クルマ作り、70年代。

70年代は、日本と言わずドイツと言わず、ハコ車のレースも盛んだった。シルエットフォーミュラーを頂点に、フレッシュマンからハコレースは行われた。そんな日本で、確固たる地位を築いたのが、ニッサンR380の片バンクたるS20型エンジンを積むKPGC10だったし、その地位を引き摺り降ろしたのが、サバンナGT、RX3だ。この頃は、サバンナだけでなく、ルーチェやカペラやファミリアにもロータリーがあった。

ポルシェ911は当初不振だったし、70年代は持たないと言われ、FRの924や928開発に着手された。しかし、当時のアルピーヌらがそうであったように、RRならではのトラクションはモータースポーツに活きた。70年代に入り、911Rというハイチューンな210馬力の2.4リッターフラット6を出した。そして、モータースポーツ用のカレラRSRのベースとするべく、2.7リッターのカレラRS2.7を73年に出した。以後、ダックテール形のスポイラーから、ホエールテールと呼ばれたカレラウイングのRS3.0に発展した。コレらはモータースポーツに参加し各クラスで戦果を出しつつ、3リッターの930ターボに発展した。あくまで、祖先だった。

 

 

 

 

 

 

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戦うことで磨かれた性能! 1970年代に活躍したハイパフォーマンスカー3選
9/23(木) 6:10 Yahoo!ニュース
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昭和の時代に誕生したレース直系のマシンたち
 かつてクルマの進化に欠かせない存在だったのがモータースポーツです。とくに市販車をベースにしたレースやラリーでは、ベースモデルのポテンシャルが重要で、さらに勝利することはメーカー・車種共にブランドイメージの向上にも繋がりました。

【画像】昭和のスポーツカーのカッコよさはスゴい! レースに直結した高性能車を見る(31枚)

 
モータースポーツに直結した昭和の高性能車たち
 そのため、世界中のメーカーは第二次世界大戦以前から、積極的にモータースポーツへ参加。国内メーカーも同様で、1960年代から1970年代初頭はレースに参戦することは必然といえました。

 これまで数多くのモータースポーツベース車や、モータースポーツに由来するクルマが誕生していますが、なかでも1970年前後は世界的にも優れたモデルが登場しています。

 そこで、1970年代に活躍した国内外のハイパフォーマンスカーを、3車種ピックアップして紹介します。

●日産「スカイライン GT-R

 
レースでの勝利を担って開発された初代「スカイライン GT-R
 日産の現行モデルのなかでもっとも長い歴史を持つのが「スカイライン」で、初代は日産と合併する以前のプリンス自動車のさらに前身である富士精密工業から、1957年に発売されました。

 そして、1963年にプリンスから登場した2代目では、「グロリア」用の6気筒エンジンを搭載した「スカイラインGT」がレースで活躍し、第2回日本グランプリでは純粋なレーシングマシンに近いポルシェ「904」との伝説的なバトルが今も語り継がれています。

 1968年にはプリンスと合併した日産から、3代目(ハコスカ)がデビュー。1969年に、さらに高性能化され、レースへの参戦と勝利を目的に開発された「PGC10型 スカイライン GT-R」が誕生しました。

 初代スカイライン GT-Rのボディは当初4ドアセダンのみで、外観ではスタンダードな6気筒モデルと大きく変わっていません。

 パワーユニットはプリンス時代のレースマシン「R380」用をベースとして市販車用に再設計した2リッター直列6気筒DOHC4バルブの「S20型」エンジンを搭載。市販仕様の最高出力は160馬力(グロス、有鉛ハイオク仕様)を発揮し、レース仕様では最高出力210馬力までチューンナップされました。

 デビュー戦は1位のマシンがペナルティによりスカイライン GT-Rが繰り上がって優勝という、辛勝ながらもデビューウィンを果たします。

 そこで、日産はさらなる戦闘力アップのため、1970年にスカイライン GT-Rは2ドアハードトップの「KPGC10型」へと移行。外観はリアフェンダーにリベット留めのオーバーフェンダーが装着されるなど、よりレーシーなイメージへと変貌しました。

