ランエボ、最強の敵役!須藤京一のエボⅢ。

この三菱開発ドライバーが挙げる、歴代ランエボ3台は、ⅤのRSとGSR、Ⅷみたい。その次にX、エボワゴンだって。

週刊ヤングマガジン連載していた、しげの秀一頭文字D」では、栃木の遠征チームエンペラーの岩城清次のエボⅣ、主人公藤原拓海がAE86トレノをエンジンブローに追いやった須藤京一のエボⅢ辺りが一番の難敵だった。

後は、コースにエンジンオイルを蒔いて高橋啓介のFDをクラッシュさせたり、拓海を脅して勝とうとしたのもランエボだった。下り用のランエボはリヤウイングナシなだけだった。

個人的に、生涯自分が持てるクルマのピークは、ランエボやインプなど、4気筒ターボの高速セダンだろうと思っていた。しかし、価格がバカ上がりして、以後外車を含む中古車に眼を向けるようになった。

三菱もカルロス・ゴーンに掻き回され、個人的に魅力あるクルマは皆無になった。エンジン車であれ、電気自動車であれ、ランサーやギャランやスタリオンなどが出ないかな?

 

 

 

 

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もと「中の人」がぶっちゃける! 歴代「三菱ランエボ」にランキングを付けたら意外な結果だった
2022.12.12 12:41掲載 WEB CARTOP
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この記事をまとめると

ランサーエボリューションの開発ドライバーが歴代モデルを振り返る

名エンジン「4G63」はランエボ専用じゃなかった! 意外と知られていない搭載車3選

■ワゴンモデルがセダンよりも高いパフォーマンスを誇っていた世代もある

■ラリー以外にもスーパー耐久で大活躍し、名実ともにハイパフォーマンスモデルだった

開発ドライバーが歴代ランエボの思い出を振り返る

1992年に登場した三菱自動車の俊足セダン「ランサー・エボリューション(通称・エボ)」。2022年はその生誕30周年にあたる記念すべき年だった。残念ながら2015年のエボXファイナルエディションを最期に三菱はエボの開発・生産から撤退してしまった。そこで、この30年を振り返り歴代エボの傑作度ランキングを語っておきたい。

僕自身のエボとの関わりはエボVから。エボ1~IVは4輪駆動+2リッター直4ターボエンジンのパッケージングで、国内外のオフロードラリーやダートラなどのモータースポーツシーンで大活躍していた。とくにWRC世界ラリー選手権)ではトミー・マキネン選手を擁し、ドライバーズタイトルやマニュファクチャラータイトルを獲得。全世界に実力を示していたのだ。しかし、WRCではターマック(舗装路)のイベントが増え、オンロードでの走行性能をより高めることを求められる。さらに国内でもグループN規定によるN1耐久レースシリーズなどサーキットでの速さを強化する必要に迫られていたのだ。

そこでエボVの開発にあたり、ざまざまなコンサルテーションを行い、エボのサーキット性能を高める作業にかかわることとなったわけだ。

長年のレース経験と知識を活かし、さまざまな提案を行った。その第1弾として登場したエボVはサーキットで圧倒的な走行性能を示し、「ゼロカウンター走法」を生み出し、その速さは現代にも語り継がれている。このエボVにはレース仕様のベースモデルとなるRSグレードが設定され、それが傑作度ナンバー1の仕上りだったといまでも認識している。

ボディパネル部材やウィンドウを薄板化して軽量化。アルミのフェンダーやボンネットを採用し、オーバーフェンダーにしてトレッドを拡幅。ブレンボのブレーキシステムに倒立式ショックアブソーバーを採用。前後デフにLSDを装着するなど速さに特化したモデルとなっていた。

トランスミッションはマニュアル5速仕様だが、ギヤ比を徹底的にクロスレシオ化し戦闘力を高め、ファイナル比を2タイプ用意してステージ別に適合性を確保していた。

一方、乗用グレードのGSRにはAYC(アクティブヨーコントロールデファレンシャル)を搭載。ステージによってはRSを凌ぐ速さを示して電子制御装置の可能性を示したのだ。このGSRはセカンドベストの傑作車と言っていいだろう。

本当の激速モデルはじつはワゴンだった!?

3番目に上げるのは歴代エボで最速モデルとなるエボVIII MRだ。エンジンやトランスミッションの強化に加えACD(アクティブセンターデフ)のキャリブレーションを最適化し、またAYCはキャパシティを高めたスーパーAYCとして一層の効果を引き出した。

十勝24時間レースで鍛えたトランスミッションはショット加工にトリプルコーンのシンクロギアを奢られていたのだ。また独・ニュルブルクリンクで本格的な走り込みを行い、ラップタイム8分4秒と当時の4WDセダン最速タイムを刻み、最高速度も253km/hに達して歴代エボ最高速に仕上げられた。

ルーフエンドにはボーテックスジェネレーターを装備させ、空力パーツのトレンドを生み出したことも注目に値した。

次のチョイスはエボXだ。エボXにはツインクラッチTC-SSTを初搭載。ローンチコントロールにサーキット専用のターマックモードを取り入れるなど時代を先取りしていた。変速操作はステアリングコラム固定式のパドルを採用。これはレーシングドライバーのキャリアとして強く採用を進言したものだ。

ステアリングコラム固定式はフェラーリマセラティランボルギーニアストンマーチンなどのスーパースポーツモデルが採用する手法で、サーキット走行での操作性に際立っていた。エボXではアストンマーティンが採用していたマグネシウム製の軽量金属製を採用。操作フィールも質感の高いものだったのだ。

また、車体スタイリングのデザインは歴代エボで最高に格好よく、登場から10年以上経過した現在でも見劣りしない。エボXではマフラーの排気口がデュアルで左右に分割され、またバッテリーをトランクルームに設置して前後重配分を向上させるなどハンドリングも極めていた。

しかし、じつのところこのエボXよりも優れたハンドリングを示すモデルもあった。それはエボ・ワゴンだ。エボVIIのGTをベースにワゴンボディを架装したことで前後重量配分が最適化され、世界最速のワゴンを謳っていた。

実際、スーパー耐久で走らせて好成績を収めたのだ。GTは機械式デフを搭載するモデルとしてラインアップされていたが、ワゴンをGTベースにしたのはAYCを装備したらセダンを凌ぐ激速モデルになってしまうと危惧したことも一因だ。エボXの前後重量配分はエボ・ワゴンの数値を目指したものだった。

ほかにも初めてACDを初搭載したエボVIIもエボ存続に大きな影響を与え、低価格設定で累計販売台数ではエボシリーズ最高の販売台数を記録し、エボVIII開発への勢いを作ったのだ。

僕とエボの成績として、N1耐久シリーズからスーパー耐久シリーズのレースでシリーズ制覇5回、50勝(総合優勝1回)を記録したが、エボだけで語ればその数はさらに多い。

エボが活躍した時代。あの情熱と勢い、向上心がラリーアートの復活とともにこれからの三菱自動車へいま一度蘇ることに期待を寄せたい。

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