今の若手投手、メジャー行ってなくてもトミー・ジョン手術!

山崎颯に限らず、巨人の大勢や阪神才木など、入団3~5年にしてトミー・ジョン手術を受けている。別に、カレらは高校時代、甲子園勝ち進んで投げまくったワケでもない。ただ、高校時代から140~150キロ出して、プロスカウトの眼に留まり、ドラフト指名された。

今までは、メジャーに行って、粗悪メジャー球滑りやすいローリングスボールを日本統一ミズノ球並にコントロールしようとして、それぞれの球種でより強く握った状態で強く腕を振りヒジを故障、トミー・ジョン手術の御世話になるパターンだった。

しかし、アマチュア指導者達の中でアメリカ式バカトレーニングを推進し、トミー・ジョン手術の若年化を促進しているのだ。

1、瞬発力偏重&持久力軽視。

2、投げ込み軽視で、理想のフォームが身につかない。

3、試合登板数減少で、高低内外緩急コントロールスキルが磨けず、力任せ傾向になる。

山崎颯に限って言えば、2021年日本シリーズで晒した、不細工なワインドアップはアマチュア時代から去年まで、誰も指導しなかったのか?

中高含め、アマチュア時代に意義を説いた上で持久力系トレーニングや投げ込みしていたら、キチンとしたワインドアップを教えていたら、トミー・ジョン手術の御世話にならずに今を過ごせていたかも知れないのだ。

 

 

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高校時代の評価は「ゼロか100」“不器用な長身エース”が160キロ豪速球を投げるまで…山崎颯一郎の恩師「オリックスで良かった」
11/15(火) 11:06 Yahoo!ニュース
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2016年センバツで山崎颯一郎(左)の投球練習を見守る敦賀気比・東哲平監督 photograph by KYODO
今季から中継ぎに転向し、オリックスの26年ぶりの日本一に貢献した山崎颯一郎(24歳)。球団日本人初となる160キロをマークした長身右腕はその後、侍ジャパンにも選出されるなど充実の時間を過ごした。敦賀気比高校時代の恩師がその飛躍を振り返る(全2回の2回目/#1吉田正尚編へ)

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 日本シリーズ第7戦、8回裏。日本一が迫る場面でオリックス中嶋聡監督はこの日も山崎颯一郎をマウンドに送った。だが、喰らいつく強力ヤクルト打線に捕まる。

 1死一、二塁から“三冠王”村上宗隆に反撃のタイムリーを許すと、シリーズ男・オスナを迎える。山崎の表情がテレビに映し出されると、敦賀気比・東哲平監督の頭に苦い記憶がよみがえる。

「あ、これは“打たれる顔”やなって。高校の時に打たれそうになった時に見せた表情と同じやったんですよ(笑)。これはヤバイと思ったら、案の定、(オスナに)3ランを打たれました。(村上に)ライト前、(追い込んだ丸山和郁に)ボテボテのセンター前を打たれて、真っすぐに躊躇したんじゃないですかね。

 あの日に関しては、真っすぐが低めに決まっていたと思うんですけれど、今の山崎は高めで押し込んだ方がファウルや空振りが取れる。神宮のマウンドは平たくて硬いので、角度がつけにくくて体重移動もしにくいそうですから、低めだと球威が落ちてしまうのかなと思いました」

 指揮官の“予感”は当たってしまった。「ある意味、アイツらしい」と苦笑いで振り返る。それでも東監督は最高峰の舞台に立つ教え子の姿を噛み締めながら、しみじみと当時を振り返り始めた。

高校時代の評価は「山崎はゼロか100」
「あそこまでスピードが出るようになるとは思いませんでしたね」

 現在、山崎のストレートの最速は160キロだが、高校時代のそれは144キロ。中学時代から世界少年野球大会のメンバーに選出されるなど日の丸を背負ってきた選手ではあったが、東監督はここまでの活躍に驚きを隠せないと語る。

「高校の時、山崎を見に来たスカウトに『山崎はゼロか100。通用すればすごいピッチャーになる可能性もありますが、何もできないまま終わってしまう可能性もある』と言ったことがあります。当時はそれくらい、未知数なピッチャーでした。

 中学時代から身長は180センチ以上ありましたし、球速は速い方でしたが、当時はいわゆる“投げるだけ”のピッチャー。フィールディングやけん制、カバーリングやクイックモーションなどは、ほとんどできなかったんです。高校野球はバントが多いので、まずフィールディングなどを教えることから始まりました」

 入学直後から細かいプレーを反復練習し、公式戦でベンチ入りしたのは1年秋。1年上にエース右腕の平沼翔太(現・西武ライオンズ)がいたこともあり、2年春にはセンバツ優勝も経験している。だが、率先して何ごとも先頭に立ってこなす平沼に対し、どんな状況も意に介さない山崎はまさに対照的なキャラクターだった。

