ロータス&ケータハム、セブン以降の展開を見誤った!

ロータスケータハム、スーパーセブンを出し、成功と名声を獲たのは良かったが、以降のビジョンを見誤った。

ロータスも裕福なメーカーではなかった。あくまで、優れた技術を売る会社なのだ。このペラペラ鋼板葉巻型シャシー、FRだからデキた。ミドシップはもちろん、FFでも成立しない。本来は、鋼管フレームないし角型スチールフレームにFRPカウルを留める方が、後々のエンジンポテンシャルアップやミドシップ化に対応が容易だったハズだ。まして、そういう構成にしておけばオートバイメーカー以上なら大量生産にも向くのだ。

そういう技術提示がされていたら、他国他メーカーにもミドシップセブンが展開デキ、ロータスにも技術ライセンスやパテントが入り、経済的余裕がもたらされたハズだ。

未だに安めのミドシップカーは、ペラペラ鋼板モノコックにムリヤリ補強し、FR2+2よりも重くなるクルマばかりだ。商品性として優れていない。挙げ句FR2+2よりも高かったりする。

ロータスも以後のミドシップ、ヨーロッパ⇒エスプリ⇒エリーゼエキシージや現ヨーロッパやエボーラなど、量産性も上がらず、性能も商品性も上がらなかった。

セブン後の展開、技術提示を間違って、自らの首を絞めたのだ。

 

 

 

 

 

 

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能力を「公道で使い切れる」セブン 買うには特別講習が必要なHPC ケータハム 7台を乗り比べ(2)
1/6(土) 17:46 Yahoo!ニュース
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特別講習が必要だったHPC 1700
 
ケータハムHPC 1700(1986~1995年/英国仕様)
ケータハム・セブンは長年、数え切れないほどのエンジンを搭載し、細かなシャシーのアップデートを受けてきた。また殆どの例が、オーナーの手で何らかのチューニングを受けているだろう。

【写真】ケータハム・セブン・シリーズ 7台 現代の420カップと170 R 起源のロータスMk VIも (125枚)

それでも1990年までは、ロータスツインカム・ユニットと並んで、1600ケント・ユニットやCVHユニットなど、フォード社製エンジンが主力だった。以降は、英国オペルのヴォグゾールと、ローバーのエンジンも採用されていった。

希少なケータハムHPC 1700も、フォード由来のHPCエンジンを積む。BDAユニットがベースで、1699ccのクロスフロー・ブロックとコスワース・シリンダーヘッドを載せ、最高出力は172psがうたわれた。

このHPC 1700を購入するには、事前にジョン・ライオンズ・ハイ・パフォーマンス・コース(HPCの由来)と呼ばれる、特別講習を受ける必要があった。1986年の発売時の価格は1万2000ポンドで、それまでで最も高価なケータハムでもあった。

「速いクルマには、特別な技術が必要です。トレーニングを受けなければ、完全には身に付けられません」。と同社は主張していた。

ダークグリーンのHPC 1700は、先出のジェームスに影響を受け、ナイジェル・ブランディン氏が約20年前に購入したそうだ。「技術的に挑戦していることが好きなんですよ。向き合い、理解する必要があります」

サーキットで能力を解き放つと、アルカンターラ巻きのステアリングホイールへ繊細な感触が伝わってくる。HPCエンジンは扱いやすく、回転の上昇とともにパワーが勢いよく放出される。

本来の能力を公道で使い切れる強み
 
ケータハム・クラシック・スプリント1600(1992~1998年/英国仕様)
9500rpmまで問題なく許容するらしいが、今回は7500rpm以下へ抑えておく。それでも、ビスター・ヘリテージのサーキットでは手に余る。0-97km/h加速5.0秒という数字以上に、恐ろしいほど速い。

技術が求められるコーナーでは、手のひらへ明確な感覚が伝わり、素早く導ける。シャシーはドライバーへ優しく、すべてが調和している。

ステアリングホイールをコーナーの頂点目掛けて回し、アクセルペダルを傾ければ、リミテッドスリップ・デフを効かせられる。派手さ重視のテールスライドも、タイトな四輪ドリフトも自在。縁石へ乗り上げても、落ち着きは失わない。

