豚骨非豚骨?でも、そんなの関係ねェ~!

豚骨非豚骨?そんなの、全く関係ない。単に、豚骨多い福岡では、豚骨でないスープにした方が個性を主張しやすいだけだ。

元々、何故豚骨が多かった?豚骨が、安く大量に調達しやすかったのだ。福岡は割と面倒クサがりだから、具はネギとチャーシューのみのラーメン、安くハイカロリー、将にソウルフード、高宮には100円ラーメンがあり浪人中や大学生までは通った。確か、90年くらいまでやっていたハズ。350円超したら競争に勝てないくらい、低価格競争だった。替玉も50円~100円くらい、6回くらい替玉しても1,000円にならないくらいで収まるのが常だった。

それが就職で、神奈川や東京に赴任してからは相模大野や明大前傍に長浜ラーメンの店があったが、バカ高かった。ラーメンがカレーライスより高い!替玉も150円超す!ダメじゃん!挙げ句、大行列、アホか!東京、バカだから、地元の価格相場も知らず、高くても行くし、行列デキてしまう。

ワタシも、悲しい福岡育ちの性か、仕方なく週イチで通った。

この「とら食堂」の六本松店、場所は昔、森田塾あった場所じゃないの?

こういうラーメン店出せるのは、福岡でもラーメンの値段がハネ上がったからだ。大きなラーメン屋が、全国チェーン展開する上で、値段を吊り上げたからだ。同じ味にする上で、「なんでんかんでん方式」で福岡から直送したら、高くつくに決まってる。各地元周辺で麺工場やスープ工場を設けていたら、安いままでフランチャイズ化できたハズ。一風堂一蘭、同じやり方で外国にはラーメン一杯1万円?バカ過ぎる。

福岡の"ソウル"フードが、誤った形で日本全国に広まり、福岡でもおかしくなった。

ラーメン相場が値上がりしたコトで、個性主張できる、非豚骨が参入できるスキがデキたと思う。

コレは香川の讃岐うどんが、値上がり幅少ないのと、対極に感じる。意外と、讃岐うどんチェーンは香川県本拠でなく、各店舗で作っているからだと思うけど。

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変わる「福岡」のラーメン事情 “非豚骨”の店の数が“豚骨”の店を上回る
1/5(水) 10:40 Yahoo!ニュース
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独自の味噌ラーメンを作り上げた「博多川端どさんこ」
 
「ラーメン王国」に地殻変動が起きていた(写真は左から「博多川端どさんこ」「中華そば とら食堂 福岡分店」「らぁ麺 なお人」の一杯)〉
 福岡県のご当地グルメは数あれど、まず最初に思い浮かぶものは豚骨ラーメンではないだろうか。筆者も福岡県出身だが、豚骨ラーメンは子どもの頃からよく食べていた。逆に福岡では豚骨以外のラーメンを店で食べた記憶がない。そんな“豚骨王国”福岡だが、豚骨以外のラーメンの店も数は少なからずある。店主たちは一体なぜ、福岡で豚骨以外のラーメンを出したのか。取材を進めていくと、福岡のラーメン業界にいま“地殻変動”が起こっていることがわかった。【徳重龍徳/ライター】

【記事内のラーメンを写真で見る】福岡独自の発展を遂げた「味噌」、福岡に寄せないことで成功した「中華そば」、あえて豚骨を外すことで勝機を見出した「らぁ麺」

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 福岡では豚骨ラーメンがあまりにメジャーなため、地元メディアなどでは豚骨以外のラーメンを「非豚骨系」と表現する。その言葉ができるずっと前、1970年から『博多川端どさんこ』は中洲川端川端通商店街で味噌ラーメンを提供してきた。

 
博多区上川端町の「博多川端どさんこ」
 店を切り盛りするのは二代目店主の岩永太郎さん。『どさんこ』は岩永さんの父・倫夫さんと、福岡で知られた有名店『名物ちんめん あま太郎』の社長が創業し、その後に倫夫さんが買い取ることになった。

