選手もマスコミも、日米野球育成格差最大要因"甲子園"のメリットをわかってないの?

日米育成格差最大要因"甲子園"のメリットをわかってないの?

日本高校野球、イヤ、アマチュア野球の頂点が春夏の甲子園だと言って良い。高校野球は、公式戦に負けられないのだ。ベストであろうとなかろうと、勝たなくては明日はない。勝ち続け、上のレベルの大会で磨かれるのは、野球スキルや勝負スキルだけではない。勝ち続けるための調整スキルやキチンと生活バランスを取る人間スキルも向上する。個人がデキなくても、組織マネジメントとして身に付く。個人は、日々勝つために最善の貢献を探り、実践しようとするし、そのために必要なトレーニングを欠かさない。日々勝つため、向上し続けるようトレーニングし続けるために、瞬発力に偏るトレーニングはしない。能力発揮のための瞬発力同様、クルージングレベルの底上げのため、持久力トレーニングも欠かさない。

本来、10代に鍛練してないアメリカの若者をMLBファームで育成するためのアメリカ式瞬発力偏重トレーニングを、筑波大運痴学者達請け売りで10代中盤の日本の若者にやらせた例が大船渡高佐々木朗希だ。だから、今になっても持久力問題で、指先のマメから左内腹斜筋損傷にまで回っている。全治延べ2ヶ月で、今季絶望だ。

花巻東大谷翔平の場合、佐々木監督は大谷翔平と話し合い、甲子園と160キロ両方を目標に瞬発力と持久力バランスを模索してトレーニングメニューを作った。カレは左腰を押さえて投手として降板したり、トラブルは出ていても、打者ではその試合中に40号打ったりしている。

 

 

 

 

何だか、ところどころおかしい表現多くない?バスケットボールじゃないョ!185センチって、小柄?MLBでも、投手はデカいけど、野手はデカいヒトも小さいヒトもいる。NPBなら、185センチって巨人坂本クラスじゃないの?ちょっと前までは、日本人でベストなムーブメントがデキるのは、175~185センチまでと言われていたハズ。巨人でも馬場正平に限らず、何人か190センチ周辺やそれ以上の選手を獲ったが、モノにならなかった。藤浪晋太郎大谷翔平は10代に甲子園をターゲットとして、連戦連投勝ち抜くコトを念頭に、キチンとトレーニングしたから、純日本人でデカくても機敏に動ける。しかも、ボクサーほどでなくても、勝ちに行くメンタルが養成される。

伸び伸びと野球やりたいなら、アメリカでもドコでも行けばいい。ナリだけ大谷翔平に似せるコトはデキるかも知れない。しかし、メンタルから生じる集中力は、身に付かない。

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「甲子園に行くってメリットあるんですか?」有望中学生の質問にハッとした話…好きなプロ野球選手は“とにかくカッコいい”マックス・クラーク
8/3(木) 11:02 Yahoo!ニュース
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ポニーリーグ、6月のアジア大会「U16コルトの部」で優勝した日本代表選手たち photograph by Yuki Kashimoto
 有望選手は甲子園に出て活躍して、プロを目指す――そんな価値観が変わりつつあるのかもしれない。メジャーを夢に「アメリカの高校」を志望する中学生、そして日本の強豪校から米大学に留学後MLBからドラフト指名を受けた西田陸浮。2人の取材から、野球キャリアの変化を探った。〈全2回の#1/#2へ〉

【画像】「まるでアイドル…どう見ても高校生じゃない」「日本の中学生から大人気の野球選手」メジャー1巡目・マックス・クラークって何者? 「えっ、中学生でサングラス&アイブラック?」中学野球の現場写真まで一気に見る

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「甲子園に行くことって、どんなメリットがあるんですか?」

 中学生からの質問にハッとした。今までそんな疑問を投げかけられたことがなかったからだ。質問主は、中学硬式野球・ポニーリーグの神田Rebaseポニーに所属している中学3年生の外野手・松本怜青(れあ)だ。全国的にはまだ無名の選手。16歳以下で構成される「U16コルトの部」の日本代表選手として、6月のアジア大会(千葉開催)で優勝。決勝のフィリピン戦では低反発バットで市原ゼットエーボールパークの右翼98mのフェンスに直撃する三塁打を放った。7月下旬のコルト・ワールドシリーズ(米・イリノイ州マリオン市)進出の立役者となった一人だ。

憧れの「マックス・クラーク」…何者?
 そんな松本は同じ左投げ左打ちの高校生外野手「マックス・クラーク」を崇拝している。7月のメジャードラフト会議で米・フランクリンコミュニティ高校からデトロイト・タイガースのドラフト1巡目(全体3位)指名を受けた、俊足巧打の高校3年生だ。日本も参加した2022年のU18W杯・カナダ戦で、同点2ラン、決勝で3安打を記録。投手も兼任して優勝に貢献したメジャーのスター候補である。

 憧れの理由を、松本は瞳を輝かせてよどみなく話す。

「身長は185cmで小柄なんですけど、身体能力がすごいんです。MLBの指標となっているファイブツール(ミート力、長打力、走力、守備力、送球力)で総合60点くらいあって(高水準な選手を表す)『5ツールプレイヤー』と言われています。ピッチャーとしても155くらい投げるんです! 野球の能力はもちろんなのですが、一番好きなところは、とにかくビジュアルがカッコいい!」