対して、能力を公道で使い切れるという特長も、セブンの魅力になってきた。ジョン・シモンズ氏が大切にするレッドのケータハム・クラシック・スプリント1600が、それを物語る。

クラシックが発表されたのは、1992年のロンドン・モーターショー。多くの人に楽しんでもらうため、7450ポンドという訴求力の高い価格で提供された。

装備は簡素。燃料計とヒーター、フルサイズのフロントガラスは標準ではなかった。とはいえ、ジョンのクルマにはSEパッケージが組まれ、それらのアイテムに加えてアルミホイールを得ている。

エンジンはベーシックな1600 GT仕様ではなく、クロスフローの1600スプリント仕様。ツイン・キャブレターが組まれ、最高出力は85psから101psへ引き上げられている。

ドライバーの細かな操作へ逐一反応する
 
ケータハムJPE(1992~2001年/英国仕様)
1977年式のセブン・ツインカムと同様に、クラシック・スプリント1600の動力性能はほどほど。シリアスなHPC 1700と比べると、柔軟なサスペンションのお陰で乗り心地は良好。ボディの動きは少し大きいが、一般道との相性はより優れる。

キャビンのフロアにはカーペットが敷かれ、レザー内装も備わる。長距離の自動車旅行にも出かけられそうなほど、居心地が良く快適。典型的な、素のケータハムらしい。

シャシーもベーシック。リアはリジッドアクスルで、5速マニュアルのシフトタッチは7台のベスト。ドライバーの細かな操作へ逐一反応する、第一級のセットアップにある。

比較すれば低めの、クラシック・スプリント1600のパワーに対し、グリップ力には余裕がある。読者が望むような、ドリフトシーンを写真へ収めるには、大胆なアプローチが求められる。それでも、目一杯きっかけを与えても、制御不能には陥らない。

落ち着いたダークグレーのセブンは、ケータハムJPE。元F1ドライバーのジョナサン・パーマー氏が、開発へ関わった高性能仕様だ。

1992年に、グレートブリテン島中部のパーマースポーツ・サーキットで、彼はケータハムの魅力へ惹き込まれた。それを機に、ジョナサン・パーマー・エボリューション、略してJPEが生まれることになった。

「ミニマリスティックなクルマです。爽快で速い。リアアクスルの直前に座っているので、滑り始めをすぐに感知できます。運転しやすく、すぐに慣れることもできます」。と、ジョナサンはその魅力を以前に語っている。

0-161-0km/hの発進・停止で世界記録を樹立
 
ケータハムJPE(1992~2001年/英国仕様)
エンジンは、英国ツーリングカー選手権で戦うヴォグゾールのマシンと同じ、スウィンドン・レーシング・ユニット。1998ccの燃料インジェクションで、最高出力253ps/7750rpmを発揮。1t当たりの馬力は478psに達した。

費用を惜しまないプロジェクトといえ、エンジン単体のコストだけで1万3000ポンド。その結果、0-97km/h加速3.46秒という、圧倒的な速さを手に入れた。0-161-0km/hの発進・停止を12.6秒でこなし、世界記録を樹立してもいる。

そんな撃速のJPEを3年間所有しているのが、デイブ・グワトキン氏。落ち着いたグレーに、イエローの専用ロゴが際立つ。

ホイールはアルミより軽いマグネシウム製で、フェンダーはカーボンファイバー。ダッシュボードとシフトノブもカーボン。普通のセブンと違うことを、控えめに主張する。

スターターボタンを押し発進。クワイフ社製トランスミッションのストレートカット・ギアが、加速時に鳴く。めっぽう速いが、今日の7台の中では2番目だろう。低回転域では、感心するほど扱いやすい。

高回転域まで引っ張ると、ヴォグゾール・ユニットのドライなサウンドがソプラノへ転じていく。余りの速さに、少し圧倒される。更にプッシュしていくと、通常のセブンとは異なる次元へ動的能力が向上していることへ気づく。

アンダーステアは皆無といえる。姿勢制御はピタリと引き締まり、高速域でのバランスは秀逸。速度域の高いテクニカルコースでは、眼を見張るほど。

この続きは、ケータハム 7台を乗り比べ(3)にて。
サイモン・ハックナル(執筆) マックス・エドレストン(撮影) 中嶋健治(翻訳)
 
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