バンライフ、そんなに簡単?住民票とかは?

バンライフと言うくらい、日常生活のために色んなモノを積み込んだら、軽バン以上ミニバンくらいのクルマになってしまう。ポルシェみたいなクーペやBMWのようなセダンでも、スペース的に足りないか?BMW1シリーズやツーリングなら、水平方向のスペースは取れるか?

クルマを買うにも住民票は要るだろうし、固定住所が必要じゃないの?実家に住民票戻す手もあるだろうが、実家が田舎だと就職にも不利じゃない?

出回り先でアルバイトするにも、そんな都合良いお仕事あるかな?

自分で持つなら、ミニバンなんかよりツーリングワゴン的なクルマでやりたいが。どうせ、車内に風呂やシャワーはないのだろうし。

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車で旅して暮らす「バンライフ」…費用と収入、聞いてわかった「リアルな収支」
9/17(土) 11:02 Yahoo!ニュース
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写真提供: 現代ビジネス
 数年前から少しずつ注目を集めていた「バンライフ(VANLIFE)」が、はっきりと流行の兆しを見せている。

【写真】車内の様子から実際の生活費まで…「バンライフ」のリアル

 バンライフとは、車(バン)に衣食住に必要なものだけを積み込んで、旅をしながら暮らす生活スタイルのこと。時間と場所に縛られない自由な暮らしは、誰もが一度は憧れるところだが、お金や仕事の面で困ることはないのだろうか? 
 YouTubeやインスタグラムで活躍中のバンライファー2組に聞いた、バンライフのリアルなお財布事情・生活事情をお伝えする。

 取材・文/伊藤真二・立花裕子

憧れはあるがお金や仕事が心配……
 バンライフは、元々は欧米から始まったものだ。日本でも実践する人はいたが、自分たちのバンライフの様子を発信するインフルエンサーが多数登場し、専用雑誌もできるなど、ブームと呼べるほど広がったのはここ2~3年ほど。

 ちょうど新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、急速にテレワークが普及した時期と重なる。

 総務省によると、在宅勤務などのテレワークを導入している企業は2021年8月末時点で5割を突破。「働くには、毎日出社しなければいけない」という大前提が崩れたことで、働き方や住まいを見直す人が増加し、新しい生活スタイルとしてバンライフが注目されるようになったのだ。

 もっとも、バンライフを始める人が増えたとはいえ、出社に縛られない働き方ができる人の中でも、実行しているのはほんの一握り。

 多くの場合は、そのような暮らしに憧れながらも、「何を準備すればいいのかわからない」「お金が心配」「仕事はどうするの?」などの不安から、なかなか一歩が踏み出せないのが現実だろう。

 不安を解消するには、何より実態を知るのが役に立つ。実際のところ、リアルなバンライフとは、いったいどんなものなのだろうか。

夫婦でバンライフを送る「りんご夫婦」の場合
 
写真:現代ビジネス
 YouTubeに「りんご夫婦」の名前でチャンネルを持つしーさん&しんさんは、夫婦バンライファーだ。勤めていた会社を退職し、2022年1月から車中泊ができるようにDIYしたスズキの軽自動車「ハスラー」でバンライフをスタート。

 生活の様子をYouTubeで発信しつつ、今後の定住先を探すことを目標に1年間の予定で日本一周の旅をしている。

・初期費用は50万円
 バンライフを始めるにあたり、まずかかるのは車の調達費。加えて、車中泊のために必要なアイテムの購入代や、家を引き払うなら引越し代も必要になるが、2人の場合、これらにかかった初期費用は全部で50万円ほどだったという。

 「車はカーリースを利用したので、かかったのは、最初に支払った2ヵ月分のリース料だけです(夫婦が利用する「おトクにマイカー 定額カルモくん」の場合)。そのほか生活に必要なアイテムとして、ポータブル電源やソーラーパネル、就寝時のマットレスなどをそろえました。

 ここまでにかかった費用は約42万円。一番高かったのは合わせて15万円ぐらいしたポータブル電源・ソーラーパネルですね。あとは、家を引き払うのに8万円かかりました。

 プライベート空間を確保するためのカーテン設置、目隠しパネルを作成したり、後方にテーブルを設置したりといった改造もしましたが、すべてDIYなので、こちらはほぼ材料費だけで済んでいます」

 バンライフでは、夜はキャンプ場や宿泊可能な道の駅、公園の駐車場などで車中泊をすることが多いのだが、停車中はエンジンを切らなければならないため暖房・冷房が使えない。寒さ・暑さ対策が必須となるが、寒さに関しては羽毛布団とマットレスがあれば、問題ないという。

 ただ、暑さはそうはいかないと、しーさん&しんさんは言う。

 「暑さ対策は涼しい場所に行くしかないので、7月に中国地方から下道を700kmドライブして、北海道にやってきました(取材時8月)。こうやって季節を実感できるのもバンライフのいいところですね」

・1ヵ月の収支はどうなっている? 2人の現在の収入はYouTubeの収益のみ。日本一周するために2人で貯めたお金で生活している。一方の支出は、1ヵ月の生活費総額で見ると定住していた時とほぼ同額だが、その内訳はだいぶ異なっているようだ。