「創業から2年くらいはなかなかうまくいかなかったようなんですが、(1975年に)博多駅まで新幹線が来るようになると、出張や転勤であったりと味噌ラーメンを食べる人たちがほかの場所からやってきた。そこから徐々に売れるようになったと聞いています」(岩永さん)

 
中央区六本松の「中華そば とら食堂 福岡分店」
 味噌ラーメンは一般的に濃厚な味が多いが、『どさんこ』は丸鶏と豚骨、野菜の甘味がたっぷり入ったスープで味噌ダレを割り、優しい味に仕上げている。

「先代が始めたころは北海道寄りの味噌ラーメンだったんですが、地元のお客さんが多かったこともあり、徐々に博多の人の好む味に育てられていきました」(岩永さん)

 以前は看板に『札幌』と入れていたが、今は外している。調味料などは味噌を含めてすべて九州のものを使っている。『どさんこ』の味噌ラーメンは博多でしか食べられない独自の味噌ラーメンだ。

 
中央区渡辺通の「らぁ麺 なお人」
 福岡の人間の気質は“新しいもの好きだが、飽きっぽい”。かつて札幌味噌ラーメンの有名店が福岡に出店したことはあったが、すぐに撤退を強いられた。一方、福岡で愛された『どさんこ』は、中洲川端の本店以外に博多駅にも店舗があり、さらに3店目の開業も予定されている。それでも岩永さんにおごりはない。

「忙しくさせてもらってますが、福岡、博多の街は豚骨の文化。これからもニッチなところで商売させていただこうと思っています(笑)」

原点に立ち返って成功した「とら食堂
『どさんこ』は福岡人に寄せることで成功した非豚骨系ラーメン。一方、福岡からあえて離すことで成功した店もある。再開発が進む六本松にある『中華そば とら食堂 福岡分店』だ。

 本店は福島県白河市にあり、NHKプロフェッショナル 仕事の流儀』でも取り上げられたことがある有名店。福岡発祥の豚骨ラーメンチェーン『一風堂』を運営する力の源カンパニーの河原成美社長が『とら食堂』と親交があり、福岡の人にもこのラーメンを食べてほしいと2016年に出店した。店主の和田響さんはもともと力の源カンパニーの社員だった。

「創業から1年たったくらいの頃から社員として関わっています。2020年の春に、力の源カンパニーが経営から離れることとなり、河原から『お前、本格的にやらないか』と言われ、現在は私が買い取って運営しています」(和田さん)

 店の一番人気は中華そば。こだわりの手打ち麺とコクがありながらすっきりと優しい醤油スープが美味しく、一滴も残さず飲み干してしまう。初めて食べたのに懐かしい。飽きがこず、何度でも通いたくなる味だ。

 ラーメン好きには知られた『とら食堂』とはいえ、豚骨王国の壁は厚く、最初は苦労もあった。

「豚骨以外のラーメンは福岡では珍しいので、1回は食べていただけるんですが、なかなかお客さんが定着しない。どんぶりのスープの残り方を見て、難しさを感じました。最初はきつかったです」(和田さん)

 福岡の人に合わせた味にするという手もあったが「それでは『とら食堂』の看板ではなくなってしまう」。より美味しいラーメンを作ろうと見直したのが材料だった。

「それまでは福島の『とら食堂』で使っている材料だけでなく、一部福岡で揃えられる材料を使っていましたが、味を見直す際に白河と同じものにしました。全部を白河のものにすると送料などコストはかかるんですが、材料を変えたことで味の角が取れてまろやかになりました。お客さんは正直で、そうするとスープを全部飲む人も増えたりと、徐々に反応が変わってきたんです」(和田さん)

 客だけでなく、店のスタッフの反応も変わった。それまではまかないでラーメンを食べるスタッフは少なかったが、材料を変えたことで「面白いもので、まかないを頼むスタッフも増えました」。福岡に寄せず、原点の味に立ち返ったことがターニングポイントになった。

