FFとFR?FWDとRWDと考える方が・・・。

そもそも、基本はFRだった。縦に置いたエンジンとミッションをプロペラシャフトを介してリヤに動力を伝え、デファレンシャルで左右に配分する。舵をフロント、駆動をリヤに配分する考えだ。

その考えを引き継ぎつつ、昔、エンジン出力が大きくなかった頃、そのエンジンを駆動輪に伝えるべく、ポルシェやVWやルノーみたいなRRが出た。

一方で、フロントにエンジンを横置にし、ミッションを並べて、デファレンシャルで分配しつつ、ステアリングと共用したのがFFだ。フロントが短くて済み、リヤへの伝達が必要なく、理論的には床を平らにしても良く、キャビンを広く取れる。ミニクーパーやホンダ車など、コンパクトカーを中心にこのレイアウトは広まった。フロントに舵だけでなく、駆動まであるコトで、舵にも影響がある。しかも、コーナーリング中のアクセルオンにより、後ろに荷重移動するコトによるアンダーも出る。

FRと言わずミドシップと言わずRRと言わず、楽しさはフロント舵、リヤ駆動のクルマが良いのだ。FFはスペース効率のためのクルマだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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あ~、やっぱり気になる!! ホントのところFRとFFはどっちが楽しい?
11/23(火) 20:00 Yahoo!ニュース
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ベストカーWeb
 ベストカーWebの読者なら、クルマ用語でのFFとFRの意味は知っているはずだが、念のため説明しておくと、FFは「フロントエンジン・フロント駆動」でFRは「フロントエンジン・リア駆動」だ。

【画像ギャラリー】FRとFF、アナタならどっちを選ぶ?(14枚)

 乗用車の駆動方式としてポピュラーなこのふたつ、実際の優劣はあるのか?あるとすればそれはどこに?そしてどっちが楽しい?この記事では、あらためて両者のメリット・デメリットを考えていきたい。

 文/長谷川 敦写真/トヨタ、日産、ホンダ、スバル、Newspress UK、Favcars.com

FFはなぜ乗用車の主流になったのか?
 
FFの強みを生かしたコンパクトな車体を完成させて脚光を浴びたローバー ミニ。ショートホイールベースであっても後部座席に想像以上の空間を作りあげた
 意外に思えるかもしれないが、世界初の「自動車」と呼ばれるキュニョーの砲車はFFだった。18世紀に登場したこの砲車は蒸気機関によるエンジンを車体前部に積み、前輪を駆動していたのだが、これは少々例外であり、20世紀に入っての一般的な乗用車での駆動方式はFRが先行していた。

 FF方式には前輪を駆動しつつ操舵する機構が必要になり、それには動作角の大きいドライブシャフト(ジョイント)が必須。しかし、複雑になりやすいこの機構の開発とコストダウンには時間がかかり、その間にFR車が次々と開発され、世界のモータリゼーションも発展していった。やがて、効率の良いドライブジョイントが開発されると、FF車の攻勢が始まった。

 FFのメリットはスペース効率に優れること。乗用車では運転席前部にエンジンを搭載するが、そのまま前輪を駆動してしまえば、リアには大きな空間を確保でき、後部座席に余裕が生まれる。同時にトランクのサイズもリアに駆動機構を持つFRよりもたっぷりとしたものになる。

 こうしたメリットが武器になり、1960年代から70年代にかけて、特にコンパクトな大衆車でFF車が大きくシェアを拡大した。これはコンパクトモデルにおいてスペース効率の利点が多いからだ。そして現在、コンパクトカーのみならず、セダンでもFF方式を採用するものは珍しくなく、FF全盛とも言える状況になっている。

歴史あるFRだが、時代の流れは不利に
 
現代版FRスポーツの代表格ともいうべきトヨタ GR86とスバル BRZ。操縦性を最優先してFRレイアウトを採用。往年の名車AE86の思想を受け継いでいる
 初期の大衆車は車体後部にエンジンを搭載して後輪を駆動した。このRR方式の代表的なモデルがフォルクスワーゲン タイプ1、通称ビートルである。

 しかし、エンジンの冷却や振動、騒音などの問題もあり、エンジンを車体前部に積んで後輪を駆動するFR方式が考案された。RRに比べるとスペースが有効に使用でき、さらに整備性も向上するなどのメリットがあるFRはすぐに乗用車の主流スタイルになり、それはFFの台頭まで続いた。

 FR車ではエンジンの駆動力を後輪に伝えるためのプロペラシャフトが装備され、その駆動力をさらに左右の後輪に伝達する機構も必要だ。これが重量増を招くものの、駆動輪である後輪の荷重を増やすこともできるため、ハンドリング上のメリットにもなりうる。

