NSXあるべき姿とは?

この記事、言い得たモノだろうか?

トヨタにはセリカスープラソアラ(SC⇒LC)など、ニッサンにはGT-RやZがそれぞれ複数代、メーカーのイメージリーダーカーとしてストリートにもモータースポーツにも存在して来た。まあ、三菱のGTOをどう考えるべきか?ギャランGTOからGTOか?スタリオンからGTOか?いずれにしても、1代ずつだった。

ホンダが80年代からやった"出す出す詐欺"は、NSXやCRXミドシップなど色々あり、ファンやマスコミに構造やレイアウトやエンジンに於ける期待を膨らませ、カラ人気や評判の元になっていた。

中嶋悟を使い、A・セナを使い、市販すらしてない車両を日本だけでなくヨーロッパでもプロモーションした。ファンやマスコミは、当時のF1状況から、最低でもV6ツインターボ、F3000のV8、V10、V12辺りを期待した。コレらは全世界へのプロモーションのようで、実際は寿命的に長くない本田宗一郎へのプロモーションでしかなかったのではなかったか?87年までのF1総監督桜井サンを市販車開発に据えたコトも含めて。

しかし、実際には、桜井サンは数ヶ月経たずに辞め、出たNSXはレジェンド焼き直し、ターボすらないV6、レース参加やサービス観点などでディーラーもチューナーも喜ばないアルミ造りはコスト面で自社を圧迫した。

当然、日本では大きい部類の3リッターV6なのだ。遅いハズはない。しかし、不要なアルミ造りは、何も生まなかった。

NSXの本来あるべき姿とは?

世界中の他社スーパーカーやスポーツカーを研究して来たなら、こうしたクルマ造りに於いて大事なのは、簡易性・継続性・進化性であると理解できなかったろうか?

ホンダはクルマ以前にオートバイも出している。鋼管フレームもアルミフレームもやっていたし、カウリングについてもわかっていたハズ。社内でもキチンとしたノウハウはあったハズ。少なくとも、ロータスよりノウハウあったのではなかったか?

しかし、ムリヤリなアルミ板溶接モノコックなどを採用した。レース参加やチューニングなどの発展・進化性すら制限された。マイナーチェンジで僅かに排気量アップされただけの1代限りのクルマに終わった。

今のNSXは名前だけの継承であり、何1つ正常進化されたモノではない。

新しいNSX、何の期待もなかった。

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NSXの生産終了とは、いったい何ごとか!? ホンダに気づいて欲しい“やめないことの格好良さ”
8/3(火) 21:00 Yahoo!ニュース
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1990年に登場した初代「NSX」の開発には、故アイルトン・セナも開わった。搭載したのは3.0リッターV型6気筒DOHC自然吸気ユニット。
8月3日、ホンダは、スーパースポーツの「NSX」の生産中止を発表した。このニュースを大谷達也はどう受け止めたか?

【写真を見る】歴代NSXの詳細(24枚)生産中止の考えられる要因

言葉にできないほどの喪失感と初代NSXの偉大さ
ホンダはNSXに「タイプS」を新設定すると同時に、全世界で350台限り(国内30台)のタイプSを完売した段階で2代目NSXの生産を終了することを発表した。

この報せを聞いて、私は言葉にできないほどの喪失感を味わっている。

1990年に発売された初代NSXこそは、日本初の本格スーパースポーツカーだった。しかも、いたずらにエンジン・パワーを追求することなく、オールアルミ・モノコックボディによる軽量設計でハンドリングの楽しさを最大限引き出し、この時代のスポーツカーにはまだまだ欠けていた運転のしやすさや快適性、さらには実用性を高い次元で実現するなど、時代の先駆けと呼ぶにふさわしい傑作だった。

マクラーレンF1を開発中だった鬼才ゴードン・マーレイは、NSXのこうした先進性を高く評価し、当時のフェラーリランボルギーニを40点程度と採点したのに対し、NSXにのみ70点の高得点を与えたことは、あまりにも有名なエピソード。

