ちゃんと、あだち充「みゆき」を読んだの?

あだち充「みゆき」、ビッグコミック連載だったため、月2回しかなかった。フツ~のラブコメ同様、高校生からストーリー開始、同級生の美人のコ鹿島みゆきに片想いしていた主人公若松正人が、確か海の家アルバイトでかわいいコと出会った。実は、そのコが幼い頃に生き別れた"血の繋がりない"妹若松みゆきだった。妹みゆきは、血の繋がりないコトも最初から知っていたのだが、正人は実の妹のように接しようとした。

正人は、勉強もダメなら運動もダメ。悪いコトやズルいコトを上手くやれるワケでもない。おおよそ、オンナのコにモテるオトコではない。しかし、妹みゆきに好かれる正人、その様を見てか同級生みゆきも正人に近付く。2人のみゆきが正人を取り合う生活が続いた。若松正人が大学受験に落ちて浪人すると、鹿島みゆきもワザと入学手続せず浪人、正人と両みゆき、同級生に。

ストーリーのエンディングも急展開だった。幼なじみ、ヨーロッパにサッカー留学していた沢田優、日本に帰国して若松みゆきにプロポーズ、正人は妹の幸せを慮り後押しする。一度は婚約し、何故か結婚式の前に披露宴、正人は自分の妹みゆきへの気持ちに気付き、スピーチで告白、沢田優は「勝手なコト言うな!決めるのはみゆきだ。」・・・例え、結果はわかっていても。あだち充の真骨頂、若松みゆきが選んだのは、若松正人!

若松正人とみゆきは、父親の下で3人で結婚式を挙げた。鹿島みゆきは、北海道へ傷心旅行、ソコに偶然、沢田優が・・・まあ、そうなるネ!想い出がいっぱいの歌詞と共に完。

若松正人&みゆきの父親は実業家で裕福だから、沢田優との結婚式一連ブチ壊しでも何とかなったろう。鹿島みゆきは、ロクでなし若松正人なんかのために1浪挙げ句正人のレベルに合わせた大学で危ぶまれたトコ、日本サッカー界の星沢田優と結婚デキれば、ある意味ハッピーエンドだった。

「ナイン」「タッチ」は、テレビでも映画でも散々放送した。しかし、「みゆき」の場合、それぞれ登場人物の立場から見たせつなさを、短時間の映像では表現できなかったろう。

若松みゆき声優演じた荻野目洋子が、岡田有希子と同期ながら伸び悩み、「ダンシングヒーロー」で歌手ブレークは意外だった。

今は、高校時代の松岡修造の壁、辻野隆三の奥さんだっけ?

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アニメ『みゆき』で描かれなかった原作の「結末」 声優に大ブーイングも?
3/31(木) 6:10 Yahoo!ニュース
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ふたりの「みゆき」の間で揺れ動く主人公
 
『みゆき』TVシリーズ完全収録版DVD Vol.10(ファイブエース)
 1983年3月31日、TVアニメ『みゆき』の放送が開始されました。原作はあだち充先生。スポーツをからめた人間模様が描かれることが多いあだち充作品のなかでは珍しく恋愛に焦点を絞ったラブコメ作品であり、主人公・若松真人が同級生の鹿島みゆきと血のつながらない妹である若松みゆきのふたりの間で揺れ動くさまが描かれました。

【画像】アニメで描かれなかった「みゆき」の結末

 1970年代後半から80年代前半にかけて、かつては小さな子供向けとされていたTVアニメのなかに、ハイティーンをターゲットとした作品が増えつつありました。『みゆき』もその内のひとつです。

 特に『みゆき』は恋愛を中心軸にすえた作品として、当時のアニメのなかでは異彩を放っています。1980年代前半には『超時空要塞マクロス』『ときめきトゥナイト』『キャッツ・アイ』など恋愛を重視した作品が複数登場しましたが、SF要素やファンタジー要素を含まず、なおかつ純粋に恋愛のみを追いかけた作品は、『みゆき』が最初期の作品となるようです。

