立命宇治十川、195センチ、どうなる?

夏の甲子園、全国大会であり、マンモス球場の大観衆の前で高校球児プレゼンされる。NPBだけでなく、大学や社会人野球や今はMLBスカウトも観ている。

2年生で甲子園に出れたのだ。まあ、成功ではあるだろう。しかし、過去、PL桑田真澄のように175センチ(公称、もっと小さいと言われてる。)でも、1年夏に実質エースとなり、自ら池田水野雄仁からホームラン、優勝投手になったコもいる。前橋高橋光成は2年夏に優勝投手になった。

10代中盤の男子は成長期にあり、ドコまで伸びるかドコまで強くなるか、本人の鍛練努力と周りのサポート次第なトコがある。大阪桐蔭のように激烈な競争や鍛練環境あれば、自分との戦いだけでもない。根尾昂や柿木蓮らは高2から春夏連覇の可能性を持っていたし、藤浪晋太郎は高3で絶対的存在になった。横浜松坂大輔のように、渡辺監督からイヤイヤやらされた鍛練が高3で春夏制覇に繋がったりする。花巻東佐々木監督は、大谷翔平と"甲子園と160キロ"を目標に、話し合い瞬発力と持久力トレーニングメニューを作り、甲子園を見据えて常に勝ちを目指す投手と打者を作った。日本でもMLBでもWBCでも、そうし続けている。逆に、大船渡国保監督は、佐々木朗希育成メニューを母校筑波大の運痴学者達に丸投げした。筑波大運痴学者達は、"高3で160キロ出す"というだけのメニューを作った。瞬発力偏重メニュー育成は10代中盤に鍛練してないアメリカ人向けの、手っ取り早く場当たり育成するスポーツ科学の産物だ。壊れればトミー・ジョン手術らのスポーツ医学で治す顧客になる。現在、佐々木朗希は左内腹斜筋肉離れで今シーズン絶望視されている。

195センチ、ダルビッシュ有大谷翔平より大きく、来年には藤浪晋太郎を追い越しているかも知れない。カレが、立命宇治でどんな目線でどんな努力鍛練をし、3年春夏の甲子園にどんな姿で現れるか、期待したい。

高校生160キロ、今のところ、岩手県大谷翔平と佐々木朗希しか出してないし、カレらはその時甲子園には来れなかった。甲子園で160キロ出したら、どんな大歓声が起きるだろう?

期待はある!

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夏の甲子園はホロ苦デビューも…立命館宇治“195cm右腕”「十川奨己」はダルビッシュに迫る投手になる「潜在能力」を持っている 
8/11(金) 6:01 Yahoo!ニュース
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マウンドでの立ち姿は日本人離れ
 
長い手足を器用に使いこなす「十川奨己」のしなやかなピッチング
 将来有望な高校球児の“異名”には様々なものがあるが、これまでに最も多く使われたものは長身投手を表す「~~のダルビッシュ」というものではないだろうか。大谷翔平エンゼルス)は「みちのくのダルビッシュ」、藤浪晋太郎オリオールズ)は「浪速のダルビッシュ」と呼ばれていた。それほどファンに浸透しなかったものを含めると、少なく見積もっても30人以上がダルビッシュになぞらえて、将来を嘱望されてきた。【西尾典文/野球ライター】

【写真】熱戦が繰り広げられる甲子園球場

 そして、今年の夏の甲子園。新たに「~~のダルビッシュ」と呼ばれる可能性がある“未完の大器”が登場した。それが立命館宇治(京都)の2年生エース、十川奨己だ。

 中学時代に既に190cmを超えていたという身長は、現在195cm。体重は87kgとまだ細身だが、マウンドでの立ち姿は日本人離れしたものを感じさせる。背番号1を背負うのは、この夏から。京都大会の準決勝で、選抜出場の龍谷大平安を2対0で完封するなど好投し、チームを4年ぶりの優勝に導いた。

 だが、十川の甲子園デビューはホロ苦いものとなった。8月9日の大会4日目の第4試合、相手は神村学園(鹿児島)だったが、立ち上がりから失点を重ねて7回途中、6失点で降板。チームも2対10で大敗を喫して、早々に甲子園を去ることとなった。

