本来、ポルシェが行うべきだった車種構成と性能構成。

ポルシェの車種構成と性能構成、メチャクチャになっている。そのせいで、ポルシェの基本線がブレてしまっている。

1、ボクスター&ケイマン設定エンジンの誤り

フラット4ターボや911ばりのエンジンを積んだせいで、車体補強や車重が嵩み、本来の軽快さを損ねてしまった。

別に、フラット4でもフラット6でも良かった。単に、1.4リッターターボにしていれば、小型"軽量"ミドシップカーとしてヨーロッパ中心、日本には車幅1.7m以下にし、2リッターを設定すれば日本やイタリアで更に売るコトがデキた。また、2リッターターボなら、マカンに共用できる。

2、911カレラ設定エンジンの誤り

カレラに3リッターターボを積んだせいで、450馬力&トルク50キロになった。トルクではGT3すら上回り、GT3の商品性に疑問が起きた。

GT3の4リッター500馬力超&トルク40キロ超がある。従来カレラの3.4~3.8リッター辺りのNAと整合取りつつカレラのエンジンをターボにするなら、1.4~2リッター辺りのフラット6に設定する必要があった。

3、911次期エンジンやパナメーラ&カイエン搭載エンジンとしての備え

911カレラを3リッターターボ化したコトで、特にGT3の商品性には疑問が起きた。RUF RGT8ではないが、パナメーラと共用し、911のリヤに搭載可能な4~4.5リッターV8の開発が必要、場合によりターボ化も望まれる。

こうした排気量設定、ポルシェの裁量なのかVWアウディーの専横なのか、いずれにせよ、ポルシェの車種構成と性能構成とを破壊している要因なのだ。

 

 

 

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やっぱり4気筒より6気筒がいいのか? ポルシェ 718ケイマン GTS4.0に乗った5人のモータージャーナリストの意見とは【2022年エンジン輸入車試乗会
4/10(日) 9:45 Yahoo!ニュース
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4リッター水平対向6気筒自然吸気エンジンへと原点回帰!
 
ポルシェ 718ケイマン GTS4.0
2022年上半期の注目モデル34台を大磯プリンスホテルの大駐車場に集め、38人のモータージャーナリストがイッキ乗りした恒例の大型企画、エンジン大試乗会。注目はなんといっても6気筒自然吸気エンジンの復活! 6MTもラインナップするポルシェ・ケイマンGTS4.0に、斎藤慎輔、竹岡圭、九島辰也、大井貴之、武田公実の5人のジャーナリストが試乗した。

【写真14枚】6気筒NA復活のポルシェ 718ケイマン GTS4.0の詳細画像をチェック

◆原点回帰した6気筒自然吸気エンジン!

従来型の2.5リッター 4気筒ターボから、先代911GT3の6気筒をベースに新開発した4リッター水平対向6気筒自然吸気エンジンへと原点回帰した718ケイマンGTS4.0。トランスミッションは6段MTとデュアルクラッチ式7段PDKの2種がラインナップされているが、今回の試乗車は前者のMTで、短いストロークでカチッと決まるシフトフィールは秀逸。ミドシップに縦置きされたエンジンは最高出力400ps/7000rpm、最大トルク420Nm/5000~6500rpmを発生。6段MTを介して、後輪を駆動する。0~100km /h加速は4.5秒、0~200km /h加速は14.1秒。最高速度は293km/h。全長×全幅×全高=4405×1800×1285mm。ホイールベース=2475mm。車両重量=1445kg。車両本体価格1113万円(マニュアル)。

◆エンジンを回し倒す快感を堪能/斎藤慎輔

走りに文句なんて言ったらバチが当たりそうなくらいに、痺れる官能性能を備えています。ケイマンも718シリーズとなってからもう6年目を迎え、見た目には内外装ともに鮮度はすっかり薄れてきていますが、この水平対向4リッター 6気筒自然吸気エンジンと、磨き上げられたシャシー性能の組み合わせたるや、酔いしれてしまう以外の何物でもありません。乾いた快音を奏でながら天井知らずのように綺麗に吹け上がるエンジン、そこにリニアに沸き上がってくるパワー、そして右足の動きに正確に反応するレスポンス、さらに手首の感覚に優しさを携えつつ正確な操作をもたらすMT、パワーをきっちりと高いトラクションへと変換するシャシー、応答遅れをいささかも感じさせることのないハンドリング、それを支える呆れるほどに高いボディ剛性感、いやはや感動ポイントを挙げたらキリがありません。それでいて、日常域でのエンジンやMTでの発進の容易さなど、硬軟織り交ぜて、もうもう「参りました」です。それにしても、エンジンを回し倒す快感を堪能させていただきました。感謝、感謝。

