トヨタ、高級車顧客ターゲティングの確かさ!

トヨタは失敗しない。キチンとリサーチし、売れるクルマを出す。そのための顧客ターゲティングをしくじらない。

従来、上級のセダンはトヨタのクラウン、ニッサンのセドリック/グロリアと存在した。

しかし、ソコから高級車、高級セダン/サルーンを出す。口火を切ったのは、ニッサンだった。ニッサンシーマ、セドリック/グロリアを拡幅拡大し、3リッターV6ターボを強化して搭載し、ジャガー風のデザインにした。大抵のヒトは、高級車=ベンツと思っていたため、インパクトあった。

いよいよ、高級車の開発競争になった。

ニッサンは初代シーマで成功したのに、Q45で独自色を出し過ぎ、2代目シーマはジャガーからベントレー的ゴツさを加え、顧客嗜好から乖離した。挙げ句、初代シーマの3リッターターボは、カタログ値とは異なり5リッター相当のトルクがあった。それに対し、高級車相応と開発したNAのV8は4.5リッター、トルク的に不足した。車重も増加しレスポンスが悪くなった。

それに対し、高級車=ベンツの固定観念を持つ顧客層のため、トヨタはフツ~に"ベンツ的なクルマ"を安めに開発し、市場に送り出した。同一や同等ではなくても、近いモノを遥かに安く、日本の高品質で出した。失敗するハズがなかった。エンジンも、当初の4リッターV8から、HVも加え、5リッターまで拡大している。

 

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240km/hでもシャンパンがこぼれず! メルセデスも震撼! 初代セルシオ伝説がヤバすぎる
2022/04/17 22:37 Auto Messe Web

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世界と肩を並べた初代セルシオの世界基準ぶりとは

 現在では、日本でもレクサスブランドのフラッグシップモデルとして販売されている「LS」。日本でレクサスブランドが立ち上がる前は「セルシオ」として販売されていたが、この初代セルシオこそ、世界の高級車へ多大な影響と衝撃を与えた偉大な1台だったのである。

「ひと踏み惚れ」して即買い! 元オーナーが語る「初代セルシオ」の「スポーツカー」並みのダッシュ

壊れない=高品質という日本車のイメージを変えるきっかけに

 セルシオが登場したのは1989年のことだが、当時、海外での日本車のイメージといえば「手ごろな価格で高品質(壊れない)」というものが一般的。日常のアシとしては最適ではあるものの、メルセデス・ベンツBMWといったフラッグシップ車とは異なるというのが一般的であった(クラウンなどが対米輸出されていなかったというものあるが)。そんな海外での評判を覆すべく立ち上げられたブランドこそがレクサスであり、販売店もプレミアムブランドに相応しいものとなるように、ディーラーを選別するほどの力の入れようだったのだ。

エンジン始動しているのか分からないほどの静粛性を誇る

 そしてそのレクサスブランドのトップモデルとして投入されたLS(セルシオ)は、当時のトヨタが持てる技術力をすべて注ぎ込んだ集大成となっている。各部の公差(許容される精度の差)も一般的なトヨタ車の1/3にまで煮詰めるなど、現在まで続くレクサス品質の礎を築いたモデルに仕上がっていた。

 もちろん各部の建付けだけではなく、搭載される1UZ-FE型4L V8は、エンジンがかかっていることを忘れるほどの静粛性とバランスを誇っていた。LSの上にシャンパンタワーを建てた状態で240km/hまで加速しても(もちろんフリーローラーの上に載せられた状態だが)、シャンパンは一滴もこぼれないというパフォーマンスは、いまだに語り継がれているほど。

 またサスペンションの仕立ても高いレベルで、アメリカの傷んだコンクリート舗装や欧州の洗濯板状態の路面であっても乗員に不快な振動を与えることはなく(しかも北米仕様、欧州仕様、日本仕様と国別に味付けが変えてあった)、車内への騒音の進入も最小限に留められており、圧倒的な品質の高さを持ち合わせていたのである。

フラッグシップカーのベンチマークに躍り出る衝撃を世界に与えた

 初代セルシオが登場した当時、メルセデス・ベンツのフラッグシップモデルであるSクラスは1979年デビューのW126型。基本設計の古さは如何ともし難い点もあったのだが、続いて登場したW140型においても北米ではLS(セルシオ)の牙城を崩すことはできないほどの人気の差が生まれてしまったのだ。

 もちろんライバルメーカーもセルシオの快進撃を指をくわえて見ていたわけではなく、実際にセルシオを購入して細部まで研究し、次期モデルへの開発の参考にしたと言われており、セルシオが自動車業界に与えた衝撃は計り知れないものだったのである。

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