宮崎駿、アタマの中のモヤモヤを吐き出しただけ?

ワタシ自身、宮崎駿のファンでもなければ、ジブリのファンでもない。作品自体、カルピス子供劇場アルプスの少女ハイジ以降、観ている。今に近付けば近付くほど、キャストもストーリーも御立派かつ胡座をかいたモノに感じる。一度は引退したが、息子始め、後継作に不満を感じたのか、経年症状のなせる業か?不満を述べるに飽き足らず、自ら作品を出すコトになった。

この年代、ジブリに依らず、サンライズやヤマト西崎派など、高齢化が進み、おかしな考証や設定をブッ込んで来て、観なきゃ良かった/聞かなきゃ良かったと思ったりする。サンライズガンダム、西崎派はヤマトを食い扶持に、おかしな設定を付け足して作品化する。ジブリも、宮崎駿がやると号令したら、従わないワケに行かない。

おじいちゃん達が威光に委せて、それぞれの核ボタンを押してるようにしか見えない。

つまらないと思ったら、観に行かない。

 

 

 

 

 

 

 

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君たちはどう生きるか』が「難解」と言われるワケ 暗喩だらけの本作を読み解く3つのポイント
7/17(月) 15:10 Yahoo!ニュース
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宮崎監督の10年ぶりの新作は謎だらけ!
 
眞人を異界に案内するアオサギ。画像は『君たちはどう生きるか』ポスタービジュアル (C)2023 Studio Ghibli
 広告を打たず、一切の情報が伏せられたまま公開を迎えた宮崎監督の新作『君たちはどう生きるか』。1回見ただけでは理解しきれない重層的なテーマが内包された本作について3つの視点から内容を整理します。

【画像】『君たちはどう生きるか』でオマージュされたジブリ名シーンを見る(6枚)

 劇場で視聴後、何が何だかわからなかった、他の人の意見を聞きたい、何で賛否両論が巻き起こっているのか知りたい、という方の参考になれば幸いです。

 この記事は映画の重大なネタバレを含みますので、未見の方はご注意のうえお読みください。

●難解と言われる理由

 この記事を書いている時点で映画が公開されて48時間が経過しました。映画レビューサイトやSNSには次々と感想がアップされています。実際のファンの声を調べてみると「宮崎駿監督の集大成」「ストーリーが分からないが凄かった」と高評価する人と「つまらなかった」「意味がわからない」と低評価する人の真っふたつです。

 これまで高い評価を受けていた宮崎駿監督作品にもかかわらず、本作の評価が分かれてしまったのは分かりづらさが原因でしょう。高評価をつける人も低評価を付ける人も、本作が難解だという点においては共通しているからです。

 本作を難解にしているのは、複数の要素が(ムリヤリ)1本の映画に詰め込まれているからだと思われます。本来『君たちはどう生きるか』は母親を失った少年・牧眞人(まき・まひと)が異界に行き、さまざまな試練を乗り越えて成長して戻ってくる」シンプルな物語であり「異界での人格的成長や心理的欠損の充実によって現実の問題が解決される」という「ゆきて帰りし」王道のファンタジーです。

 さらに具体的内容に触れて、その表面をなぞれば、母を亡くして鬱屈としていた眞人が異界で精神的に成長し、母の死を受け入れ、継母の夏子との関係性も修復されてハッピーエンドを迎えるというシンプルな物語だと言えます。このストーリーは本質的に『千と千尋の神隠し』と同じ構造なので、これまでのジブリ作品のエンディングのように満足感のある視聴体験ができたはずです。

 ところが本作ではそうはなりませんでした。表面上のストーリーよりも隠喩によって描かれたメッセージの方が圧倒的に強力だったからです。そのため視聴者は日本最高レベルの音楽と凄腕アニメーターの作画による王道のストーリーを味わったにもかかわらず、ストーリーの全体像が掴めず、まだ何か隠されていることがあると感じて満足できないのです。

●ポイント1 宮崎監督の多面性が各キャラクターに託されている

 本作を理解するには3つのポイントがあります。そのひとつ目はメイン登場人物を宮崎監督の心の欠片として見ることです。主人公の眞人は自傷によって上手く立ち回る「悪さ」のある少年で、宮崎監督の心の原点に近い部分のシンボルだと言えるでしょう。