「甲子園行きたい」は今も多いが…
 松本はアジア大会で、サンディエゴ・パドレスのスター選手、タティスJr.も愛用するワンハンドレッドのサングラスに、USA仕様のヘッドバンドを装着。頬まで広がる大きなアイブラックを塗ったそのビジュアルは、さながら「“リトル”マックス・クラーク」だった。アメリカに本部を置き、ゲレーロJr.やファン・ソトなどメジャーリーガーの50%を輩出しているポニーリーグ。メジャーリーガーを目指す育成理念に賛同して昨夏加盟した神田Rebaseポニーのカラーを、そのままアジア大会でも披露した。

 大会中、チームメイトの蔵並虎之介とともに、打てば派手なガッツポーズを仲間に向け、点が入ればベンチはお祭り騒ぎ。井関紀雄監督は「野球はイケイケだけど、礼儀挨拶はしっかりしていてメリハリがある。相手のミスを喜ぶパフォーマンスはしていない。これが彼らが表現する『楽しく勝つ野球』なので、ここでは認めていました」と話す。松本、蔵並が「俺が、俺が」になりがちな日本代表選手を明るくまとめ、4カ国6チームが参加した大会は5戦全勝優勝という結果につながった。松本は「イケてる」自分の写真をInstagramに投稿。メンション先はもちろん、マックス・クラーク。いつかアメリカで会える日を夢見ている。

 アジア大会に参加した日本代表選手のほとんどは、甲子園出場歴のある強豪校への進学を希望していた。「甲子園に行きたい」と当たり前のように口にする。だが松本だけは高校野球に憧れすぎていない、一人だけ違った空気があった。聞けば、将来への明確なビジョンがあり、それに向けて平日週4日のトレーニング、土日の野球練習(試合)を続けているという。ここから先は本人の考えを尊重してそのまま記載する。

「サッカー、空手、水泳、サーフィン、スケボーといろいろなスポーツをしていたのですが、WBCか何かで野球を見て興味がわいて、小3のときに体験会に行き、小4のときにチームに入りました。家族は野球一家というわけではないです」

ふと思う「甲子園のメリット」
 小3というと、2017年のWBC……か? 優勝を逃した大会でも、小学生へのインパクトは大きかったようだ。松本が続ける。

「野球を始めたときから、甲子園に興味がわいたことが一度もなくて……。それに勝手なイメージですが、高校野球で甲子園を目指すくらい練習したら、勉強がおろそかになってしまう印象があるんです。もちろん、トラ(蔵並)や友達が甲子園に行ったら絶対応援しますけど、自分がやるってなったらどんな感じになるんだろうって考えました」

 松本の評判を聞いてスカウトに訪れた高校野球の関係者は一人や二人ではないそうだ。良い条件で誘ってくれる学校もある。そこでふと、思い浮かんだのが冒頭の言葉だったそうだ。「高校で野球をやるなら“高校野球”しかない、っていうのが日本なんですよね」。

 記者の取材経験では、中学生の選手10人と話せば8、9人は「高校野球を続ける」「甲子園に行きたい」と言うものだ。それが当たり前だった。「甲子園のメリット」を聞かれたことはなく、甲子園にたどり着くまでの努力や人間形成に価値があると思い、日々取材をしてきた。

 松本ももちろん甲子園、高校野球の素晴らしさは理解している。しかし他の選択肢がないことに素朴な疑問を抱いているという。こうした自分の考えをSNSで発信するそうだ。すると匿名者から「甲子園をなめるな」といったコメントを受けるという。「それもそうですよね、自分はまだ結果を出していないので」と受け止めている。

あの「IMGアカデミー」への挑戦…家族会議も
 松本は8月、ある挑戦をする。錦織圭らを輩出した中高一貫の私立学校、IMGアカデミーのサマーキャンプに参加するのだ。「とにかく打ちまくるしかないです。高評価をもらえたら、高校入学へのチャンスをもらえる可能性がある。英語力と面接の勉強もしなくてはいけません」。破格の学費がかかることで有名なIMG。家族会議で話し合い、世界のレベルを知る「武者修行」を決めた。

進路は「自分でよく調べます」
 10年後、自分がどうなっていたいかを松本に聞くと、未来を見据えながら慎重に話した。

「25歳か~。理想のビジョンで言うと、IMGに入れたらアメリカの大学に進んで、MLBドラフトでメジャーに入れたらそのまま挑戦。そのためにどういう道を進んだらいいか、自分でよく調べます。日本でやることを含めて、自分で調べて考えて行動しないと、行き当たりばったりでは失敗するので……」

 前例はまだない。2018年に日本人で初めて中学卒業から直接MLB(ロイヤルズ傘下)と契約した結城海斗はすでに現役引退。アメリカ生まれで高卒からヤンキース傘下に入団、現在日本ハムで活躍する加藤豪将もいるが、厳しい道であることは確かだ。

 多くの野球少年の憧れが「甲子園」であることは揺るぎない。しかし、ある一人の中学生からの素朴な「問い」を聞くにつけて、その憧れ方や、キャリアプランニングに変化が起こり始めていると感じた。

 ほかにも、日本の強豪校を経て、米大学に進学した日本人もいる。今年のMLBドラフトでホワイトソックスから指名を受けた西田陸浮である。

〈つづく〉
(「甲子園の風」樫本ゆき = 文)
 
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