SW20型MR2

ワタシ自身、自分が所有するクルマとして、チャンスがなかった。当時はライバルメーカーだったし、ミドシップ2座は1台で全てを賄えるモノではなかった。通勤や買い物やイベントでも、2+2のスペースは欲しい。結局、若い間でもFR2+2のクルマに乗っていた。

結婚して子供生まれたら、ますますあり得なくなった。トドメは、チャイルドシートの強制だった。人生初めて、新車のFR4ドアセダンを買った。メーカーの再生プランとか言う、大リストラで切られたおかげで、自分で国内外好きなメーカーのクルマを選べるようになった。

選べるようになった結果、FR4ドアセダンは家庭持ちのマストとして、5リッターV12エンジンの中古車を選んだ。もう1台持てるようになり、選んだクルマはミドシップ2座ではなく、RRの2+2クーペだった。

クルマを持つ生活を35年ほどして来たが、その間、自動車業界のクルマ作りもおかしくなって来た。

日本に限らず、世界のクルマ作りのピークは、1980~90年だったのではないか?以後、どんなメーカーも、安全規制を言い訳にし、サイズアップ重量アップし、それを動かすためにパワー&トルクアップさせた。

日本では、5ナンバーサイズを平気でハミ出すクルマばかりになった。車重は、1.5tを切るクルマすら、軽いと謳うようになった。

このSW20型MR2、出たのは1989年だったかと思う。5ナンバーサイズ、先代AW11の1.6リッターから2リッターに拡大されたコトで、車重とパワー&トルク塩梅が良くなった。ハンドリング的にピーキーと言われたが、誰もがその領域まで走れるワケではない。

ミドシップ2座のコンパクトカーとして、イメージにあるのは、フェラーリディノ246やランチアストラトスだが、用途の特殊性や生産台数が全く違う。エンジンはF2用だったりラリー用ベースマシンだった。2.4リッターV6エンジンで、200馬力弱。対して、日本のこのミドシップ2座は、2リッター直4、生産効率高いFFをミドシップにしたルーツを持ち、量産車両として鉄モノコックと高い信頼性を持っていた。ターボもあり、動力性能的には超す部分もあった。

モノコックボディーに量産FFコンポーネントを位置替えしたミドシップとして、このクルマくらいがちょうど良いと感じる。

他国のミドシップを見ても、コレほど優れたコンパクトミドシップは、史上存在していない。ロータスは接着カーボンモノコックにより、エンジンの割にバカ高い。MGはエンジン馬力や車重的に物足りない。後継機種のMRSを見れば、ホンダの軽ミドシップ同様、何でミドシップをオープンにする必要あるのか、疑問なくらいだった。

初代NSXは、総アルミが疑問でしかなく、パワーを受け止める上でモノコックの限界を感じた。ホンダなら二輪のノウハウもあったのだから、鉄フレームないしアルミボックスフレームで車体を作っていたら、もっと大馬力にも対応する車体になったろうし、大馬力バリエーションやレース用途モデルも全く変わっていたろう。

それらを鑑みても、最もバランス良いクルマだったと思っている。3台目を持てるなら、探したいクルマだ。

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ピーキーなⅠ型を乗りこなしてみたい!」で選んだ1台|1990年式 トヨタ MR2 Gリミテッド Tバールーフ Vol.3
7/10(土) 7:00 Yahoo!ニュース
  
オーナーの庄司充さんは、以前R32スカイラインジムカーナをやっていた。そこでSW20のクイックな走りに魅力を感じ、購入を決意。しかし、改良が進んだⅡ型以降ではなく「ピーキーなⅠ型を乗りこなしてみたい!」ということから、このI型を選んだそうだ。
【1990年式 トヨタ MR2 Gリミテッド Tバールーフ Vol.3】
10年という長いモデルライフを経て1999年に生産終了した【2】から続く

センターコンソールをドライバー側にオフセットしたコクピットなど【写真19枚】

 また、幾度となく繰り返されたマイナーチェンジもSW20の特徴といえよう。

 Ⅰ型と呼ばれる初期モデルは、初代からの流用部分が多く、エンジンのパワーアップと車両重量の増加に対応しきれず、ピーキーな性格を持っていた。1991年のマイナーチェンジではそういった欠点を補うべく、サスペンションのセッティング変更やブレーキの容量アップが図られた。そして、その後も改良は続き、計4回の大掛かりなマイナーチェンジを実施。最終的にはすべてにおいて手が入れられたといっても過言ではなく、エンジンはターボが245ps、自然吸気が200psまで高められた。

 このように年々熟成されていったSW20は、10年という長いモデルライフを経て1999年に生産終了。それと同時に、「MR2」の名にも終止符が打たれた。そして、その後トヨタミッドシップスポーツの血はオープンボディのMR‐Sへと受け継がれたが、SW20にこだわり続ける人は少なくない。 

独自の路線でSW20を楽しんでいます。/OWNER’S VOICE  オーナーは、以前R32スカイラインジムカーナをやっていた。そこでSW20のクイックな走りに魅力を感じ、購入を決意。しかし、改良が進んだⅡ型以降ではなく「ピーキーなⅠ型を乗りこなしてみたい!」ということから、このⅠ型を選んだそうだ。

 そんな愛車は、ほかのSW20とはちょっと違うテイストで仕上げられている。スポーツ系チューニングが多いSW20のなか、オーナーはあえて上級・高級志向のカスタムを楽しんでおり、インテリアはその方向性がもっとも表れている部分。ただし、いかにも「イジッてます」という雰囲気ではなく、純正風を保ちたいという。
 現在は本誌でもおなじみのサンブリッヂでメンテナンスをしており、代表の佐橋さんに全幅の信頼を寄せている。そして「Ⅰ型は少なくなってきましたが、できるだけ乗り続けたいです」とオーナーは思いを語ってくれた。

 

1990年式 トヨタ MR2 Gリミテッド Tバールーフ(SW20)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4170×1695×1240
ホイールベース(mm)  2400
トレッド前/後(mm) 1470/1450
車両重量(kg)  1210
エンジン型式  3S-GE型
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1998
ボア×ストローク(mm) 86.0×86.0
圧縮比 10.1:1
最高出力(ps/rpm) 165/6800
最大トルク(kg-m/rpm) 19.5/4800
変速比 1速 3.285/2速 1.960/3速 1.322/4速 1.028/5速 0.820/後退 3.153
最終減速比 4.176
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ前・後 195/60R14・205/60R14
発売当時価格 229.5万円
Nosweb 編集部

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