 アオサギ異世界への案内役だけでなく、そのニヒリズムと醜いルックスから宮崎監督の露悪的な部分が結晶になったようです。

 石の世界をつくった創造主の大叔父はまさに衰え、世界の維持に苦しんでいるスタジオジブリの経営者としての宮崎監督にしか見えません。

 後継者はおらず、ムリヤリ世界を維持しようとして資格がないのに石を積み、カタストロフを招いてしまったインコ王はもしかして鈴木プロデューサーでしょうか? 非常にシンボリスティックですね。何気ないキャラクターのセリフは宮崎監督のメッセージなのです。

スタジオジブリの暗喩
 
ジブリ作品ではしばしば現実から異界へと迷い込む。画像は『千と千尋の神隠し』のスタジオジブリ画面写真 (C)Studio Ghibli
●ポイント2 石の世界はスタジオジブリの暗喩?

 石の世界にはどこかでみたことのあるジブリ作品の描写が数多く登場します。『天空の城ラピュタ』のように外壁をよじ登り、横穴には『風の谷のナウシカ』に登場した蟲がいます。水の描写は『崖の上のポニョ』のようですし、その他にも多くのシーンにこれまでのジブリ作品が見て取れます。

 石の世界をスタジオジブリの暗喩として映画を見ると、なぜ「13個の石の積み木」で世界が維持されているのかすぐに分かりますし、持ち帰った石に関わるメッセージが読み取れるようになるでしょう。

●ポイント3 物語の大筋と監督のメッセージを分けて視聴すると混乱しない

 本作は目に見えるストーリーと隠されたメッセージの二重構造です。このふたつの構造は全く別物なので最後まで合流しません。統合して理解しようとしても難しいでしょう。

 物語の進行に必要なシーンは下記の通りです。

・母の病院が火事になり、眞人が病院に駆けつけるシーン
・眞人が若いキリコと漁をしたり、解体作業を通じてたくましくなっていくシーン
・眞人が少女時代の母ひさ子と冒険したり、手料理を食べたりするシーン
・眞人が石の産屋で継母夏子の荒れ狂う本心を受け止めるシーン
・眞人が母の愛情を確かめて別れるシーン
・現世で夏子の子供(眞人の異母兄弟)が登場するシーン

 上記のシーンについてはどなたも展開に疑問を感じることはないはずです。しかし、これ以外はストーリーと関係のない宮崎監督の私的なメッセージに関わるシーンです。

・眞人が自傷行為を行い、首尾よく通学を免れるシーン
ペリカンがワラワラを食べるシーン
・瀕死のペリカンがワラワラを食べざるを得ない理由を告白するシーン
・石の世界の真実を大叔父から聞かされるシーン
・石の世界と自分の悪を知る眞人が積み木を受け取らず、世界の継承を拒むシーン
・帝国を維持したいインコ王が勝手に石を積んで世界を崩壊させるシーン
・石の世界から大量のインコが飛び去って行くシーン
・石の欠片と記憶を現世に持ち帰るシーン

 パンフレット販売前のため、記憶と当日取ったメモの限りに列挙しましたが、行方不明になった継母を探しに異界に行き、亡き母の愛情を確かめる眞人と、自傷行為や石の世界の継承には「本来的に」なんの関係もないことが分かります。世界の継承に関する要素がなければ、戦時中の描写や眞人の成長にフォーカスした映画になったと思われます。

●まとめ

 本作の疑問点の多くは石の世界に関するメッセージの解釈でしょう。筆者はワラワラやペリカン、インコが何を暗喩しているのか考えがありますが、そこまでの解説をこの記事でするのは流石に野暮かもしれません。これまで宮崎監督の作品に親しんできたファンは、作品を自分なりに解釈してみてはいかがでしょうか。

 2023年2月に本作の試写会が行われた際、その場にいなかった宮崎監督から「おそらく、訳が分からなかったことでしょう。私自身、訳が分からないところがありました」というメッセージが届いたそうです。

 本作は娯楽映画ではなく、宮崎監督の潜在意識が反映された芸術作品に該当する映画だと考えられます。芸術は言語を超えた表現なので明確な答えはありません。そこから何を受け取るかは視聴者次第なのです。
レトロ@長谷部 耕平

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