シュートボールと言えば・・・

シュートボール、昔は、走者が出ると起用されていた抑え投手がゲッツーを取るために必須武器とされていた。今は、抑え投手は全力投球のパワーピッチするコトに変わって、必須ではない。元ロッテ小林雅はシュート/ツーシームを使っていた。

古くは大洋秋山のカミソリシュートかな?ワタシは、秋山が大洋監督になってからしか見てない。むしろ、大洋平松のカミソリシュートはよく見た。長嶋がイヤがったという、伝説のシュートだ。とにかく、あの硬く重い硬式球があんなに大きく曲がりながら、右打者の顔辺りにホップしていた。

セ・リーグばかりではない。パ・リーグで上田阪急黄金時代の今井のシュートとシンカーは、完全試合やった試合も放送されてなかったハズ。確か、高め狙うとホップするし、低め狙うと落ちると言ったとか。

第1次長嶋監督下で、江川入団より先に使われ始めたのが西本だった。当時は、沢村2世と言われ、まるでマンガのように左足を肩よりも高く上げ、タマは右打者インハイへ食い込みながらホップした。当時は、小俣や角と並んでノーコンのイメージだった。それを、杉下投手コーチらとコントロール重視にフォーム改造した。ホップするシュートはなくなったが、インシュートを投げる割に、死球が激減した。

本来、シュートボールとは速球の一種だ。右投手がストレートをプレート一塁側から右打者インサイドへクロスさせて投げると、空気抵抗を強く受けた時にシュートする。逆に、右投手がプレート三塁側から右打者アウトサイドへクロスさせて投げると、空気抵抗を強く受けた時にスライドする。捻ったり、曲げようと投げ方を変えると、故障する投手も出た。

横浜⇒近鉄盛田は、久々に出たシュートピッチャーだった。右打者インハイに食い込むシュートを武器に、大魔神佐々木の前を繋ぐ中継投手だった。脳腫瘍で投げられなくなったとか。

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平松、西本、盛田…あの時代の「シュート」にはロマンがあった
7/2(土) 7:32 Yahoo!ニュース
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強打者の胸元を抉る「カミソリシュート」
 
Photo by gettyimages
 デッドボールもいとわず、対峙する打者の胸元を高速で抉る。プロ野球の球種の中でも、「シュート」は、強打者に真っ向勝負を挑む男たちにとって、最高の「魔球」の一つと言えるだろう。

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 では、その中で最もファンや打者に鮮烈な印象を与えるシュートを投じたピッチャーは、誰だろうか。本誌は、数々の名投手と対戦したプロ野球OB達に話を聞いた。

 まず口火を切ったのは、読売巨人軍のV9戦士、柴田勲氏だ。

 「大洋ホエールズにいた平松政次の『カミソリシュート』は、狙っていても打てなかった。曲がり幅とキレがあまりにすごいものだから、最初から捨てていましたね。あの長嶋茂雄さんでさえ、大の苦手にしていたくらいです。『打てないから振らない』と思わせられたのは、あの球だけです」

 高木豊氏(元横浜・日本ハム)は、平松の言葉に衝撃を受けたという。

 「平松さんに話を聞いたら、『真ん中を目がけて投げたら、右打者の胸元に食い込むような丁度いいコースに曲がる』と話していました。どれだけ異常な曲がり方をしていたのか、と思いましたね」

「西本のシュートは捨てよう」
 
巨人などで活躍した西本聖
 ロッテや西武で通算2081安打を放った山崎裕之氏は、巨人や中日・オリックスで活躍した西本聖を、「シュート王」に挙げる。

 「彼は、3種類のシュートを持っていました。一つは、胸元を抉るように大きく曲がる。もう一つはシンカー気味に落ちて、内野ゴロを打たせる。さらに、曲がり幅を小さくし、ストライクを取りに来る球もある。

 日本シリーズで対戦した時、あまりに曲がるので、我々西武打線は、『西本のシュートは捨てよう』と決めました。しかし西本は、それを読んでいるかのように、曲がりの小さいカウント球のシュートをポンポンと投げ込んできた。広岡(達朗)監督と、『これじゃ試合にならない』と話していたのを覚えています」

あの落合博満を怒らせた
 横浜と近鉄で活躍した盛田幸妃を推すのは、山崎武司氏(元中日・楽天など)だ。

 「彼のシュートは、左投手のスライダーみたいな軌道でした。勢いよく曲がってくるので、『当たるかもしれない』と思って踏み込めなかった。コントロールのアバウトさが余計に恐怖を増幅させましたね。どんな投手も苦にしなかった落合博満(元ロッテ・中日・巨人など)さんでさえ、盛田のシュートにはやられていた」

 同僚だった前出・高木豊氏も、この意見に賛同する。

 「落合さんは、盛田がシュートを投げると怒っていましたもんね(笑)。それでも盛田は、知らん顔して平気で投げていた。右のシュートピッチャーは、度胸がないといけない。ハートの強さも含めて、盛田のシュートは後ろで守っていて最高のボールだと思いました」

 現在では、小さく曲がるツーシームなどが主流となり、平松・西本・盛田のようなシュートを投げる投手は少ない。それでもプロ野球ファンは、打者を仰け反らせるようなシュートに、大きなロマンを感じることだろう。

 皆さんが思う「シュート王」は、誰だろうか。

 現在発売中の「週刊現代」7月2・9日号の「打てない! 取れない! もうメチャクチャ プロ野球史上最高の『魔球王』は誰か」では、スライダーやカーブ、フォーク、そしてストレートなど、様々な「魔球」を投じた名投手達を紹介しているので、併せてチェックしてみてほしい。
週刊現代講談社

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