◆爽快! 軽快! フレンドリー!/竹岡 圭

スポーツ性を追求するなら、911よりもMRのコチラですよね。パワフルなのに軽快。爽快感だけで言ったら、コチラが上なのは間違いナシ。シフト・レバーを動かすたびに、一体感を得られる、まるでクルマと融合していくようなフィーリングを得られるマシン、改めて周りを見渡すと意外と少ないことに気付かせてくれるような1台なんです。それでいて、気構えがあまりなく乗れてしまう、乗せられてしまうのがケイマンの不思議なところ。ポテンシャルの高さを感じさせない、フレンドリーさがあるんですよね。こんなにスペシャリティ性高いのに、そこらのコンビニに普通に行けてしまう感覚は、ふと隣を見たら、ジョニー・デップが買い物かごに牛乳パックを放り込んでいたくらいの感じです。だからこそいつも手元に置いておきたい相棒として、手放さない方が多いのだと思います。ただし、今回はリフターなしのバケットシート装着モデルだったので、私が乗ると顎が上がってカッコ悪いったらなかった。小柄な方にはシートリフター付きのモデルを選ぶことをオススメします(笑)。

ミッドシップをMTで駆る幸せがここにある/九島辰也

「ポルシェ=911」と言う図式はもはや当てはまらない。販売のメインはカイエンやマカンといったSUVであり、ポルシェにとっての一押しはEVのタイカンとなる。まぁ、それでも“911神話”は拭えませんがね。でも、このクルマに乗るとあらためてポルシェがスポーツカー・メーカーであると確信する。ミッドシップ・レイアウトのケイマンである。中でも6気筒ユニットを積んだGTSはまさに出来すぎたケイマン。有り余るパワーが時として猛獣のような一面を見せる。無茶なアクセル操作は危険を伴いそうだ。それでも、ポルシェたる所以は強烈なストッピングパワーのブレーキ。このガツン! と効くブレーキあっての強烈なエンジンパワーとなる。このロジックは空冷911時代のインプレッションによく使ったものだ。MTであることも今回楽しんだ。愛車の一つは常にMTにしているので個人的に慣れ親しんではいるが、メーカーごとにフィーリングの特性はそれぞれ違う。その点ポルシェのフィーリングは極上だ。ミッドシップをMTで駆る幸せがここにある。

◆それでもやっぱり4発より6発/大井貴之

718のネーミングで登場した982型ケイマン。リア周りのボディ剛性、サスペンション剛性の物足りなさが見事に解消。新しい4気筒ターボはパワーもレスポンスも旧型以上。982の走りは文句のつけようが無いものだった。それでもやっぱり4発より6発なんですよ。やっぱ4気筒は高回転域の頑張ってる感がねぇ、6気筒には敵わない。それが復活しちゃうとなったら欲しくなるのは仕方ない。もう個人的好みの問題になるが、サーキットより普段乗り。ロングドライブやワインディングに照準を合わせたい! となるとGT4ではなくGTS。年寄りだから、じゃない、大人なので。その中でも3ペダルは、まさにドンピシャの大人向け仕様。楽チンさはもちろん、速さを見てもPDKが勝るが、筆者は自分でやりたい派の年代。左足だって動かしたい。シフトワークに自信が無かったとしても、スポーツ・モードに入れておけばクルマが完璧に回転合わせもしてくれる。問題があるとしたら1000万円を飛び越えてしまった価格。だが、スポーツカーとして走りのコスパは世界のトップクラスだ!

◆ケイマンGTSは当代最高のポルシェ/武田公実

今や忘れられつつある表現に「ポルシェを着る」というものがある。サイズ・キャラともにスーパーカーの領域に足を踏み入れてしまった991以降の911では、一部のポルシェ上級者にしか味わえない感覚なのだろうが、一方718ケイマンならば筆者のごときポルシェ門外漢でも、まるで着るかのごとき一体感を辛うじて味わえる。中でもこのGTS4.0は、一度は諦めかけていたボクサー6気筒を、切れ味・サウンドとも極上のNAハイチューンで搭載し、6段MTを組み合わせるなんて、まさに「ドライビングプレジャーの特盛」。ダブルクラッチ踏んでブリッピング入れて……、などという現代では無意味でしかない行為を嬉々として繰り返したくなってしまう。また、サーキットなど特殊な環境での実質的な速さを狙った仕立てのケイマンGT4とは違って、こちらのGTSは日常での楽しさを追求したかに感じられる。だから、ポルシェを思い切って振り回せる、あるいは振り回したような気になれるという点においても、ケイマンGTSは当代最高のポルシェではないかと確信したのだ。

写真=茂呂幸正(メイン)/神村 聖(サブ)

(ENGINE2022年4月号)
ENGINE編集部

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