 その後、熟成を重ねながら台頭するライバルたちを抑え続け、ついに1972年3月、前人未踏の累計50勝を達成。同年10月のワークス活動休止までに通算52勝という大記録を打ち立てたのです。

マツダ「サバンナ GT」

 
レースでは勢力図を大きく塗り替えることに成功した「サバンナ」
 1967年にマツダは、世界初となる量産ロータリーエンジン搭載車の「コスモスポーツ」を発売。その後、マツダロータリーエンジンを主力に搭載車の拡大を図り、1971年には「10A型」ロータリーエンジンを搭載した、初代「サバンナ」が登場します。

 サバンナは軽量コンパクトで高出力なロータリーエンジンの特徴を生かしたスポーティカーとして開発されました。

 ボディタイプはクーペとセダンを設定し、後にステーションワゴンを追加。外観では中央が尖ったフロントノーズの下に大きく開けられたハニカム状のフロントグリル配置し、丸型4灯式ヘッドライトと相まって力強さをアピールします。

 サバンナは全車ロータリーエンジンを搭載した高性能モデルながら、比較的安価な価格設定で若者を中心に人気を獲得しました。

 そして、レースの世界では前述のスカイライン GT-Rと戦い、発売翌年の1972年には輸出用の「RX-3」をベースにした「12A型」ロータリーエンジン搭載車が持ち前のパワーを生かし、無敗神話を誇っていたスカイライン GT-Rと激闘を繰り広げ、遂に打ち負かしました。

 同年、このレースカーの市販モデルとして「サバンナGT」を発売。最高出力120馬力を誇る573cc×2ローターの12A型ロータリーエンジンを搭載し、足まわりも強化され、サーキットの外でもスカイライン GT-Rのライバルとなります。

 初代サバンナは、1976年には単一車種で国内レース通算100勝を挙げるほどの圧倒的な強さを見せ、若者からさらに絶大な支持を得ました。

●ポルシェ「911カレラ RS 2.7」

 
今や伝説的なホモロゲーションモデルの「911カレラ RS 2.7」
 ポルシェ「911」は1964年に初代が発売され、現行モデルは8代目と歴史あるモデルです。現在まで一貫して、駆動方式は基本的にリアエンジン・リアドライブを継承する、世界でもっとも知られたスポーツカーの1台といえるでしょう。

 誕生以来911モータースポーツは密接な関係にあり、初期のモデルで今や伝説的な存在となっているのが「911カレラ RS 2.7」です。

 911カレラ RS 2.7はレース出場のため、規則で定められた最低製造台数を満たすことを目的に、ポルシェが1972年に発売したモデルで、モデルイヤーが1973年なので「ナナサンカレラ」と呼ばれています。

 同時に、伝説のロードレース「カレラ・パナメリカーナ」に由来する“カレラ”という名が付けられた最初の911です。

 外観では俗に「ダックテール」と呼ばれるユニークなリアスポイラーが特徴で、スタンダードモデルよりも若干ワイドフェンダーとされ、後に「カレラボディ」と呼ばれるデザインを確立。

 バリエーションは装備やシャシチューニングよって3タイプあり、「レーシング」「スポーツ」「ツーリング」を設定し、エンジンは2.7リッター空冷水平対向6気筒SOHCで最高出力は210馬力を発揮。最高速度は240km/hをマークするなど当時としてはかなりのハイパフォーマンスを誇りました。

 なお、総生産台数はわずか1580台、日本には14台のみが正規輸入されたという記録が残っていますが、価格高騰している空冷911のなかでも、希少価値からオークションでは1億円で落札された実績があります。

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 冒頭に紹介したスカイラインGT-Rというと、1989年に登場したR32型もレースで勝つことを目的に開発され、実際のツーリングカーレースでは無敵を誇りました。

 また、同様なモデルでは三菱「ランサーエボリューション」とスバル「インプレッサ WRX」も、ラリー車のベースとして開発され、両車は最大のライバル関係にあり、まさにお互いを切磋琢磨するように性能の向上が図られたことは有名です。

 現在も高性能車は存在しますが、こうした市販車ベースのビッグレースが縮小してしまったこともあり、開発の方向性も大きく変わってしまったといえるでしょう。
くるまのニュース編集部

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