トヨタ、やめてしまったミドシップ

トヨタ、他の自動車メーカーと同様、大量生産車両のFF化に手を染めた。バカな技術屋や事務屋は、プロペラシャフトが要らないメリットや横置エンジンによる全長短縮ばかりを過大に解釈したのだ。ミニやホンダの当初のFFは、パワーもトルクも小さく、車体の負担も路面の反力も強くなかった。だから、ペラペラ鋼板モノコックの軽く小さなFFにデキた。

ソコから、FFユニットを平行移動したミドシップの発想がデキた。エンツオ・フェラーリに息子アルフレッドが進言したのも、ホンダF1が横置V12で2勝挙げたのも、この時期だった。

横置FFからのミドシップ化、見た目はランチアストラトスフェラーリディノ的だが、制震⇒操安のデキが雲泥の差なのだ。ランチアストラトスは、J・P・ダラーラランボルギーニミウラでの知徳を活かし、強いセミモノコックを作った。フェラーリディノは、レース経験から必要剛性を得ている強い鋼管フレームにマウントした。

元々、ミドシップは、限られたパワーを有効に駆動輪(後輪)に伝えるための(後部座席犠牲にした)理想のレイアウトなのだ。フィアットX1/9はパワーがないため、ネガが小さかった。だが、トヨタAW11MR2はX1/9よりパワーもトルクも強く、ペラペラモノコックでは制震デキず、床下やトンネル中心に補強を必要とした。ミドシップでプロペラシャフトのないAW11MR2は、FRでプロペラシャフトのあるAE86レビン/トレノと変わらない車重になった。ダラーラなきランボルギーニでも、ウラッコはソレらと似た状況になった。要は、必要剛性に対応して補強すると、大して軽くならない。ならば、ある程度エンジンが強いパワーとトルクを持つ必要があった。

だから、2代目MR2、SW20は1.6リッター4AGから2リッター3SGに換装された。4AGはスーパーチャージャーまでだったが、3SGにはターボチャージャーも装備され、当時で250馬力まで出した。

だが、ペラペラ鋼板モノコックでのミドシップには限界が見えた。だから、W30MRSでは1.8リッターNAと、パワーもトルクも下げ、イメージダウンを避けるためオープン化した。

FFをパワーとトルクアップする上で、ペラペラ鋼板モノコックから(ヤマハのノウハウを使って)鋼管フレームにしていたら、FFはもちろん、FF置換ミドシップの仕上がりや将来像も変わっていたろう。

だから、MRS後にトヨタミドシップは途絶えた。

 

 

 

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スーパーカー世代の夢を現実に変えたトヨタMR2とは、どんなクルマだったのか?
10/20(金) 22:02 Yahoo!ニュース
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ミッドシップレイアウトと短いホイールベースがもたらす抜群の回頭性
 
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“昭和59年、夢の国産ミッドシップスポーツカー爆誕!”ス。 1984年に初代モデルが誕生したトヨタMR2は、スーパーカー世代の琴線に刺さりまくる1台。マジで購入を考えた方も決して少なくはなかったはず。


【コテコテやで~】AWとSW、MR2を今見るとどうなの動画

 「リトラクタブルライト、ミッドシップのレイアウト、スーパーカーじゃないけれど手の届くミッドシップスポーツカー。MR2を専門に扱うようになって、もう25年になります」と語るのは大阪・摂津市ダイエーモータースの谷田代表。自らステアリングを握りMR2レースでタイトルを獲得するほど惚れ込んでいます。

 
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昭和が生んだ名車MR2は、初代と2代目、そしてMR-Sへと進化を遂げます。エンジンは既存のFF車のコンポーネントを活用した横置き直4エンジン採用。スペック的にはオトナシイ印象ですが、あのダラーラさんもランボルギーニミウラを構想した時は横置き直4エンジンを採用する乗って楽しいコンパクトなスポーツカー。決して劣ることはありません。

 
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トヨタミッドシップスポーツカー3モデルのタイムラインをサクッと思い出してみましょう。

 
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●1st  AW10/11型 1984–1989年
ボディサイズ:全長3950×全幅1665×全高1250mm 
ホイールベース:2320mm
エンジン:1.5L NA / 1.6L NA/ 1.6Lスーパーチャージャー

 
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●2nd  SW20型 1989–1999年
ボディサイズ:全長4170×全幅1695×全高1235mm 
ホイールベース:2400mm
エンジン:2.0L NA / 2.0Lターボ

 
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●3rd  ZZW30型 2000–2007年
ボディサイズ:全長3895×全幅1695×全高1235mm 
ホイールベース:2450mm
エンジン:1.8L NA

 
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MR-Sを含めこの3モデルの特筆すべき点、魅力の源は、じつはショートホイールベースにあります。あのポルシェ911もショートホイールベースを生かしたスポーツカーの1台。初期型の2211mmに始まり、現行型の水冷モデルさえ2450mmしかありません。いまや最新フェラーリのF296でさえ2600mm。

 
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MR2の本質は少なくとも直線番長じゃありません。つまり「コーナー手前でしっかり減速→クルリと車体の向きを変えて→リア荷重のトラクションを最大限に生かし加速する」ということ。だからど派手な魅せるためのドリフトとは無縁。

 
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ハンドリングを楽しむための峠参りも結構ですが、じつは街中がダントツに楽しい1台でもあります。初代なら1.5LシングルカムのAT車さえウキウキ楽しい気分で乗れてしまいます。だから2代目に進化しても意外とAT車の販売比率が高いのでした。

 
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さて、いざ買うとなればリアルなハナシ流通量は2代目SW20型が選択肢になります。そしてタイムラインの関係から目にするのは3型以降かもしれません。当時の経済状況を察すると、この辺りから指名買いユーザーの比率が高くなると判断。なんせMR2は2人しか乗れないのですから完全な趣味車。

 
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1型から5型まであるSW20型に限定し、あえて推しの1台を前出の谷田代表に選んでいただきました。

「あくまで個人的にという前提ですが、ボクは最終5型のNAが好きですね。無論、絶対的な加速力はターボが勝りますが、最高出力が45ps劣るNAでも最終型だけ200psあります。NAは車重が50kg軽いので(主に後輪の軸重)、運転した時のフィーリングがそれぞれ異なります。軽いということはサスペンションやブレーキへの負担も少ないですし……」。

 
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新車当時のユーザー像をイメージすれば、ガレージ保管率はハチロクより断然嗜好性の強いMR2です。スポーツカー好きが新たな出会いに恵まれれば、きっと素敵なカーライフを送れる1台であることは間違いありません。

Video:Shigetaka Kida(M.at)
Text:Seiichi Norishige

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