「やっとここ最近、お客さんが付いてくれたなと感じています。だから、ここで気を抜いちゃいけないなと思っています」(和田さん)

若者の支持を受けた「らぁ麺 なお人」
 中央区渡辺通にある『らぁ麺 なお人』は2020年1月にオープンした。店主の松崎七音さんは、福岡内にあるいくつかの豚骨ラーメン店に10年ほど勤め、その後に東京の有名店『らぁ麺はやし田』で1年半修行し、福岡で現在の店舗を出した。

 店はおしゃれなビルの1階にあり、内装もカウンターからキッチンの様子が分かるように作られた東京スタイル。『鶏と鴨の醤油らぁ麺』 『高級のどぐろらぁ麺』などのラーメンは『はやし田』で学んだことを活かしつつ、醤油などは地元・九州のものを使っている。

 松崎さんに福岡で非豚骨系ラーメンを出す難しさはあるか聞いたところ、意外な答えが返ってきた。

「よく聞かれるんですが、実は真逆です。僕は豚骨の大手といわれる店で働いてきましたが、豚骨王国の福岡で豚骨ラーメンの店を出す方がむしろハードルが高い。豚骨ではない、福岡にはまだないようなジャンルのラーメンに勝算はあると考えていました」(松崎さん)

 実際『らぁ麺 なお人』はオープン初日から店の前に行列ができる人気で、現在もその人気は変わらない。松崎さんによれば特にカップルや女性客からの支持が厚いという。

「実は福岡でも豚骨のにおい、豚骨ラーメン自体が苦手という人も結構多いんです。それに東京のラーメンは一杯の盛り付けからして美しい。のどぐろを使ったラーメンの珍しさや、ラーメンの盛り付けが“映える”とインスタグラムで一気に広がりました。オープン前は心配もあったんですが、最初からスタートダッシュができました」(松崎さん)

 福岡の若い人にとっては、どうやらラーメン=豚骨という意識は薄れてきているようだ。

福岡に起きている地殻変動
 さらに松崎さんに話を聞くと、意外な事実が浮かび上がってきた。

「福岡では豚骨ラーメン以外を出す店がこの2年でめちゃくちゃ増えています。今、福岡で新規で豚骨ラーメンを出す店はあまりないんじゃないかと思います。新規でいえば完全に非豚骨が豚骨を逆転しています」(松崎さん)

 実際、食べログで福岡で新規オープンしたラーメン店を調べると、豚骨ラーメンの新規店はチェーン店も含めて全体の4割ほどで、非豚骨系ラーメンが逆転していた。非豚骨系では醤油、塩、横浜家系の順に出店が多く、二郎系、味噌、トマトラーメンなど都内でも見るラーメンが並ぶ。

 また『とら食堂』店主の和田さんによれば「あくまで個人的意見ですが、ここ最近は福岡や九州内でラーメンの修行をして店を開くのではなく、東京に行って修行をして、福岡に戻って店を開く人が増えている」と新たな世代の登場が、福岡のラーメンに変化を生んでいるという。

 実際に筆者が博多や天神など中心地を歩くと、これまでになかった家系ラーメン、つけ麺を出す店の真新しい看板が目についた。

 ほんの数年前までは「醤油ラーメンを出す際に『豚骨ラーメンではありません』とわかりやすく書かないとクレームがくることもあった」(『らぁ麺 なお人』の松崎さん)というほどだった福岡のラーメン文化。だが令和の今、その色を豚骨一色から変えようとしている。

徳重龍徳(とくしげ・たつのり)
ライター。グラビア評論家。大学卒業後、東京スポーツ新聞社に入社。記者として年間100日以上グラビアアイドルを取材。2016年にウェブメディアに移籍し、著名人のインタビューを担当した。現在は退社し雑誌、ウェブで記事を執筆。個人ブログ「OUTCAST」も運営中。Twitter:@tatsunoritoku

デイリー新潮編集部
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