにドミンゴサンタナ(29)に勝ち越しの2号2ランを許して大炎上。新勝利方程式で開幕戦をぶち壊し、昨季のセーブ王、ロベルト・スアレスが抜けたチームの弱点を開幕からさらけ出すことになった。

ケラーはすべてカーブを打たれる
 悪夢の始まりは8回だった。
 8-3で迎えたこの回から、矢野監督は、110球を投じていた藤浪に代えて齋藤をマウンドに送った。齋藤は一死から村上に四球を与え、サンタナに2ラン。8-5となり長岡にセンター前ヒットを打たれ、続くオスナを三振に打ち取ったところで岩崎にスイッチした。ストライクとボールがハッキリとし過ぎていた。だが、昨季41ホールドの岩崎が誤算だった。準備不足だったのか、最後のアウトひとつが取れない。濱田に逆方向へおっつけられ、プロ初安打となる内山、塩見に連続タイムリー。投球バランスも悪かった。ついに1点差に追い詰められたのである。
 一昨年まで7年間、阪神でコーチを務めた高代延博氏は、この回の継投が人選ミスだと指摘した。
「齋藤は制球難が課題。5点差があり今後への布石の意味も込めて起用したのだろうが、絶対に負けることのできない開幕ゲームでの人選としては疑問だ。またキャンプから出遅れていた岩崎はオープン戦からまだキレが出ていない。後手後手の継投になった」
 そして9回。3万5000人のファンで埋まった虎の準本拠地と言っていい京セラドーム大阪が悲鳴に包まれた。矢野監督がスアレスに代わる新守護神に指名したケラーが先頭の山田にカーブをレフトスタンドに運ばれ同点とされてしまったのだ。
 続く村上にもカーブをセンター前に弾き返され、そして無死一塁から前の打席でホームランを放っているサンタナである。またカーブだった。強烈な打球がまたもやバックスクリーンを直撃。バウンドしてボールが戻ってきた。勝ち越しの2ランである。
 ケラーの球種は基本的にストレートカーブの2種類しかない。日本対策にスライダ―を取得してきたそうだが、落ちるボールはない。オープン戦で2試合投げており、データはヤクルトに入っていたのだろう。昨季パイレーツでは、そのカーブの空振り率は34.7%もあったが、対応力に優れた日本の打者には通用しなかった。
高代氏は、こう分析した。
「山田の同点ホームランはカーブを狙ったわけではなくストレートを待っていて反応で打ったように見えた。サンタナの一発は前の2人の打席を見ていてカーブを狙ったのだろう。いわゆるハンガーカーブ。もっとも長打になりやすいボール。阪神には、かつてストレートとカーブだけで勝負して結果を残したピアース・ジョンソンというセットアッパーがいたが、彼のカーブと比べると、キレ、軌道、落差、腕の振りのすべてで劣る。特に長距離砲には、このカーブは危険なボール。では、他のボールがあるのかといえば、ストレートは150キロを超えてくるが、ウイニングショットまではいかず、落ちるボールもない。まだ来日したばかりで、これから調整が上がっていき、ストレートの威力もカーブのキレも増すのかもしれないが、現状は、クローザーとしては厳しいと判断せざるをえない」

 本来であれば、ケラーと岩崎の配置転換を早急に行うべきだろうが、その岩崎の調子も上がってこない。昨季終盤の疲労の蓄積を指摘する声もある。つまり、現状たったの1試合の失敗でケラーを配置転換するだけの代役がいないという苦しい事情もある。
 関西スポーツ紙の代表取材による報道によると矢野監督は「オレの責任として受け止めている。仕方がないではすまされない」と語ったという。矢野監督も1試合での配置転換は考えていないが、高代氏は、「問題はケラーの精神面。切り替えることができるのか。引きずってしまうのかによっても今後の起用法は変わってくるだろう」との懸念を持つ。
 スアレスの穴をどう埋めるかという今季の阪神の弱点が開幕戦から表沙汰になってしまったのだ。
 そして、この敗戦の痛手は、そのクローザー問題だけではない。
7回6安打7奪三振3四死球3失点の好投を見せた代役開幕の藤浪に白星がつかなかったことも大きなマイナスポイントである。
 高代氏が指摘する。
「藤浪のピッチングには粘りがあった。これまでとの大きな違いは、ストレートで見逃しの三振も、空振りの三振も取れたこと。“サインに首をふったらカットかスライダ―”というパターンではなくなり、自信を持ってカウント球、勝負球にできるボールが増えていた。それだけに勝ちをつけさせてあげたかった。昨季、納得のいく勝ち星を重ねていない投手(3勝3敗)だけにひとつの勝ち星が自信となり余裕にもつながる。その意味で、この逆転負けにはただの1敗ではおさまらないショックがある」
 藤浪は立ちあがりに一死二塁から山田に死球をぶつけ、サンタナのタイムリーで1点を失ったが、最少失点に食い止め、3回にも二死から山田、村上に連続四球を与えてピンチを作ったが、サンタナアウトコースのストレートで見逃しの三振に打ち取り崩れなかった。新型コロナの陽性反応で開幕投手が白紙になった青柳の代役を十分に勤め上げたのではあるが、肝心の白星がスルリと逃げていった。
 チームの収穫はまだあった。
 新4番の佐藤がオープン戦から見せていた“昨季との違い”が本物であることを証明し、5番・糸原、6番・糸井の並びが機能したのである。
 佐藤は3安打1打点、糸原が2安打2打点、糸井が2ランを含む3安打4打点。3人で8点中7点を叩き出したこととなる。
「佐藤はすべて軽打でつないだ。4回に左中間を破った二塁打もバットを出しただけ。フルスイングというよりもミートを意識した状況に応じたバッティングができているし、オープン戦から取り組んできたコンパクトな打撃が実を結び、軸に重心が残りすぎることもなく体重移動もスムーズになってきた。おそらく矢野監督は、その佐藤のスタイルの変化を見て、5番に長打はないが、安定感のある糸原を置いたのだろう。糸原も見事に期待に応えた。糸井も今年がダメなら終わるくらいの決意をもって痛い痒いを言わず。キャンプ、オープン戦と調子を上げてきたが、その勢いのままに結果を出した。大山の不振が心配だが、4、5、6番が連動することで打線の得点力が増した。大きな収穫だろう」
 きょうのヤクルトの先発は日本シリーズで存在感を示した左腕の高橋。開幕戦から爆発した4、5、6番の左3枚の真価を問われるゲームになりそうである。

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