その後に登場したスーパースポーツカーが、いずれも快適性や実用性を重視する方向に大きく舵を切ったことも疑う余地がない事実である。

フェラーリにまで影響を及ぼす
いっぽうの2代目NSXは2016年の誕生。その最大の特徴は、「レジェンド」で世に送り出した「SPORT HYBRID SH-AWD」をミドシップカー用にアレンジし直して搭載したことにあった。

このハイブリッドシステムは、左右の前輪を独立したモーターで駆動することにより、旋回時にクルマ自身が回り込んでいこうとする力(ヨーモーメント)を発生させ、かつてない軽快なハンドリングを生み出すことを目指して開発されたもので、ハイブリッド・システムにより車重が重くなることが避けられない今後のスポーツカーにとっては福音というべき革新的技術だった。

事実、フェラーリ「SF90ストラダーレ」のハイブリッド・システムは、PHEV(プラグ・イン・ハイブリッド)に進化してはいるものの、前輪の駆動力差でヨーモーメントを生み出す発想はNSXとまったく同じ。それをホンダはフェラーリより3年早く実用化したのだから、いかに先見の明に優れているかがわかろうというものだ。

つまり、スーパースポーツカー界のレジェンドであるフェラーリに、1度ばかりか2度までも影響を与えた希有なスーパースポーツカーがホンダNSXなのである。

なぜ生産終了するのか?
では、ホンダはなぜNSXの生産を終了するのか? 私が取材したところによれば、今後のカーボンニュートラル対応のために生産終了を決定したという。

ホンダの三部敏宏社長が「EV、FCVの販売比率を2040年までにグローバルで100%」まで引き上げると発表したのは今年4月23日のこと。

この目標に向けてホンダの技術陣や生産現場が大きな変革を迫られていることは想像に難くない。とはいえ、2040年といえば、いまから19年も先のことだ。そんな遠い未来のために、スポーツカー界のマイルストーン的存在であるNSXの生産を終了するとは、いったい何ごとか?

そもそもホンダはここのところ立て続けに四輪製品の生産終了を発表している。「S660」を皮切りとして、狭山工場で生産される「レジェンド」、「オデッセイ」、「クラリティ」の3モデルがこれに続き、今回のNSXへと飛び火。しかも、これら5車種の後継モデルに関するアナウンスがなにもない点も気になるところだ。

もっとも、先日寄稿した三部社長のインタビュー記事にもあるとおり、クラリティに代わるFCVは発表が遅れているだけで開発は進められている模様。NSXにしても、新しいスポーツモデルがまるで計画されていないわけでもないらしい。ただし、コロナ禍の影響もあってそれらの製品化が遅れているため、生産中止のニュースばかりが目立つ格好になっていると聞く。

いや、かりにそれが本当だったとしても、ホンダには、これまでも数々の名作を生産終了に追いやってきた負の歴史がある。それは、常に革新的な製品を創造しようとするホンダの開発思想からすればやむを得ないのかもしれないが、生産終了になった製品を所有していた顧客は次に買うべきホンダ車を失い、結果的に他社製品に流れるケースだって少なからずあったはず。つまり、ホンダはひとつ製品を生産終了にするたびに顧客を失ってきたとも考えられるのだ。

私は、画期的な製品を次々と世に送り出すホンダが好きだ。でも、もう少し自分たちの歴史を大切に思う気持ちがあってもいいと思う。

もしも、革新的で極限的な性能を備えた製品を生み出そうとする無理がたたって、ひとつの製品を長く生産し続けられない事態に陥ってしまっているとしたら本末転倒。スーパーカブのように、多くの人々に長い間、愛され続ける四輪車があってもいいではないか。

もしかすると、ホンダには“過去を切り捨てられないことは格好悪い”と、捉える風土があるのかもしれない。けれども、私はその考え方が全面的に正しいとは思わない。

かつてF1に参戦し続けたフォードやグッドイヤーがそうだったように、そして「ロードスター」を30年以上も販売し続けるマツダがそうであるように、世の中には“やめないことの格好良さ”があることをホンダには気づいて欲しい。
文・大谷達也

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