福山雅治「ラストマン」、圧倒的な熱量?イヤ、圧倒的物量作戦だ!

福山雅治「ラストマン」、圧倒的人間ドラマの熱量?イヤ、とにかくコケないため、キャスティングの圧倒的物量作戦じゃん!

とんでもないキャスティングだった。

福山雅治の相棒に大泉洋、サポートオッパイに今田美桜王林、元妻や元カノに木村多江と吉田羊、大泉の警察一家に寺尾聰上川隆也森口瑶子と永瀬廉、コレだけでも通常のドラマを遥かに凌ぐ。警察や毎度の犯人や被害者関係者もスゴいキャスティングだった。水谷豊「相棒」でさえ、この物々しいキャスティングがこんなに続くと思われなかったし、高樹沙耶成宮寛貴みたいな犯罪者や大杉漣芦名星のように死者も出た。

元々、TBSの日曜21時ドラマ、そんなに続編はない。

福山雅治のドラマで続編って、「ひとつ屋根の下」や「ガリレオ」くらいじゃない?

そうそうないだろ!

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『ラストマン』福山雅治が日曜劇場リベンジを完遂 圧倒的な人間ドラマの熱量
6/26(月) 6:03 Yahoo!ニュース
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日曜劇場『ラストマン-全盲の捜査官-』©︎TBS
 『ラストマン―全盲の捜査官―』(TBS系)最終話を観終えた今、湧き出る感慨を抑えることができない。大団円とはこういうものだと納得するとともに、希望を抱かせるラストシーンに目頭が熱くなった。

【写真】病室で一堂に会した福山雅治大泉洋上川隆也寺尾聰津田健次郎

 はやる気持ちをなだめつつ、簡単に内容をおさらいしよう。41年前の真実を追う皆実(福山雅治)と心太朗(大泉洋)だったが、泉(永瀬廉)が刺され、犯人が山藤(金田明夫)と知ってショックを受ける。警察の威信をかけた捜査に加えて、池上(渡辺哲)殺しの黒幕である大物政治家の弓塚(石橋蓮司)を起訴に持ち込むため、検察特捜部も動き出す。その結果、土地取引や道路建設事業をめぐる談合や暴力団との癒着が明らかになった。41年前の事件にも弓塚が関与しており、投資に失敗して多額の借金を背負った皆実の父・誠(要潤)は弓塚をゆすろうとして、反対に池上を介して雇われた鎌田國士(津田健次郎)に殺された。もみ消しに加担した清二(寺尾聰)も自らの罪を認め、一件落着と思われたが皆実と心太朗は釈然としない。入院中の鎌田を訪ねると、そこには清二の姿があった。

「触れてはならないパンドラの箱に入っているのは、もっと小さな秘密なのではないか」

 ミステリー・サスペンスにおいて最大の謎は人間であり、そこにこそ物語の醍醐味がある。刑事ドラマの見せ場である大捕り物/捜査を前半でコンパクトにまとめた『ラストマン』最終話では、尺をたっぷり取った後半で41年という時間の連なりとそこで織りなされる人間模様を、映画さながらの筆致で描き出した。

 ここで明かされた真相はある意味平凡なものである。多くの視聴者がうすうす気づいていた皆実と心太朗の間にある特別なつながりと背景は、誤解を恐れずに言えば典型的な昭和のメロドラマであり、ノスタルジーを濃厚に感じさせるものだった。経済成長を続ける時代に出会った鎌田と妻の勢津子(相武紗季)は将来を誓い合うも、地上げ屋の誠によって仲を裂かれる。誠の黒い嫉妬がむごたらしい帰結を招き、不正に手を貸していた若き日の清二(奥野瑛太)が自らの罪とともに葬ろうとしたことで冤罪が生まれた。“殺人犯の父親”はこうして誕生した。

 2人の息子の幸せを願って自ら犠牲となり、塀の中で過ごした41年は永遠のように長い時間だったろう。鎌田との約束どおり、清二は心太朗を警察一家の一員として育て上げた。自ら手を汚し、それを隠してきた清二は、後ろめたさを感じてきたはずだ。それでも自身の決断に迷いはなかったし、信じる正義を貫いてきた。ただし、そのことが法の精神にかなうかは別である。清二がついた嘘や隠した真実は心太朗の心に暗い影を落とし、ゆがんだ正義感を育むことになった。

 小さな過ちを隠すため無実の人々を罪に追いやることの教訓もさることながら、ここには圧倒的な感情の奔流があった。それぞれの思いがぶつかり、渦を巻いて溶け合うところから発する圧倒的な熱量に、これぞ日曜の夜にふさわしい劇場と膝を打った。その中心にいたのは福山雅治大泉洋である。完落ちの寺尾聰を前にしたがっぷり四つの熱演は、本作のクライマックスだった。

 あらためて『ラストマン』というタイトルについて考える。自らが罪をかぶり、また汚れ役を引き受けた鎌田もラストマンだったのではないか。強大な相手に立ち向かい、たった1人になっても闘い続ける。その思いに触れたのは、皆実と心太朗が覚悟を決めて過去と対峙したからである。生きている限り過去から離れることはできないが、そこに未来への道があるという示唆は希望を与えるものだ。本作は福山にとって『集団左遷!!』(TBS系)以来の日曜劇場リベンジとなった。続編が観たいかと聞かれたら、答えはもちろん「アグリー」である。
石河コウヘイ

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