ワタシは、フルラインを唱える自動車メーカーにおいて大事なコトは、広く網を張り、その網の目を上手く繕うコトだと思っている。
だから、一般市販車両のボディータイプとしてのセダン、クーペ、ステーションワゴン、クロカン、ミニバン1BOXや、駆動方式としてのFF、FR、ミドシップはキチンと取り揃え、ドコにも客が引っ掛かるようすべきだと思う。
ソレが、ニッサンにおける大して正しくもない市場分析で、S13シルビアが"オシャレなスタイリングだから売れた、FR要因ではない。"とか、"3ナンバー/5ナンバーは重要なファクターではない。"とか、おかしな結論が出まくり、80年代終盤からのクルマ作りが歪んでしまった。
その正しくもない市場分析の結果出たモノか、小さなエンジン&車体に大人数乗車を可能にしたプレーリーや5ナンバーのライトクロカンラシーンやファニースポーツクーペのNXクーペだったハズ。
それぞれに、網の端に近い部分だったが、初期のモノとして粗かった。クルマをちゃんと熟成させ、市場アクティベートされれば売れるハズが、ニッサンはやめてしまった。
プレーリーは完全に変わり、ラシーンやNXクーペはやめた。
トヨタはラウムやRAV4らを出し、キムタクCMらの効果もあり、それらの市場を刈り取ってしまった。
ラシーン、松下由樹&高橋克典のドラマ「ひと夏のラブレター」で、野際陽子の息子役渡辺いっけい&横山恵の乗るクルマとして出て来た。
以後は、あまり出なかった。
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こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】 アクティブユースに最適なラシーンは「ボクたちのどこでもドア」
12/18(月) 11:00 Yahoo!ニュース
ベストカーWeb
これまで日本にはたくさんのクルマが生まれては消えていった。そのなかには、「珍車」などと呼ばれ、現代でも面白おかしく語られているモデルもある。しかし、それらのクルマが試金石となったことで、数々の名車が生まれたと言っても過言ではない。
【画像ギャラリー】デザインで他との違いを見せつけたラシーンの写真をもっと見る!(7枚)
当連載では、これら「珍車」と呼ばれた伝説のクルマや技術などをピックアップし、その特徴を解説しつつ、日本の自動車文化を豊かにしてくれたことへの感謝と「愛」を語っていく。今回は、今乗っていたら絶対にシブい!日産ラシーンについて紹介していこう。
文/フォッケウルフ、写真/日産
■パイクカーの流れを汲んで開発された個性派SUV
1987年1月に日産から発売されたBe-1は、パイクカーと呼ばれるユニークなクルマの存在を世に知らしめ、その後も1989年1月にはパオとエスカルゴ、さら1991年2月にはフィガロを立て続けにリリース。そのいずれも限定生産だったにも関わらず、セールスにおいて大成功を収めていた。
そんなパイクカーブームがひと段落すると、市場には小型の4WD車がRVブームという新たな潮流が生まれ、市場をリードするようになる。
ブームの発端は本格派のクロカン4WDだったが、「ヨンク」を乗用車的に使う人が増えてくると、トヨタ RAV4やスズキ エスクードといった悪路走行をこなせる能力を有していながら、街なかを乗用車感覚でスマートに乗れるシティオフローダーに分類されるクルマがブームを牽引するようになる。
日産ラシーンは、遅ればせながらこのシティオフローダーの一角に名を連ねるモデルとして登場する。第30回東京モーターショーでお披露目されたラシーンは、翌1994年12月に発売された。
開発に際しては「都市生活と自然にやさしく調和する4WDプライベートビークル」をコンセプトに掲げ、シンプルでナチュラルな直線基調のデザインを採用するとともに、コンパクトで扱いやすいボディサイズ、快適で機能的な室内空間、高い信頼性を備えたメカニズムなど、シティオフローダーに必須の能力がしっかりと盛り込まれていた。
「未知なる旅の"水先案内役"をイメージした羅針盤(らしんばん)からの造語」という車名の由来。イメージキャラクターに起用されたドラえもんと「ボクたちのどこでもドア」というキャッチフレーズ。
そして日産が大ヒットさせたパイクカーの流れを汲んだタイムレスなデザインも相まって、ラシーンは既存のシティオフローダーとは一線を画す新感覚のクルマであることを広く知らしめることになる。
■レトロ感とカジュアルテイストが見事に融合した内外装