 監督(チーフディレクター)を務めたのは西久保瑞穂氏。タツノコプロで演出家として活躍し、押井守氏らと共に「タツノコ四天王」と呼ばれた人物です。西久保氏にとっては『みゆき』が初のシリーズ監督作品であり、鍛え抜かれた技量でまだアニメ業界全体として経験が少ない「恋愛の演出」を見事にこなし切りました。

 本作は声優についても、ひと工夫が凝らされました。少年少女の恋愛を軸とするために、声優も若い年代の人物が配役されたのです。特にメインヒロインとなる若松みゆきにはまだ中学生の荻野目洋子さんが抜てきされ、清廉な声で初々しい演技を披露してくれました。しかし熱心な原作ファンからはブーイングが浴びせかけられていたそうで、後に荻野目さんはファンに対しお詫びしたいとのコメントを残しています。

 インターネットがない時代、ファンが声優の演技に文句を付けるにはアニメ雑誌や新聞の読者欄への投稿など、相応の労力を必要とします。今となっては、『みゆき』が不満点に文句を付けたくなるほど注目度が高い作品だったことを示しているのは、皮肉と言えるかもしれません。

『みゆき』を彩る名曲の数々
 
ふたりの「みゆき」と主人公・若松真人 著:あだち充『みゆき』第2巻(小学館
 さて、『みゆき』を思い返すとき、必ずと言っていいほど脳裏によみがえるのが美しい旋律に彩られたオープニングとエンディングの数々です。

 特に最初のエンディングテーマである「想い出がいっぱい」は中森明菜さんの「DESIRE -情熱-」や『ウルトラマンメビウス』のオープニングテーマなど莫大な数の名曲を生み出した鈴木キサブロー氏が作曲し、作詞は山口百恵さんのヒット作を数多く手がけ、2006年には紫綬褒章を授与された阿木燿子氏が提供しており、本作にかける製作陣の意気込みがうかがえるメンバーがセレクトされていました。

 そしてボーカルは中沢堅司氏と赤塩正樹氏による音楽デュオ「H2O」が務めており、明るく爽やかでありながら悲しみが織り込まれた透明感のある歌声は高い評価を受け、当時の歌番組でも「想い出がいっぱい」が登場するシーンがしばしば見受けられました。

 今でこそテレビ番組でアニメソングが扱われるのは当たり前の光景となっていますが、1980年代以前のアニメソングは童謡として扱われており、一段低いポジションの楽曲とみなされていました。「想い出がいっぱい」は杏里の「CAT’S EYE」と並び、アニメソングの地位を高めた初期の楽曲として、大きな意味を持つ曲なのです。

 また、オープニングテーマである「10%の雨予報(テンパーセントのあめよほう)」は本来の歌詞で「everyday」となっている部分が「みゆき」に変更されており、「アニメの内容に合わせて詞を変更する」という極めて珍しい試みが行われているのも特筆すべきポイントです。

 23話から最終話まで使用されたエンディングテーマ「Good-byeシーズン」も青春の日々を送りながらも、貴重な時間は間もなく終わりを告げようとしていることを示唆する名曲として、非常に強い印象を残しています。

 恋愛重視のスタイル、ポップミュージックの多用など、現代のアニメにつながる重要な役割を担ったTVアニメの『みゆき』でしたが、アニメの最終回が放送された時点でまだ原作は連載途中であり、結末が描かれることはありませんでした。完結編を劇場用新作アニメで制作する話もあったそうですが、残念ながら実現していません。この点が、本作の最も残念な部分となっています。おそらくは多くの子供たちがしばらくしてから原作の結末を知り、さまざまな感慨を抱いたのではないでしょうか。

 筆者自身はアニメの終了後に姉から原作を借りて最終回を読んだとき、当時小学生の身ながら愕然としたことをよく覚えています。若松家のふたりが愛し合っていたことを知りながらも、自分の気持ちを止められなかった、選ばれなかった人たちが、幸せになったことを祈らずにはいられません。この結末をアニメで見てみたかった……。
早川清一朗

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