 「生活費は月15万円ぐらいですね。できるだけ自炊しているのですが、スペースの関係で食材のまとめ買いは難しいですから、以前に比べて食費がかさみがちです。食費以外の主な支出は、カーリース代やガソリン代、入浴代などの固定費、観光費、突発的に発生する悪天候車中泊が難しい場合のホテル代などとなっています。

 想定外だったのは、ワーキングスペース代です。最初の頃は、車内で動画編集をしていたのですが、長時間だと背中が痛くなったりしてしまって。今は、机と椅子のあるワーキングスペースを利用しているのですが、これが意外とお金がかかるんです」

・毎日が新しい経験の連続
 1つの地域の滞在期間は2~3日で、観光と動画編集をする日に分けてスケジュールを組んでいるとのこと。あらかじめ決めた「いつまでに、どこにいるか」に沿って、大まかなスケジュールを設定。具体的なルートは、移動の前日にコインランドリーの場所なども合わせて考えながら決めているそうだ。

 「今まで行ったことがない場所を回るのは新鮮で、心が解放されていると感じます。私たちは1年限定での日本一周ですが、バンライフの形は人それぞれ。やっていくうちに形が決まっていくものだと思うので、興味がある方がいらっしゃれば、まずは週末車中泊から試してみてほしいと思います」

バンライフ4年目の「ruiさん」の場合
 
写真:現代ビジネス
 バンライフに決まった定義はなく、そのやり方は十人十色。バンライフ4年目のruiさんは、車中泊専門誌「カーネル」のアンバサダーであり、ライターや映像編集者、サウンドデザイナーとして仕事をしながら旅をするソロバンライファーだ。

 大規模なDIY改造を施したホンダ「N-VAN」の内部は、天井やサイドに木の板が貼られ、仕事用の大きなテーブルに収納棚も完備。飾り布や小物に至るまで、インドネシアのバリ島をイメージしたというアジアンテイストで統一されており、クオリティの高さに驚かされる。

 しかも、かかった費用は材料代の6万5,000円程度のみ。技術者の指導のもと、1ヵ月半をかけて整備し、さらに住みながら手を加えていった結果、今の形になったとのこと。

 生活に欠かせない電気は4台のポータブルバッテリーで確保。仕事用のパソコンはもちろん、冷蔵庫や炊飯器、電気ケトルも利用でき、食材の保存や調理にも困ることがない、居心地のいい拠点になっている。

 気になる生活費は車両費を含めて月12万円ほどで、車両費が2万円、ガソリン代と食費が各3~4万円、残りは通信費や洗濯、入浴代だそう。定住時に比べて収入は減ったが、支出も同じだけ減っているので、プラスマイナスはあまり変わらないという。ただし、それは「お金に限れば」の話だ。

 「確かに収支はフラットですが、定住していた時に比べて精神的に豊かな生活、達成感のある生活が送れている分、QOL(生活の質)は爆上がりしています。

 今は特にゴールは決めず、日々の暮らしを楽しんでいます。もっとも、いつまでも続くとは思っていなくて、自然な流れでどこかに定住しようとか、就職して腰を据えてがんばってみようという気持ちになったときは、その気持ちに素直に従いたいなと思っています」

これからバンライフを始めるなら
 
写真:現代ビジネス
 自由な生き方を実践すべく、これからバンライフを始めるなら、どんな用意をすればいいのだろうか? ruiさんによれば、絶対に必要なのはフラットな寝床と電源の確保。確実にやっておいたほうがいいのが防寒対策で、あとは、どんなバンライフにしたいかで調整するのがおすすめだ。

 「フラットな寝床と電源さえ確保できれば、快適とはいかないまでも、バンライフは始められますよ。ただ寒すぎると眠れないので、寝袋や毛布にはしっかり投資するのがおすすめですね。最低限必要な資金としては20万円ぐらいでしょうか。

 車内で仕事もするつもりなら机と椅子の確保が必須なので、最低、軽バン程度の広さはほしいところですが、仕事は車外でするならもっと狭くても問題ありません。人によって理想の住まいが違うように、どんなバンライフを送りたいのかによって、車の選び方も変わります」

 当然バンライフを続ける上では、好きな場所で収入を得る手段も重要になる。

 「若い人なら、まず場所を選ばず仕事ができるスキルを身につけることでしょうね。今はテレワークがしやすい時代。場所を選ばない働き方は世の中に氾濫しているので、そんなに難しくはないと思います。

 ただ矛盾するようですが、仕事をしつつバンライフを送るつもりでも、ある程度の蓄えは持っていたほうがいいですよ、とも言いたいです。貯金額の大きさは精神的余裕になりますし、いつでもやめられるようにというためでもあります。実際にはやめなくても、いつでもやめられるという選択肢を持っていることは大切ですね」

 2組に共通していたことは、「暑さや雨のときにたいへんなんですよ」などと言いながらも、それさえ楽しみ、いきいきと暮らしていること。

 車と20万円、あとは安心できる蓄えがあれば始められるバンライフ。多様化する働き方の中で、今後もこの暮らしを選ぶ人は増えていきそうだ。
マネー現代編集部

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