バカな新車ヨイショ!相変わらずのモータージャーナリスト。

今のモータージャーナリスト、この期に及んでも出る新車を礼讚し、古くなると貶すだけのお囃子をやるのか?

このミドシップ6.2リッターV8コルベットも、例に漏れず盲目的に礼讚しまくっている。

何故、リヤエンジンやミドシップなのか?本来は、効率の良い動力伝達を探ったレイアウトだった。最小限の動力でも最大限の運動性を発揮するためのミドシップだ。まして、2座しかないスペースと車体、必要な馬力はある程度で良いのだ。

2座のスペースと求められる車体、バカ馬力は不要なのだ。車両重量として1,300キロ以上は不要、その重量内なら400馬力以上は不要だと思う。

バカ馬力やバカ装備を積むために、耐え得るバカ剛性とバカ重量車体を作る。必然的に高額になる。それらを、ちょっと軽くするために、バカコストかけて高価格車両も設定する。世界中のクルマ作りは、ほぼ同じ方向だ。

こんなモノの虜?自ら、バカを宣言するようなモノだ。

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“虜”にならない方がおかしい
2021/11/21 21:00 GQ JAPAN3

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歴史あるFRスポーツからリアミドシップへの大転換を遂げた8世代目(C8)となるコルベット。将来の電動化への布石でもある進化は、6.2リッターNAの走りをどのように変えたのだろうか?

“電動化”を見据えた、ミドシップへの大転換

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コルベットがリアミドシップに大変身すると聞いたとき、真っ先に思ったのが「これは電動化対策の一環だな」、だった。

高性能モデルを電動化する場合、一気にBEVへともっていくのも1つの手だ。それならばパッケージングはエンジンを使うときよりも自由度が高い。けれども、エンジンの存在そのものに特徴や意味のあったモデルの場合、エンジンとモーター、そして比較的高性能なバッテリーを組み合わせたPHVをセットアッパーに使いたくなる。

そうすると、例えばコルベットのようなFR(フロントエンジン/リア駆動)モデルの場合、途端に重いバッテリーの搭載位置が問題になってくる。車体の重心近く=ドライバーの近くに置いても重量物が前(エンジン)と真ん中(バッテリー)に分散することになり、ダイナミックパフォーマンスに影響が出てしまうからだ。そう、端的に言って置き場に困る。

その点、リアミドシップ(MR)ならそもそもエンジンをドライバーの背後に置いているため、バッテリーを追加しても車体の重量バランスに与える影響はFRほど悪くない。エンジンをさらに小型化するなり、ダウンサイジングするといった工夫は必要となるが、増えた重量をカバーするパフォーマンスを電気モーターに任せることができさえすれば、何とかなる。実際、マクラーレンフェラーリの新型ミドシップはそうやって従来からのICVモデル(エンジン車)より高いパフォーマンススペックを得ている。そして一度ミドシップパッケージを成立させておけば、フルバッテリーモデルへの転用も比較的スムーズだ。たとえばマセラティがMC20で目論んでいるように。

その先を見据えた場合、高性能車にとっては良いことづくしのミドシップ化。とはいえ、コルベットの場合、FRスポーツカーとして最も歴史あるレイアウトからの大転換だ。議論は沸騰したに違いない。結局のところ、“生き残り”をかけてミドシップを選んだということだったのだろう。そしてやるからには、悲願のスポーツカー世界一を目指す。おそらくそれくらいの意気込みを見せられて初めて、FR守旧派ミドシップ転向派の説得を受け入れたに違いない。完成した新型コルベットに3000kmほど乗ってみての、それは想像に過ぎないけれど。

果たして、コルベットは驚くほどの進化を遂げた。もとよりコルベットにとって最も大事なキャラクターであったグラントゥーリズモ性能を一段と向上させたのみならず、これまで一部のグレードに限られていたリアルスポーツカー性能も、日本におけるベースモデル2LTで既に世界一級に躍り出た。先だって発表されたZ06はきっと8気筒ミドシップカー界において、いろんな意味で(たとえばフラットプレーンの大排気量NAを積んだ今唯一のミドシップスーパーカーとして)世界の頂点を極めることになるだろう。世界はもっと先を行っているって? 心配無用。コルベットはこの先、PHV、そしてBEVへと長足に進化すると思われる。

どこまでも飽きずにドライブできる

実際に乗ってみるとどうだったのか。その”運転しやすさ“にまずは驚く。この時点でもはやコルベットではないと思ってしまうのだが、それでもいいと納得するほど良い。クルマがよく手に馴染んで動くという感覚は初代アウディR8やマクラーレンMP4-12C以来の衝撃だ。急激な入力を抑え弾性も十分なフラットライド感と相まって、とにかく操りやすい。そのうえ8速DCTがよく調教されており、街乗りでも6リッターを超えるV8エンジンを動かしているとは思えないほどスムーズ。

静粛性の高さも特筆できる。余計な音を遮断する能力の高さは、安楽なグランドツーリングに必須のポイント。窓を開けていたらうるさい工事現場に遭遇し、閉めてみたらピタッと聞こえなくなった。そのぶん、V8エグゾーストサウンドも少し控え目に感じられるのは致し方なしか。どうしてもサウンドをもっと聴きたいという人はコンバーチブルを買って、リアの垂直ウィンドウだけを開けて走るほかない。

フロントアクスルはどこまでも安定している。ツーリングモードでは操舵フィールにずっしりとした確実性があった。フロントスクリーンから見えるフェンダーまわりの景色もまた、視線を安定させることに役立っている。

街乗り、高速ドライブともに旧型を大いに上回る完成度である。そのうえでワインディングロードに繰り出せば、これはもう“虜”にならないという方がおかしい。OHVエンジンはよく回り、高回転域ではアメリカンなサウンドを撒き散らす。ハンドリングとブレーキングはドライバーの操作に忠実で扱いやすいことこのうえなし。パワーも扱いきれないほどではなく、それでいて遅いと思うこともない。まるでライトウェイトスポーツカーでも操っているかのように攻め込んでいける。これならサーキットドライブも大いに楽しいはず。もし虜にならないとすればそれは貴方が“これはアメ車のコルベットなんだ”という固定概念に囚われているからに違いない。

筆者は東京から京都、京都から博多、博多から宮崎へと2泊3日のドライブをこのコルベットと共にした。どこまでも飽きずにドライブできるという感覚は、これまでどんなスーパーカーでも味わったことがない。コルベットということで妙な緊張感もなく(何といっても同じクラスのイタリアンに比べて価格は3分の1だ!)、それでいてドライブフィールは超一流で、クルマの動きは素直極まりなし。つまり、疲れ知らず。1日500km以上のドライブをこれほど安楽にこなすスーパーカーもまた初めてだった。

告白しておこう。C8コルベットがほしい。できればZ06で世界最後の大排気量自然吸気ミドシップカーをマイカーとして味わってみたいと思っている。

文・西川淳 写真・タナカヒデヒロ 編集・iconic

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