「本当におっとりしているというか、ひとことで言えば“天然”。だから何度も同じことを言い続けていましたね。というか……どこにスイッチがあるのかを探しながら教えていました。いざスイッチが入ると猛進して、手がつけられないピッチングをする。かといって次の試合は同じピッチングができるかというとそうじゃない……周りより体が大きかった分、自分でコントロールするのが難しいのもあったんでしょうね」

東監督「とにかく一番になりなさい」
 東監督が山崎に対して口酸っぱく伝え続けてきた言葉がある。

「“とにかく何でもいいから一番になりなさい”、と。グラウンドに来る時間でも、ランメニューで走る速さ、何でもいい。のほほんと自分のペースでやっているようでは何も成長しないよ、と。性格を変えることは難しいことではありますが、すごいピッチャーになる要素はあったし、それくらいやって欲しいという期待があったんです。だから今(高校時代)はある程度の厳しさを教えておかないといけない。プロに行けば自分がどれだけやるかが自分に跳ね返ってきますが、高校では先頭でやっていかなあかんという意識を植えつけさせたかったんです」

 東監督は山崎にプロで活躍できる資質があると確信していたからこそ、高校時代のうちからたくさん投げさせて “完成品”に育て上げようとは思わなかった。未知数な部分が多い山崎にすぐに“答え”を求めず、今やるべきことを伝え続けた。

 荒削りだったとはいえ、190cmの高さから投げ込む右腕はスカウトの目を光らせた。東監督の余白を残した指導もあり、山崎はオリックスからドラフト6位指名を受けてプロ野球の道に進むことができた。

 1年目から二軍戦に登板。2年目にはU-23日本代表に選出されて中学時代以来、国際大会の舞台にも立った。だが、3年目に試練が訪れる。

「二軍の試合で投げている時に、右ヒジがブチっといったそうです。完璧には切れていなかったそうですが、その後に(トミー・ジョン手術を)受けた方がいいということになって……」

 山崎から直々に手術を受けるという報告がきた。だが、東監督はその時間が今の山崎の土台を作ったのではないかと感じている。

オリックスに将来性を信じてもらえた」
「リハビリの間に体を相当鍛えたんじゃないですかね。僕からも、投げられないからこそ体づくりの時間にしなさいと言いました。今、あれだけのボールを投げられるようになっていますが、一番変わったのは体だと思います。高校の時も上背はありましたけれど、スラっとした体型。今は横にも大きくなりました。そうやって体が出来上がってきたことと、手術をしたことでヒジへの不安がなくなって思いっきり投げられていますよね。

 でも、体があるとはいえ、160キロなんてなかなか投げられないです。それは球団からも長い目で見てもらい、きちんと指導していただき、その将来性を信じてもらえたから。オリックスに入れて良かったと思います」

 リーグ戦終盤、CS、そして日本シリーズと山崎は痺れる場面を任されることが多かった。その度に156キロ、157キロと、うなりを上げるようなストレートがキャッチャーミットに吸い込まれ、球界の打者の多くをのけぞらせた。

 前述した3ラン被打はあったが、オリックスの26年ぶりに日本一にひと役買ったことは間違いない。甘いマスクも相まって、“吹田の主婦”という愛称も定着するほど人気選手の仲間入りを果たした。

 投手出身でもあり、不器用だった山崎のことを常に気に掛けてきた指揮官は、褒めるだけでなく戒めも忘れない。

「あれだけどんどんストレートで押せる。みんなに山崎のマネをしろって言っても、なかなかできないでしょう。山崎は求められてきたことが、ようやく今年開花してきた。求められる中を突き進んで、来年はどう継続していけるかでしょうね。

 今は脂の乗った時期ですし、もっとスピードを求めていけばいいのでしょうけれど、歳を重ねるとスピードだけだとパフォーマンスが落ちてしまう。そうなった時に自分を助けてくれるボールが1球でも2球でもあればと思います。プロでまだ1年間ケガをせずに投げられていないですし、中継ぎというのは調整が本当に難しいと思うんです。今年も相当な疲労が残っていると思うので、疲労をまず取って、来年に向けて取り組んでもらいたいです」

 未完の大器が、ようやく“完”へのピースをひとつずつ埋め込み始めた。今年、これだけの功績を残したからこそ、7年目の期待値はグッと跳ね上がる。

 驚異的な成長で見る者を唸らせた右腕はどんな次元のマウンド姿を披露してくれるのか。オリックスの“黄金期”を支えるだろう山崎の成長曲線のピークはまだ先にある。
(「プロ野球PRESS」沢井史 = 文)

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