ホイールのブレーキダスト汚れ=走りのシンボルだ!

クルマのホイールのブレーキダスト汚れは、ドライバーがキチンと走り、ブレーキをキチンと効かせているシンボルだ。別に、何を恥じるコトもなく、走っているコトを誇れば良いのだ。

フツ~に、ビジネスマンのビジネスシューズも、スポーツ選手のスポーツシューズでも、一般人でもスニーカーの汚れって、恥じるコトか?

特にヨーロッパのクルマ、アウトバーンを高速巡航する想定もあり、まずブレーキの効きが最優先にされていて、低速想定の日本とは真逆のデキになっている。

このライターは、モータージャーナリスト?それとも、ファッション観点で書いているのか?Gジャンやジーンズのダメージやダストは受け入れるクセに、ホイールがブレーキダスト汚れしてるのは許せないか?一貫性あるなら、ソレは御勝手に!

クルマは、傘や靴や旅行カバンなどと同じ、機能品だと思う。ファッション観点は、カネ持ち用の見せびらかしグルマに限るべきだし、全てのクルマに当て嵌めるコト自体、ナンセンスだと思う。

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欧州車のホイールが黒く汚れている理由 低ダストでしっかり効くブレーキパッドはないのか?
10/10(月) 17:00 Yahoo!ニュース
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ベストカーWeb
 いまだに、ブレーキダストでホイールが真っ黒になっている欧州車をよく見かける。しかし、日本車は軽自動車、小型車、高級車含め、洗車を長期間していないクルマを除き、ホイールが真っ黒になっているクルマはめったに見ることはない。

【画像ギャラリー】ホイールの黒いダスト汚れは制動力の証!?欧州車のホイールがすぐに黒く汚れる理由(5枚)

 この差はなんなのか?ブレーキパッドに違いがありそうなのはわかるが、具体的に何が違うのか、改めてモータージャーナリストの高根英幸氏が解説する。

文/高根英幸
写真/ディクセル、ヤナセオートシステムズ、TOYOTAAdobe Stock

■制動力バツグンの欧州車!!しかしブレーキダストが……
 
[関連写真]
ここまでこびりついてしまうとなかなか取れない(Lubo Ivanko@Adobe Stock)
 最近はクルマの保安基準も国際化が進んで、日本車と輸入車の仕様の違いは随分と減った。

 日本車の国内仕様は相変わらず右側にウインカーレバー、輸入車の右ハンドル車は左側にウインカーレバーがあるが、灯火類(それでも日本は左側通行なので配光も英国と同じで少数派だ)なども共通化されつつあり、開発コストの圧縮だけでなく輸入国での登録作業が簡素化されてきた。

 それでもいまだに残る欧州車と日本車の違いのひとつにブレーキダストの多さがある。これは主にブレーキパッドの摩擦材においてダストを減らす工夫をしているか否かということが違いだが、それはなぜなのか?21世紀の現代社会にあって、ブレーキダストにまみれたホイールを見るたびに首をひねってしまう。

 日本車はパッドだけを減らすようにしてディスクローターはあまり減らないようにしている。これは経済的には有利で日本のユーザーが喜ぶことも配慮している。そしてディスクローターの薄肉軽量化にも貢献しているようだ。

 それに対して欧州車はブレーキパッドの交換2回でディスクローターも交換するのが通例となっている。欧州車は汚れないことやメンテナンスコストよりも、ブレーキの絶対的な制動力とそのフィーリングにこだわっているからだ。

 アウトバーンなどの超高速域からのフルブレーキングで瞬時に制動力が立ち上がるだけでなく、繊細な減速力の調整ができるよう、ブレーキ各部の剛性と足回りの剛性をしっかりと確保している。

 例えばBMWは通常モデルではスライディングキャリパーを使い続けているが、剛性の高さから絶対的な利きやコントロール性なども抜群で、運転していて安心感を与えてくれる。

 日本車は経済性やメンテナンスフリー、そしてブレーキ鳴きを抑えるためにローターを減らさずにブレーキパッドを柔らかめにして、初期制動力の立ち上がりを大きくしてブレーキがよく効く印象を与えるような仕様も少なくない。

 これは近所の買い物に使うなら問題はないが、ブレーキへの踏力に対する応答性が鈍く、ある程度からは踏力に反応することなくABSが作動してしまう。

 そんなクルマを街中で使っているせいで、ほとんどのドライバーは急制動を行なうことができなくなっている。コロナ禍以前に行ってきた安全運転講習会でインストラクターを何年も務めてきたが、9割以上のドライバーはいきなりの急制動に体が反応できなくなっていた。

