藤川球児を比較に出すのは的ハズレ!

中西清起、元阪神投手コーチだが、比較対象が違ってない?

湯浅と球児では、全くリリースポイントが違う。中西サン自身が"角度"と言ってる時点で真逆だと言って良い。湯浅は才木同様に投げ下ろしでリリースポイントが高いし、球児は更に前でリリースするため低め前めで放す。確か、藤川球児の師匠、山口高志のリリースの方が似ていると思う。

阪神、才木や高橋など、ココ数年でもトミー・ジョン手術を受ける投手が増えて来ている。指導者層の能力的に危ないと感じる。

 

 

 

 

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中西清起阪神湯浅京己、真上からバシッと角度のある球を放れる藤川球児級のポテンシャル
7/12(火) 4:45 Yahoo!ニュース
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阪神楽天 阪神湯浅の投球連続写真(撮影・岩下翔太)
<解体新書>

 阪神のセットアッパーで大活躍中の湯浅京己投手(22)が、快投を続ける秘密はどこにあるのか。元阪神投手コーチで日刊スポーツ評論家の中西清起氏(60)が「解体新書」で特長を解説します。疲労軽減を考慮した戦略的抹消を経て、再開リーグ戦でも8回の男として奮闘中。リーグトップの24ホールドポイントで新人王&最優秀中継ぎ投手賞も狙える右腕に、「火の玉」が代名詞だった絶対的守護神をダブらせました。【取材・構成=松井清員】

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 湯浅は身長183センチの真上から腕を振り下ろせて非常に角度がある。最速も156キロと威力があって、投げっぷりもいい。入団3年間は腰痛などの故障に泣いた。でもそれらも癒え、抜てきされた2月の宜野座キャンプでは特別目立っていた。若いし怖さ知らずで力がある。久々にイキの良い若武者が出てきた印象だ。

 オーバーハンドの手本に近い投げ方で、<1>~<3>とスムーズに始動。<2>~<4>で右の軸足をしっかり伸ばし、体重を預けている。<5>~<6>はヒップファースト。お尻から先に出すイメージで、左足が右足にクロスしながら出て行くことで、体にパワーが充満する。下半身からの力、捻転力が使える。

 <8>~<9>のテークバックも非常にコンパクトだ。1度下ろしたボールをさっと真上に上げ、右手で敬礼するようにトップをつくっている。右手を大きく振るとトップの位置が不安定になり、コントロールに影響するがその心配がない。トップの作り方が非常にうまい。

 ただ、<10>~<11>は、以前故障した要因の1つかも知れないが、腰に負担がかかる懸念がある。真上から振ろうとするあまり、胸の「Tigers」の文字が空の方向を向いている。その分、背中側に体重がかかり、エビ反りのような態勢になって腰に負担がかかる。肩のラインが、もう少し真っすぐ骨盤のラインに入れば…。少し上体を前にしておなか、へその部分に力が加わるようにできれば、負担の少ない投げ方ができる。

 <12>~<13>にかけてのフィニッシュは抜群だ。頭が左足のつま先より前に出て、右の肩のラインが左の膝の上にしっかり振り切れている。<3>~<12>とドライブしていく中で、上半身から下半身への体重移動にバラつきがあると、<13>のように左足1本でしっかり体重を支える形にはならない。体重移動のバランスが最良だから、投球にパワーを伝える完璧なフィニッシュができる。

 真っすぐ以外の最大の武器はフォークだ。縦回転の球種を長身の真上から振り下ろせるから落差もある。この投げ方だと他の変化球は、横のスライダーよりカットボールツーシーム系が効果的だが、1イニングならカウント球は必要ない。今の役割なら、真っすぐとフォークだけで十分だ。

 将来的には、藤川球児に匹敵するポテンシャルを感じる。特に<12>~<13>は球児をほうふつさせる。球児も真上からバシッと角度のある球を放れる投手だったが、湯浅もそれぐらい上からたたけている。同じく短いイニングで爆発的な力を出すタイプだろう。投球を重ねてコツを覚えれば、真っすぐと分かっていても空振りが取れる、スピンの効いたボールを投げられる素材だと思う。22歳と若く、体力、筋力もまだまだ強くできる。近い将来、守護神を任されてもいい資質がある。

 首脳陣は交流戦最後の1週間で登録を抹消し、戦略的休養の措置を取った。昨年までの1軍登板がわずか3試合で故障歴もあった。8回の男抜きの戦いは苦しかったと思うが、素晴らしい判断だった。若いこれからの選手で、大きな故障が一番怖い。疲れが蓄積してから休ませても、疲れが取れなければ手遅れだ。疲労が取れる状態の時にリフレッシュさせたのは、再開するリーグ戦で逆襲を期す意味でもいい温存になった。

 湯浅も新人王の権利を持ち、巨人の守護神大勢らがライバルになりそうだ。ただ、チームが勝たないとホールドポイントはなかなかつかない。早く5割に戻して貯金を積み重ね、75~80勝近くいけば、最優秀中継ぎ投手賞に近づける。だが、首脳陣は目先の新人王を目指すのではなく、将来10年以上守護神を任せるぐらいのビションも描いて、今回抹消して休ませたのだと思う。それほど非常に楽しみな選手で、阪神の投手では久々の新星登場を感じる。

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