ダルビッシュ有、全てを纏めたワケではない!

あまり気安く"纏めた"という言葉を使うべきではない。

今回の第5回WBC、MLBからの参加者はダルビッシュ有大谷翔平鈴木誠也(オープン戦故障で辞退)、MLB移籍前の吉田正尚くらい。他国に比べて多くはない。サッカーW杯が海外プレー選手だらけだったのとは、全く異なる。「船頭多いと、船山に登る。」だっけ?第1・2回WBCの時のイチローの如く、限られたリーダーとして招集された。

元日ハム、ヒルマン⇒梨田⇒栗山と経た監督、梨田監督に悪い印象持って出て行ったダルビッシュ有にとって、大谷翔平に二刀流を提案し送り出した栗山監督への興味は高かったろう。

だから、カラダも仕上がってない中、比較的寒い日本に早めに来た。ややもすると韓国に巻き込まれ、道具を変えた戦争にされかねないところ、スポーツだと公言した。北京五輪星野監督とは違うコトを認識したのだろう。

大会への取組スタンスを和らげたのは"最年長"ダルビッシュ有だが、勝つコトに全力を尽くすスタンスに引き締めたのは"投打の象徴"大谷翔平だった。

ソコに、MLBから初の日系人参加者ヌートバーが実践者として、打撃に守備に体現した。村上が不調の間は、吉田正尚や岡本和真がフォローした。

リーダー達からの働きかけで、みんなが絶妙なスタンスで、日本を背負ったのだ!

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松坂大輔氏 侍まとめたダルビッシュの献身に感謝 日米ハイブリッドが今後の主流
3/28(火) 5:05 Yahoo!ニュース
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優勝を決めダルビッシュ(中央左)と抱き合う大谷
 スポニチ本紙評論家の松坂大輔氏(42)による月1回の連載コラム「松坂大輔の探球」。3月編は日本列島が世界一奪還に沸いたWBCについてで、2月の宮崎合宿から追い続けた侍ジャパン、そしてWBCへの思いをつづった。準決勝、決勝は現地の米マイアミで取材。あまりにもドラマチックな結末に感動し、チーム最年長のダルビッシュ有投手(36)の身を粉にしての献身ぶりに深く感謝した。

 人生で、これほど心が震える瞬間はあまりないでしょう。準決勝、決勝と信じられないような2日間。本場米国で、米国に勝つ。そして世界一――。長く歴史に語り継がれるであろう現場に立ち会えたことを、本当にうれしく思います。

 宮崎合宿から東京ドーム、そして米マイアミへ。約1カ月、侍ジャパンを追い続けました。14年ぶりの世界一は、ダルビッシュ投手の存在を抜きには語れません。優勝後のインタビューでは「ありがとうございました」と伝えました。合宿初日から合流して日本、そして世界の野球のために懸命に尽力。感謝の思いしかありません。

 今回の侍ジャパンの強さの一つが「結束力」。まとめ役となったのがチーム最年長のダルビッシュ投手です。09年WBCで自分も山田久志コーチから「頼んだぞ」と言われたことがあります。ただ正直、何をしていいか分からなかった。言葉で簡単に「まとまる」といっても実際は意外と時間がかかるものです。自分も経験しましたが、試合を重ねて徐々に一つになっていく。今回は結束するのが本当に早かったです。

 食事会などグラウンドの内外で投手だけでなく野手ともしっかりコミュニケーションを取り、チームの一丸ムードをつくり上げたダルビッシュ投手。限られた時間の中で自分の調整もしなければならない。本当に難しかったと思います。決勝の8回に登板。チームのために――。そんな思いを乗せたボールを見せてもらいました。

 もちろん大谷選手の投打にわたる活躍も素晴らしかった。緻密さが武器の日本の野球。そこに大谷選手、ダルビッシュ選手らメジャー組のダイナミックさが加わり、日本と米国のいい部分が組み合わされた「ハイブリッド」な野球が今後の主流になっていくかもしれません。侍ジャパンは、より隙のないチームになると思います。

 6年ぶりのWBC。自分は準決勝のメキシコ戦で始球式の機会をいただきました。その3日ほど前にオファーをもらい、光栄なことだと即、返事をしました。見上げると大観衆のスタジアム。今大会で野球の魅力がたくさんの人に伝わったと思いますし、非常に意義のある大会でした。チェコやイタリアなどヨーロッパ勢も活躍。次のWBCは3年後です。野球がさらに世界に広がり、野球をやっている選手の誰もが目指すべき、もっともっと大きな大会になってほしいと切に願います。(スポニチ本紙評論家)
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