 だが、実用面においてはFFに分があることが多く、大衆車市場ではFFの優勢を許してしまっている。

FFとFR、実際のところはどっちが楽しい?
 実用性や機構面でのメリット・デメリットについて知ったうえで、改めて考えたいのは「楽しいのはどちら?」という点だ。

 乗用車は実用使用が主であるが、趣味的な側面があることも否めない。単なる移動ではなく、移動中の運転も楽しみたいと思う人は多いだろう。そこでここからは、運転の楽しさという観点からFFとFRを見ていこう。

アンダーステアの克服がFFのカギ
 
ホンダ シビックタイプR。2017年、ドイツのニュルブルクリンクサーキットにおいて当時のFF車最速タイムを叩き出した。2022年に新型の登場が予定されている
 スポーツドライビングを考えると悩みの種になるのは、FF車のアンダーステアだ。簡単に説明するとアンダーステアというのはハンドルを切ったとおりにはクルマが曲がらないことで、コーナリング速度を落とす要因になりやすい。

 FF車は構造上車体前部に重量物が集中しているため、まっすぐ走っている状態からハンドルを切っても、向きが変わりにくいという性質がある。これは重いものを動かすのに大きな力がいるのと同じ理屈だ。

 ただし、コーナー進入時のブレーキングによって前輪の荷重が増えると後輪のそれは減るので、前輪の荷重が大きくなると今度はフロントを軸にクルマが旋回するようになる。これがFF車で顕著に見られるタックイン現象だ。ちなみにタックインはナイターなどと同じ和製英語

 初期のFF車ではタックインが強く出たが、現在のFF車では、車体設計やサスペンションの進化によってこの現象がほぼ抑制されている。しかし、重量配分と駆動と操舵を一手に引き受ける前輪の負担からくるアンダーステアを本質的に解消することはできない。とはいえ、通常走行においてそれを感じることがほとんどないのもまた事実だ。

 現代のFFスポーティ車の代表格はホンダのシビックタイプRやスズキのスイフトスポーツなどがあげられる。いずれもコーナリング性能の高さが評価されていて、FRモデルにひけをとらないポテンシャルを有している。

FR神話はどこまで続くのか?
 
現在では神話的な人気を獲得しているAE86(写真はスプリンタートレノ)。絶対的な性能よりも、FRによる乗り味の良さがこのクルマの人気の要因だ
 FR最大の特徴は後輪を駆動すること。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担ができるため各タイヤの負担が少なくなり、FFに比べるとリア寄りの重量配分も、運動性能面ではメリットになる。

 クルマが加速する際には荷重がリアにかかるが、FFの場合はこれが駆動力をスポイルする要因になる。反対にFRではトラクション向上につながるため、後ろからの"蹴とばし感"が強くなり、ドライブの楽しさをアップしてくれる。

 ここまで見るとFR車は良いことばかりに思えるが、アンダーステアが出にくいということは、ドライブのシビアさにつながる。つまりFR車を乗りこなすには、それ相応のドライブテクニックが要求されるということ。その文ぶん乗りこなせた時の喜びが大きいとも言える。

 FF車全盛の現代にあってもFRの人気は根強く、トヨタは2012年にリリースした86のモデルチェンジを行い、FRスポーツの生産継続を決めている。このモデルの原点でもあるAE86(1983年)はFRのメリットを最大限に生かした走行性能を発揮し、発売から40年近くが経過した現在でもその人気を維持している。

FFvs.FR問題!果たして決着はつくのか!?
 
ノーマル車のスポーツチューンではなく、当初からスポーツ走行を想定して開発されたスズキ スイフトスポーツは、シビックタイプRと並ぶ打倒FRの筆頭格
 さて、ここで本記事のタイトルに戻ろう。「FFとFRのどっちが楽しい?」だ。ドライブという観点からは「FRのほうが楽しい」と答える人が多いはずだ。近年はスポーティFFの進化も著しく、操縦性の弱点もかなり改善されている。

 FF特有の動きを残しつつ、難点を改善したモデルのドライブはもちろん楽しい。とは言うものの、ことスポーツドライビングに関してなら、やはり「FRのほうが楽しい」といえる。

 しかしながら、これらはあくまで主観的なもの。理想は日常の足として使うFF車と、スポーツ走行用FR車の2台持ちだが、経済的にこれを実現できる人は限られている。実用車であっても操縦性重視という人はFRを選ぶし、実用性も考えつつスポーツ走行を楽しみたいならスポーティFFがお薦めだ。もはやこれは個人個人の希望や環境に合わせるしかない。

 今回は玉虫色の結論になってしまって申し訳ないが、このように書かざるをえないことも理解してほしい。では「MR(ミドシップ・後輪駆動)や4WD(4輪駆動)はどうなの?」と聞かれると、それはまた別の話ということで……。

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