■ドライバーの平均レベルが高く、厳格に性能を求める欧州
 
[関連写真]
1000km走行後のアルミホイール。左は純正ブレーキパッド、右はディクセル製ストリートダスト低減パッドMタイプ
 しかし環境問題について敏感な欧州なのに、ブレーキダストに関しては無頓着というか、対象外と言わんとばかりにホイール真っ黒、なのである。高級車だろうがブレーキバイワイヤとなろうが、そうした傾向は変わらないようだ。

 高速走行中に前方でアクシデントが発生した場合、強くブレーキングしながら車線変更して緊急回避を行うには、しっかりとした車体と足回り、そしてブレーキやタイヤが必要だからだ。

 ABSやESCというブレーキを活用した電子デバイスが登場しても、そうしたモノに頼るのではなく、あくまでドライバーが自ら操作してクルマをコントロールさせるのが基本なのである。

 実際、欧州や米国の高速道路を走っていても(たまにおかしな人はいるが)、日本よりも運転のレベルが高いことを実感させられる。

 国産車のブレーキパッドは、かつてアスベストが使用されてきたが、現在はノンスチール・ノンアスベスト・オーガニック(NAO材と呼ばれる)が主流。

 グラスファイバーやアラミド、銅、セラミックが主成分となっており、長所はローターへの攻撃性が少なく、鳴きや低ダスト。短所は耐熱性がよくないため、一般走行用となっている。

 すべての欧州車が同じ摩擦材の配合ではないだろうが、欧州車のブレーキダストが多いのは摩擦調整材として使われる黒鉛の配合が多いためと思われる。黒鉛は鉛筆の芯と同じモノで柔らかく滑らかな感触を与えながら熱に強いという特性を持っている。

 具体的にはメルセデス・ベンツBMWなど欧州車に純正採用されているブレーキパッドの材質はロースチール(メタル系)のパッドで、NAO材にスチール成分が10~30%配合されており、高速域での使用を考慮した設計となっているため、耐熱性が高く、効きがいい分、ダストが多い。

 GRヤリスもサーキット走行を想定し、耐熱性や効きを重視したこのメタル系ブレーキパッドを採用している。

 日本のユーザーはブレーキ鳴きにも敏感で、少しでもブレーキが鳴いたらクレームを付けるユーザーがいる。そのため輸入車ディーラー老舗のヤナセでは、セラミック配合の摩擦材を使用し、低ダスト、低ノイズ、長寿命のHELLA PAGID Brake SystemsのSILVERAMIC(シルベラミック)を販売している。

 一般的な欧州車用低ダストパッドの場合、スチール含有率の低い摩擦材を使用するものの、スチールの含有率は25%以上。ヤナセが販売しているシルベラミックはNAO材とセラミック配合の摩擦材を使用し、スチールの含有率0%となっている。

 また、ドイツのATE製セラミックパッドは、最新のファイバーテクノロジーにより開発された新コンパウンドを採用。ブレーキダストの発生を制動力はそのままに極限まで抑えられており、材質上、ディスクローターへの攻撃性も弱いのでディスク粉も減少、ホイールの輝きを長期間保つことができるという。

 ちなみにブレーキダストでホイールが汚れないブレーキパッドにも、その実現方法は大きく分けて3種類ある。ダストを出さない摩擦材とする方法、ダストをホイールに付着させない摩擦材にする方法、ダストが白っぽく汚れが目立たない摩擦材とする方法だ。

 しかし輸入車用のブレーキパッドとして、かつてアフター品のストリート用をいくつか試したことがあるが、市街地でのフルブレーキングを2、3回繰り返しただけでフェード気味になるものも珍しくなかった。これは日本の道路事情では許容されても、欧州では受け入れられないだろう。

 

 日本のブレーキパッドメーカーも技術開発を進めており、例えばディクセルのストリート用ダスト超低減パッドMタイプ(材質はNAO材)は、ローターの攻撃性が驚くほど低く、ローターのロングライフ化に貢献しているほか、ストッピングパワーを犠牲にすることなくダストは大幅に低減。

 さらに高いコントロール性を持ちつつ、唐突に効くのではなく踏力に応じて効きが上がるビルトアップ型のため、同乗者も快適、という特性を持っている。

 欧州ではその部分にコストをかけるより他の部分を優先していて、あえてブレーキパッドやローターの素材は定評のあるモノを使い続けているのだろう。

 またブレーキダストの大半は簡単に落ちるものであるが、パッド内の鉄材やローターの摩耗による鉄粉は溶けて塗装に食い込むので落としにくい。パッドの摩擦材を変えるか、専用のクリーナーを使うことで解決できる。もちろん、ダストが付着しにくくなるコーティングを施すこともできる。

 ブレーキで何を優先すべきか、欧州と日本では道路環境や考え方が違う。日本で欧州車を所有するなら、そのことを理解して、そのうえでどういうブレーキパッドを使うか決めることだ。欧州車の持ち味を生かすか、日本での利便性を考えるかはオーナー自身で判断すべきだろう。

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