直線と面を基調とするシンプルでボクシーなスタイリングは、都市にも自然にも馴染むことを狙ったもので、要所にあしらったレトロ調のパーツが絶妙なアクセントとなって独特の世界観を表現している。
ボディサイズは全長4210mm、全幅が1695mmの5ナンバーサイズで、全高は立体駐車場への入庫に配慮して1515mmとしている。スクエアで見切りのいいフォルムと5.4mの最小回転半径によって、狭い場所でもスマートに取りまわせるのは、扱いやすいRV車を求めるユーザーの購買意欲を大いに刺激した。
ボディカラーはアウトドアからタウンユースまでを想定し、ホワイト、ダークブルー、ペールグリーン、イエローという気取りのないナチュラルなソリッドカラーを4タイプ設定。これもラシーンならではのレトロな雰囲気の演出にひと役買っていた。
インテリアは明るいカラーでコーディネートされ、チェック柄のモケット地シートは外観同様に他とは被らない独特のセンスを感じさせる。しかし、ラシーンの魅力は個性を前面に押し出したデザインだけではない。ロングドライブでも疲労の少ない新世代エルゴノミックシートの採用や、明るい戸外やサンルーフオープン時でも美しい映像が楽しめる高輝度の脱着式テレビの設定(一部グレードにオプション)。
さらにダッシュボードに2段に分けて設置したツイングローブボックス、リヤフロア下にアンダーラゲッジスペースを設けて空間の効率を最大限に活かした収納スペースを設けるなど、スキーやキャンピング、サーフィンといったアクティビティを楽しむユーザーを強力にサポートできる能力を有していたのも、ラシーンが市場で高い評価を獲得した要因と言えるだろう。
■現代のクロスオーバーモデルに引けを取らないパフォーマンスを実現
ラシーンは乗用車をベースに開発された、現代風に言うならばクロスオーバーSUVである。クルマを構成するコンポーネンツはサニー(B13型)系のアイテムが用いられている。
足まわりはフロントがストラット式で、リヤにはパラレルリンク式を採用し、操縦安定性、乗り心地、高速走行時の直進安定性の調和が図られている。主要な走行シーンは舗装路となるが、シティオフローダーというキャラクターを考慮し最低地上高を170mmに設定するなど、未舗装路を走行することも考慮されていた。
パワーユニットは105PS/6000rpm、13.8kg-m/4000rpmという動力性能を発生するGA15DE型エンジンを搭載。1.5Lの小排気量ながら、街なかで多用する低・中速域での力強さを重視した特性によって、さまざまな場面で爽快な走りを楽しませながら優れた燃費性能を両立していた。
ちなみにトランスミッションは、トランスミッションは4速ATと5速MTが組み合わされ、駆動方式は走行状態や路面の状況にかかわらずつねに高いグリップカを確保するフルオート・フルタイム4WDが全車に採用されていた。
1997年に実施されたマイナーチェンジでは、SR18DE型1.8L直4DOHC+アテーサ4WDを採用したグレードを追加。さらに1998年には、SR20DE型2L直4DOHCエンジンを搭載し、専用フロントマスクやオーバーフェンダーといったアイテムでライトクロカンテイストに仕上げた「フォルザ」が登場する。
こうしたバリエーションを拡充は、ラシーンが日産の定番モデルに位置づけられていたこと、そして市場ではライバルと目されていたホンダCR-VやトヨタRAV4にも引けを取らない人気を得ていたことを裏付ける事実と言っていい。
市場で一定の人気を獲得していたラシーンだが、その歴史は1代限りで幕が降りてしまう。最たる理由は、バブル崩壊後に訪れた自動車業界が低迷期であり、当時の日産は販売不振が常態化して国内シェアが急減したこと。
なおかつ2兆円を超える有利子負債を抱えて、いつ倒産してもおかしくないと言われるほどの経営危機に陥ってしまった。当然のことながら販売車種は大幅な見直しが図られ、ラシーンもその煽りを受け2000年7月に生産中止となる。
昨今のクロスオーバーSUVは、車種が増えすぎたがゆえに、各車の狙いや特徴が分かりにくくなってしまっている。そこにもしラシーンがリバイバルしたらどうなるだろうか。
明快なコンセプトやシンプルながら独自性を主張した内外装デザイン。奇をてらわず、SUVとしての能力を真摯に追求して実現した走りや機能性は、昨今のクロスオーバーSUVのなかで埋もれることはないだろう。むしろ新感覚の4WDプライベートビークルとして、市場に大きな反響を呼ぶはずだ。
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