「観客の多さや会場の雰囲気に飲まれてしまった」
 十川は、この日の投球を以下のように振り返っている。

「自分としては、いつも通りのピッチングを心掛けていたのですが、観客の多さや会場の雰囲気に飲まれてしまったところはありました。神村学園さんの打線は長打力があることは分かっていて、そのために事前に配球なども考えて対策をしていたのですが、回を追うごとに対応できずに長打を多く打たれてしまったのが良くなかったと思います。ボール自体は、いつもより悪いわけではありませんでしたが、内角を思い切って突くことができなくて、カウントを不利にして長打を打たれてしまいました。自分の持ち味である打たせてとるピッチングができなかったです」(試合後のインタビュー)

 この言葉通り、7回途中まで浴びた長打は5本。6回には1番の今岡歩夢(3年)に「自分としてはベストボールで打ちとれたと思った」というフォークボールをバックスクリーンに運ばれた。ストレートの最速も139キロにとどまっている。強力打線を誇る神村学園に対して、6回で13安打の猛攻を受けて、十川が力負け……これが、筆者が感じた素直な印象だ。

 ただ、その一方で、大きな可能性を見せたことも確かだ。奪三振は、イニング数を上回る7個を数え、与四球もわずかに1個だけだった。そして、何よりも目を引くのが、十川のフォームである。これだけの長身で手足も長ければ、どこかギクシャクした動きが出そうなものだが、十川にはそういったところが全くない。実にスムーズな動きで腕を振り、バランスが安定しているのだ。

「早いうちからプロに行った方が良い」
 パ・リーグ球団スカウトは、十川をこう評している。

「195cmも身長があって、あれだけバランス良く投げることができれば、現時点では何も言うことはありません。あとはしっかり鍛えていけば、いくらでも良くなるでしょう。(立命館)大学の系列の高校ですが、タイプ的には(大学に進まずに)早いうちからプロに行った方が良いと思います」

 スカウト陣は、夏の甲子園で、翌年以降の候補になる下級生をそれほど熱心に見ていないことが少なくないが、この日のスタンドでは、十川の投球の映像を撮影し、スピードガンを構える姿が多く見られた。それだけプロ側が、十川のポテンシャルが高いと見ている証拠だろう。

 十川は、自身のフォームについて、自分で考えて作り上げてきたものだという。

「ピッチングフォームやピッチング全般を参考にしているのは、自分の兄です。兄からはバランスを大事にすること、体が大きい分、それを扱うのは他人よりも難しいというのはずっと言われていました。兄も背が高くて、野球をやっていて、自分で経験したことを伝えてくれるので、信憑性が高いというか、信じられると思って参考にしてきました。この1年はフォームを固めることを意識してやってきて、中学の時と比べると、だいぶ安定してきたと思います。ただ、全国のレベルでは、まだまだ通用しないことが分かりました。身長の伸びも止まったので、これからはウエイトトレーニング、食事などしっかり取り組んで、筋肉量をつけていくことをもっと重点的にやっていきたいと思います」(試合後のインタビュー)

来年は「甲子園2勝」を達成したい
 冒頭で触れた大谷や佐々木朗希(ロッテ)は、高校時代に体がまだまだ成長段階にあった影響で、体も細く、トレーニングを十分に積むことができない時期があったという。

 十川も同じような経験を積んできているようだが、こうした期間にしっかりとフォーム固めに取り組んで、欠点のない投げ方を身につけたことは、今後の成長を考えると、大きなプラス材料である。前述のコメントにもあるように、本人はフィジカル面の重要性を認識しており、頼もしい限りだ。身長に見合う筋肉量が身についた時は、驚くようなボールを投げるようになる可能性も高い。

 最後に「1年後にどんなピッチャーになりたいか」という問いに対して、十川はこう答えている。

「今年は3年生に甲子園に連れてきてもらったので、来年は自分が中心となってチームの目標としている『甲子園2勝』を達成したいと思います。ピッチングについては、持ち味である打たせてとる投球だけではなく、重要なところでは三振を奪えて、野手になるべく負担をかけない形で勝てるようになりたいです」(同)

 意気込んで臨んだ甲子園のデビュー戦で、打ち込まれたショックも少なからずあったはず。しかし、悔しさをにじませながら、冷静に敗因を分析して、課題や今後の展望について話す様子からは、ただ体格が恵まれているだけでなく、しっかりと考えて野球ができる選手という印象を受けた。

 本人の話すような課題を克服した時、“本家ダルビッシュ”に迫るような投手が誕生することも十分に期待できそうだ。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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