ポルシェ968、ジレて変えて大失敗!

ワタシは、ポルシェ911が空冷RRの頃、いつ終わりが来ても不思議はないと思っていた。機械の熱膨張によるオイル漏れは、機構的に不可避だし、300馬力を超すとどうするのかと。レーシングポルシェは、ミドシップや水冷ヘッドを採用していた。

FRポルシェなら、直4でもV8でも、フロント水冷エンジンにより冷却に問題なく、2+2居住性も、リヤトランスアクスルレイアウトによる前後重量配分も優れた解だった。だが、最善は早晩911フラット6を水冷化してFR化したような、スバルSVXの形だったろうと思う。

924の直4はアウディーエンジンだったし、ポルシェはフラット6だと思うヒトから見ると、928のV8や片バンクの944も異端に感じたのかも知れない。

ジレたポルシェは、3リッター直4を作ってしまった。確か、三菱のサイレントシャフト技術を買ってまで、採用した。ただでさえ、あまり受け入れられてなかった993顔フロントと合わせて拒否された。

最悪、944ルックスのまま、911空冷フラット6をFRにしていたら、どうなっていたろうか?もちろん、水冷フラット6をやっていれば、996への土台にもなったろうに。

 

 

 

 

 

 

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プアマンズポルシェと言われた「968」が7500万円! 理由は世界に1台しかないプロトタイプ「968ターボS」でした
2023.09.11 16:11掲載 Auto Messe Web 1
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1台しか作られていないプロトタイプ

2023年8月17日~19日、RMサザビーズアメリカ・モントレーで開催したオークションにおいてポルシェ「968ターボS プロトタイプ」が出品された。今回はいくらで落札されたのか、同車について振り返りながらお伝えしよう。

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当初の落札予想価格は約8700万円~1億1600万円

「924」に始まるポルシェの4気筒FRシリーズは、その比較的リーズナブルな価格設定と、アメリカ市場を中心とする好景気の影響で、大きな人気を呼んだ。とりわけ1983年に生産を開始した「944」は、924よりも大きく高性能で「928」よりもコンパクトなモデルとして企画され、ボディデザインは924のレーシングバージョンとして誕生した924カレラGTをモチーフとした、非常にダイナミックなフィニッシュとなっていたのが特徴だった。ちなみに搭載された直列4気筒エンジンは、すべてがポルシェ製でありベースは928用のV型8気筒ユニットの片バンクだった。

その944は途中でオーバー200psのスペックを誇るターボやターボS、あるいはさらにサーキット走行にフォーカスしたS2やS2クラブスポーツなどの人気モデルを生み出し、1992年をもって生産を中止。ポルシェはその後継車として、ここで紹介する「968」を生み出したのだ。

最初に主催者のオークショネア、RMサザビーズのカタログを見ていて思わずこの1992年式968ターボSのページで手が止まったのは、彼らが事前に設定した予想落札価格が60万~80万ドル(邦貨換算約8700万円~1億1600万円)という目を疑うかのような数字であったからだ。

4気筒FRポルシェの中では最も世代が新しい968

たしかに968は、4気筒FRポルシェの中では最も世代が新しく、かつて924のデザインを手がけたハーム・ラーガイがボディデザインのリニューアルを担当。1991年にリリースされたスタンダードモデルから240psを発揮する3Lの直列4気筒エンジンを、ポルシェ特許の可変バルブタイミング機構、バリオカムを吸気側に組み込んで搭載するなど積極的なエンジニアリングが展開されていた。

1992年にはカブリオレも追加されるが、翌1993年になるとクラブスポーツやターボS、ターボRSといったバリエーションが続々と誕生。しかし今回の出品車とは合わない情報が出てくる。出品された968ターボSは1992年式なのだ。しかもポルシェは、このシリアルナンバー#800412がその年に出荷されたことを否定してはいない。

その理由は968ターボSの開発プロセスにあった。そもそも968ターボSは、ヨーロッパ市場専用のグランスポーツ・プログラムのための限定車として100台の生産を計画したモデルだった。フロントに搭載されたエンジンは、304psにまで最高出力を高めた3Lの直列4気筒ターボ。

エンジンは強化型の6速MTに接続され、ここからトルセン式のリミテッドスリップデファレンシャルに伝わり後輪を駆動するシステムだ。0-96マイル加速は5秒以下。スポーツ・シャシー・パックが標準装備され、ブレーキは「911ターボ3.6」と共通である。

ポルシェの正規代理店でレストアを実施

エクステリアでは、オリジナルの3ピース軽量スピードライン・ホイールとツインフード・スクープ、大型アジャスタブル・リアウイングなど独自のディテールが採用されている。インテリアも軽量バケットシートの装備など、スポーティでかつ機能的なデザインに徹していることが分かる。

だが残念ながら、968ターボSは、高価格を理由に、1994年に13台のプロダクションモデルと、1台のプロトタイプのデリバリーを終えたところで生産が中止される。そう大方の予想がつくとおり、今回モントレー・オークションに姿を現したのは、その1台のみ1992年に生産されたプロトタイプの968ターボSで、完成後はシリーズ生産のためのホモロゲーションモデルとして使用されたほか、開発期間中はポルシェに保管されプレスカーとしても使用された。

ボディカラーはいわゆるスタンダード・イエローだが、ポルシェには1994年まで量産車にこのカラーは設定されていなかったため、装備タグには「ペイント・トゥ・サンプル・コード・98」の表記がある。

ターボSの開発プログラムが終了すると、968ターボSはパリ・ダカールで何度もの優勝経験を持つスヴェン・クアントに売却された。氏は約30年間、968ターボSプロトタイプのオーナーであり続け、当初は日常的な移動手段として使用していたというが、のちにこのクルマを保存する必要性が明らかになったため、ポルシェの正規代理店でレストアを実施。

希少なオリジナルのスピードライン製ホイールが装着された状態であり、またサービスブックや保証書など大量の書類とともに出品された968ターボS。その落札価格は予想落札価格にはわずかに届かなかったものの、51万6500ドル(邦貨換算約7500万円)に達したという。ポルシェの歴史を物語るひとつの例として、それは非常に貴重なモデルといえるのではないか。

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